小室さんの28頁に及んだ説明文書の公表後、事態は益々混迷を極めている。だが実は、この文書や一連の対応に、眞子さまが驚くほど深く主体的に関わってこられたことはほとんど知られていない。初恋の“海の王子”との結婚に猛進する眞子さまの愛の真実に迫る。
ロンドンから北へ、電車で1時間ほど揺られると、レスターに着く。古代ローマ時代に建設されたというこの都市には、当時の遺跡やヴィクトリア様式の建造物など、歴史情緒を感じさせる風景がいまも残る。
15年5月。春爛漫のこの地で、1組の若い日本人カップルが肩を並べていた。
道行く人は気付かないが、女性は日本のプリンセスだ。その証拠に、少し離れた場所からは、日本から派遣された護衛官が、2人の様子をひっそりと見守っている。プリンセスが熱い視線を送る青年は、日本のゴールデンウィークを利用して、留学中のプリンセスに会いに来たのだ。前年9月にプリンセスが日本を発ってから、約8カ月ぶりの再会だった。
異国の雰囲気が、大胆にさせたのだろう。プリンセスは愛おしそうに青年に身を寄せるのだった――。
◇
17年5月にNHKが婚約内定をスクープしてから約4年。秋篠宮家の長女・眞子さま(29)と小室圭さん(29)の結婚問題は、いまだ混迷を極めている。
4月8日、小室さんが母・佳代さんと元婚約者・X氏との金銭トラブルについての説明文書を発表。さらに4日後、解決金を支払う意向があると明かしたが、X氏は自身の代理人が記者契約を結ぶ『週刊現代』誌上で「受け取るつもりはない」と語るなど、解決にはほど遠い状況だ。
小室さんが発表した説明文書も物議を醸した。
「佳代さんがX氏から受け取った約400万円について、X氏が『返してもらうつもりはなかった』と口にしたことに23回も言及し、その発言の録音記録があるとまで暴露しました。さらに双方の代理人同士の協議では、小室さん側の上芝直史弁護士が『X氏が貸付という認識ならば、それぞれの日付、金額、名目を説明してほしい』と要求していたことも判明。これに対してX氏は『週刊現代』で『どんな名目であろうと、小室家という家計に入ったおカネ』『佳代さんと圭くんが困っているから貸したのに』と困惑する胸中を語っています」(宮内庁担当記者)
強い反発を招いた小室さんの説明文書。自らの法的な正当性を主張するあまり、国民とともに歩む皇室にとって最も重要な、「国民の目にどう映るのか」という視点が決定的に欠けていた。だが実は、これらの対応は小室さんの一存で行われているわけではなかった。
「小室さんの文書公表の翌日、加地隆治皇嗣職大夫が会見で、文書に対する秋篠宮家の受け止めを説明しました。その中で『文書の3つめの項目である“基本的な方針について”は、眞子さまのご意向が大きかったと聞いている』と明かしたのです」(同前)
その項目とは、17年12月に借金問題が初めて報じられて以来、お金を支払って問題の解決を図らなかった理由を述べた部分だ。
〈(借金だったとされてしまえば)私や母は借金を踏み倒そうとしていた人間だったのだということになります。これは、将来の私の家族までもが借金を踏み倒そうとした人間の家族として見られ続けるということを意味します〉
まさにここに、眞子さまのご意向が大きく影響しているというのだ。
小室家に近い関係者が明かす。
「報道当初から小室さんの振る舞いは、皇室側からはあり得ないと受け取られるものが多かった。たとえば婚約内定報道後、朝に電話で眞子さまと挨拶を交わしたことを報道陣の前で話してしまったことなどです」
そんな小室さんを、眞子さまはあるときこう叱った。
「甘いのよ!」
それ以降、小室さんは自身の対応を逐一、眞子さまに相談しているという。
「つまり、小室さんの対応は全て“眞子さまのご意向”なのです」(前出・関係者)
〈眞子ちゃんははたらき者〉
父・秋篠宮が望む「多くの人の納得」を自ら放棄することになりかねない、互いを盲信する2人の愛は、いかに育まれてきたのか。
91年10月、当時の天皇の初孫としてお生まれになった眞子さま。その3年後には佳子さまも誕生され、国民の多くは姉妹のご成長を微笑ましく見つめてきた。
「眞子さまはとても思いやりのあるお姉さまでした。小学校低学年のころから、佳子さまと喧嘩をなさっても、『はいはい、仕方ないわね』という調子で折れるのは決まって眞子さまでした」(皇宮警察関係者)
面倒見が良く、しっかり者の長女――。このころ、誰もが眞子さまをこう評していた。ある護衛官が、幼少期から喜怒哀楽を表に出すことが殆どない様子を見て、「制度が許すなら、眞子さまは天皇にふさわしいかもしれない」と感嘆したとの逸話も残っている。
祖母の美智子さまも大きな期待を寄せられ、眞子さまが学習院初等科3年生のときには、養蚕に関する手紙にこう書き綴られた。
〈おととし眞子ちゃんは、このまゆかきの仕事をずいぶん長い時間てつだって下さり、ばあばは眞子ちゃんはたいそうはたらき者だと思いました〉
学習院女子高等科の2年生だった16歳のときには、単独公務デビュー。佳子さまの初の単独公務が大学入学後の19歳だったことからも、異例の早さが際立つ。
そんな眞子さまは20歳だった12年6月、小室さんと運命の出会いを果たす。交換留学の説明会でのことだった。翌7月には初デートに出かけ、13年には眞子さまがご両親に小室さんを紹介。そして同年12月、22歳になって間もない小室さんが「将来結婚いたしましょう」とプロポーズ。
「秋篠宮さまと紀子さまの出会いも大学のキャンパスでした。それもあって、秋篠宮さまはかねてより『学生時代に結婚相手を見つけないと難しい』と仰っていた。社会に出てしまうと、お見合いや紹介以外でさりげなく異性と出会うきっかけが減ってしまう。こうしたお話を、眞子さまも折に触れてお聞きになっていたのでは」(秋篠宮家関係者)
眞子さまにとって初めての本格的な交際相手だった小室さん。眞子さまはその“初恋”を、大切に育んだ。
14年9月から約1年間、レスター大学大学院に留学された眞子さま。小誌は、当時撮影された写真を入手した。渡英から約2カ月後の11月1日、眞子さまも学んでおられた博物館学の学生有志団体のハロウィンパーティでは、頬に赤い丸を描き、猫耳を身につけた仮装姿の眞子さまが、生き生きとした笑顔を浮かべていらっしゃる。
12月12日に開催されたクリスマスイベントでは、アルコールを飲まれたのか、少し頬を染めた眞子さまのお姿が。爪にはミントグリーンのネイルが施され、右手薬指には指輪が光る。眞子さまの普段の落ち着いた服装から考えると、ややロックな印象のある太めの指輪は、小室さんとお揃いのものだ。
15年5月には、三菱東京UFJ銀行に就職して10カ月ほどの小室さんが、大型連休を利用して訪英した。
「現地ではお2人があまりにラブラブなため、護衛官は目のやり場に困ったそうです。もし現地で『日本のプリンセスがデート』なんて報じられたら一大事。護衛官はお2人が公道で目立つ行動を取らぬよう、それとなく注意していたといいます」(宮内庁関係者)
「本人たちが収まらない」
その後も眞子さまは一途な愛を貫かれた。そして2年後の17年5月、婚約内定が報じられたのだ。
9月のツーショット会見では、初々しいカップルに日本中が沸いた。帝国ホテルでの結婚式の日取りも決まり、新居の下見も始まろうとしていた。そんな最中の17年12月、『週刊女性』に佳代さんの金銭トラブルがスクープされた。
予期せぬ報道に、眞子さまも当初、驚きを隠せずにいたという。
「小室さん母子が返済を求めるX氏に『(約400万円は)贈与だと認識している』と告げたのは、13年8月のこと。眞子さまとの交際が既に始まっていた時期でしたが、こうしたトラブルについて眞子さまは一切知らされていなかった。当然、眞子さまは小室さんに説明を求められた。このとき小室さんが眞子さまに明かしたのが、X氏が『返してもらうつもりはなかった』と発言した隠し録音の存在でした。それを真に受けた眞子さまは『返す必要のないお金だ』と納得されたのです」(同前)
眞子さまの小室さんへの信頼は揺らがなかった。ただし、1つだけ不満に思われたことがあったという。小室さんが、金銭トラブルをご自身や秋篠宮ご夫妻に明かしていなかったことだ。
「眞子さまは、きわめて緻密に物事を考えてから行動に移すタイプです。そんな眞子さまからすれば、小室さんが金銭トラブルについて事前に打ち明けなかったのは“詰めが甘い”と映った。トラブルが明るみに出てからの対応が、どうしても後手に回るからです。結果的に小室さんは、眞子さまに隠し事をしていたとして、秋篠宮ご夫妻からの信頼を失うことにもなりました」(眞子さまの知人)
小室さんに対応を任せてはおけない――。徐々に、眞子さまの“ご気性”が頭をもたげ始める。最も顕著に表われたのは、19年12月のことだ。
「小室さんはこの年の1月に最初の文書を発表し、借金問題について『解決済みと認識していた』と説明しました。その後、11月下旬に秋篠宮さまが誕生日会見で結婚問題に言及されたのを受けて、民放でもいくつかの番組が改めて小室さん文書を取り上げた。このときの報道ぶりについて、小室さん側が『当時の認識を説明しただけなのに、今も解決済みと主張しているように“誤報”された』と主張して、小室さんの代理人の上芝弁護士が複数の番組に訂正と謝罪を求めたのです。やり玉にあげられたのはテレビ局だけではなく、小室さん文書をスクープした共同通信にも及びました」(皇室担当デスク)
上芝弁護士は謝罪を要求する際、こう言って“眞子さまのご意向”をチラつかせた。
「当事者たちが苦しんでいる」
「本人たちが収まらない」
だが、そもそも小室さんは18年夏から米フォーダム大に留学中。日本のテレビ番組を逐一チェックするとは考えづらい。謝罪を要求されたメディアの関係者が打ち明ける。
「こちらは、謝罪要求が眞子さまのご意向であることを強く感じざるを得ませんでした。実際、上芝氏からは“眞子さまは、報道が結婚の妨げになっていると感じている”という趣旨の発言もありました」
そのため、抗議を受けた『Mr.サンデー』や『バイキング』(共にフジテレビ)や『あさチャン!』(TBS)では、出演者が訂正し、頭を下げる異例のシーンが放映された。
悠仁さまへの悪影響
一般的には、フィギュアスケートやダンスなど幼少期から溌剌としたご様子を見せてきた佳子さまに比べ、眞子さまは「おっとり型」というイメージで語られがちだ。だが、実際にはご自身の意見をはっきり述べられることが多い。別の宮内庁関係者が語る。
「秋篠宮家では、1年に2度ほど、宮内庁参与や御用掛とさまざまな事柄について話し合う機会がありました。成人されてからは眞子さまや佳子さまも参加されたのですが、眞子さまは積極的に議論に加わったそうです。あるとき、出席者の一人と眞子さまとで議論が白熱することがあったのですが、眞子さまは一歩も引かず、秋篠宮さまも擁護されるような発言をなさった」
ある出席者は後に、このときのことを振り返って、こう漏らした。
「眞子さまはご気性が激しい……」
国際基督教大学(ICU)の眞子さまの同級生も、こう語る。
「眞子さまはおしとやかという感じは全く無く、むしろ“気の強い人”という印象です。『これってどういうことかな』と尋ねると『こういうことじゃないかな』と迷いなく返してきた」
宗教学の授業では、教授から意見を求められることもあった。異文化に関する難しい質問に対しても、眞子さまは論理的にご自身の意見を述べられたという。
こうした眞子さまのご気性と、小室さんの良くも悪くも自らの正当性を主張する頑なさは、一体となって結婚へと突き進んでいくことになる。
眞子さまの結婚への“猛進”は、これだけではない。
「眞子さまは20年2月に結婚延期から丸2年を迎えるタイミングで『お気持ち』文書を発表される予定でした。この文書を準備されるにあたって宮内庁関係者に相談を重ねる中で、結婚にともない支給される1億円を超える一時金について『お金は要りません』と訴えられたのです。国民から小室さんに対し『借金も返さないのに、税金から出される一時金を受け取るのか』と批判が上がっているのをご存知だったからでしょう」(前出・秋篠宮家関係者)
さらに、眞子さまは「皇籍離脱をしてから結婚する」という驚きのプランまで口にされたという。
「一時金辞退にしろ結婚前の皇籍離脱にしろ、前例のないこと。関係者は、こうした眞子さまの暴走気味のご発言にずいぶん苦慮したそうです。眞子さまの振る舞いを受けて、秋篠宮さまは、内心では小室さんとの結婚に反対されつつも、強引に引き離しては眞子さまが“暴発”しかねない、というお気持ちにもなっておられるようです」(同前)
結局眞子さまは、昨年11月に公表された「お気持ち」文書の中で〈結婚は、私たちにとって自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択〉だと痛切に訴えられたのだ。
結婚に向けて突き進まれる中、今、秋篠宮家が憂慮するのが“将来の天皇”悠仁さまへの悪影響だという。
「悠仁さまはお茶の水女子大学附属中の3年生になられました。世間の話題に敏感になる年頃です。そのため、眞子さまはご自身の結婚問題について『級友から(悠仁さまが)何か言われていないか』『イジメに遭っていないか』と心配なさっている。眞子さまと佳子さまは悠仁さまを心から可愛がっておられ、幼稚園の送り迎えをなさったり、宮邸でローラースケートをして一緒に遊んだりと、よく面倒を見てこられた。眞子さまの結婚を応援なさっている佳子さまも、眞子さま同様、悠仁さまのことは心配されているはずです」(別の秋篠宮家関係者)
“将来の天皇”をも巻き込みつつある、佳代さんの金銭トラブル。28頁の説明文書で沈静化するどころか、次々と新疑惑が判明している。佳代さんが亡夫の遺族年金の受給を続けるために、X氏に事実婚しても秘密にするよう口止めメールを送っていたこと。X氏の生命保険の受取人を佳代さんが要望して自身に変えさせ、かつ、受取り金額について「500万円では安すぎる」と怒ったこと……。今回、さらに新たな事実が判明した。佳代さんとX氏のメールのやりとりを子細に分析すると、佳代さんはX氏から、これまで問題となってきた409万円以外にも援助を受けていたことが明らかになったのだ。
一般参賀に並ばれた眞子さま
佳代さんとX氏が婚約してから2カ月後の、10年11月8日。この日、佳代さんはX氏に、生命保険の受取人が自分に変更済みなのか確認するメールを送っていた。X氏はこう返した。
〈生命保険は手続き中です。必要でしたら、(必要ですよね)証書が届き次第コピーをとります。
年末調整は、受取人が佳代さんになっています。これはコピーをとりました〉
翌朝の佳代さんの返事。
〈保健(ママ)の件、了解しました。有難うございます。
年末調整は来年の旅行の為に貯蓄かナ~(笑)♪〉
年末調整とは、会社が従業員の納めるべき1年間の所得税と、従業員の毎月の給与や賞与からあらかじめ控除した所得税額を比較して、過不足を調整する処理のことだ。払いすぎていた分は「還付金」として会社から従業員に返金される。佳代さんとX氏のやりとりからは、この還付金の受取人が佳代さんとなるよう、X氏が手続きをした様子が浮かび上がる。しかし、専門家はこれを“異例の手続き”だと指摘するのだ。
「一般的に、還付金の受取人を従業員以外の第三者にするのは、従業員が海外勤務で還付金を受け取ることができない場合に“納税管理人”を指定するケースくらいしか考えられません。従業員が希望したとしても、なぜ第三者が受け取るのか会社側が事情を詳しく聞くはずで、社内でおかしな噂が立ちかねない。かなり特殊なケースだと言えます」(税理士の大林茂樹氏)
年末調整で所得金額からの控除があるのは、生命保険や火災保険などの保険料や住宅ローンを支払っている場合だ。当時住宅ローンを抱え、生命保険にも加入していたX氏。所得や住民税も絡むため、正確には分からないが、還付金は「おそらく10万~20万円といったところ」(同前)だという。メールを見る限り、この還付金も、佳代さんの懐に入っていたことになる。この点について尋ねる手紙を佳代さんのもとに届けたが、回答はなかった。
小室さんはこの夏、米国で司法試験を受ける予定だ。合否が判明する秋にも結婚し、お2人は米国で暮らすのでは、と囁く宮内庁関係者は多い。
◇
皇室行事の一つに、毎年1月2日の「一般参賀」がある。皇居・宮殿のベランダに天皇皇后をはじめとする成年の皇族方がお出ましになり、国民から直接、祝賀を受ける。多い年には10万人を超える国民が皇居に集う。国民はお出ましまで、長い行列を作る。
眞子さまが成年になられる前のある年、国民とともに行列に並ばれたことがある。ご自身が20歳になる前に、国民の目線から皇族がどう映るのか、体験したいと考えられたに違いない。
国民の目に、皇族とはどう映るべきか――。眞子さまがあの時のお気持ちを失われぬよう、切に祈りたい。
source : 週刊文春 2021年5月6日・13日号