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異世界無双には向かない国民性 作者:中村 颯希
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1.#「グローバル化」の言葉に弱い

 イギリスの外れにある大学の、広大なキャンパス。


 湖すら擁する広い敷地内を、雲の切れ目から注ぐ月光と、わずかな街灯の光を頼りにとぼとぼと歩く。

 両手には、大型スーパーのビニール袋を握りしめていた。


「くそ……重てぇ……」


 ぎし、と手のうちで音を立てる重量物に、思わず呻き声が漏れる。


 日もとうに沈んだ夕飯時。

 湖に面した寮のそれぞれのキッチンでは、学生たちが、ピザを摘まんだり、えせチャイニーズを食らったり、ウォッカの安ボトルを煽っているはずだった。


「あいつら……今日もどんちゃん騒ぎすんのかな……。くそ、せめてコンロ使いてえ……」


 フラットメイト、と呼ばれる同じ寮に住まう学生たちが、キッチンを我が物顔で占拠している様子を思い浮かべ、つい溜息が漏れる。


 この辺鄙な大学では、寮住まいが基本。

 食事は各階についている共有キッチンで自炊して賄うことになっているが、――現地学生と英語の達者なヨーロッパ系学生ばかりが集まったこの寮に、俺はなかなか馴染むことができず、彼らがいるときはキッチンに踏み入ることすらできないのである。


「うう……くそ重い……腹減った……英語できねえよ……こんちくしょー……」


 イギリスはほぼ毎日が雨。


 夜になってさえ、霧のような雨がしとしとと降り続き、パーカーをしっとりと濡らしてくる。

 体の芯にそっと忍び込むような寒さと、重さ、そして空腹に、ついぐちぐちと不平がこぼれた。


 俺、こと山田太朗は、先週からこの大学に語学留学をしている。


 英語ができもしない、ついでに言えば好きでもないのに、一年間にも及ぶ留学プログラムを余儀なくされているのには、不幸としか言えない事情があった。

 俺の入った日本の大学が、少子化に伴い学部併合をしたのである。

 併合した先は、国際教養学部。

 全新入生を一年間留学させることを売りにしていた学部であった。


「英語が話せねえからってAO入試で逃げきったのに……なんでこんなことになるんだよ……」


 俺は部活や生徒会でうまく立ち回ったのが奏功し、受験では内申点パワーで一点突破する形で、なんとかそこそこ名の通った大学への合格を勝ち取った。


 これからは授業も選択制だし、ようやく煩わしい語学から解放されると思った矢先に、これである。

 言語も食事環境も通貨も違う世界に、ある日突然放り込まれる――もはや、異世界転移と言っても過言ではなかった。


 授業は意味がわからず、友人らしき友人もつくれず、ちょっとしたことさえ「これってどうすりゃいいんだろうか」とびくつきながら過ごす日々。

 一週間で、ストレスはすでにマックス値だ。


「今日も湯沸かし器で無理やり茹でたパスタに、PBのパスタソースかな……無理……死ぬ……」


 盛り上がっているフラットメイトたちに、「ここ使わせて」と踏み込んでいく勇気のない俺には、自室に設置されている湯沸かし器しか装備がない。

 ここ数日の主食は、無理やりそれで茹でたパスタに、ただしょっぱいだけのトマトソースをかけたものだ。

 イギリスの食品メーカーよ、うまみという言葉を知っているか。


 無駄に広い湖に沿って歩いているうちに、雨が強まり、スニーカーに水が滲みだしてしまった。

 ますますみじめになってくる。もう何度目になるかわからない溜息が漏れた。


 片道徒歩三十分のスーパーから帰るには、寮と行き来しているシャトルバスを使うという手もあった。

 けれどそれには英語で書かれた行き先を判別せねばならず、しかも道中高確率で隣の人から話しかけられる。

 それをくぐり抜ける自信と語学力が、俺にはなかった。


 帰る道すがらも、道路を走る車が何台か止まっては、たぶん「きみ、ここの学生かい? よければ乗りなよ」的なことを言ってくれた――こちらの人々は、基本的には親切なのだと思う――。

 だが、ヒアリング内容に確信が持てなかったのと、その状態で他人の車に乗るのが恐ろしくて、それも断った。結果、このざまだ。


 重くて、寒くて、空腹。

 俺とてもう十八の男だというのに、英語ができないというただそれだけで、無知な子どもか頼りない老人のように、不慣れな土地で縮こまって歩いている。

 みじめだった。


 とそこに、


「ヘイ、タロー!」


 湖を取り囲む歩道の向こう側から、数人の学生たちやってきた。


 街灯に照らされた顔を見て、少し息を呑む。

 同じ寮に住まうフラットメイトたちだった。


「へ……ヘーイ」


 ひとまず、袋をぶら下げたままの右手を挙げると、相手は軽く口笛を鳴らしたり、意味もなく「ウォウウォウ!」みたいなことを言う。すでに酔っぱらっているようだ。

 そしてこれから、構外に出歩くらしい。夜遊びだろうか。


 人懐っこい茶色の瞳をしたイギリス人のウィルが、がしっと俺の肩に腕をかけてきた。


「オウ、タロー。ユー、すてぃっしょっぴんえんごいん? いひゅーらいごあうさいっんどぅりっきうぉっえ、とっぴんぱらりのぴょーん?」


 ……オウ、タロー、ユーまでしかわからなかった。


 いや、さすがに「ぴょーん」だとか言っているとは思わないのだが、それくらい訳がわからないのだということを、皆さんにもぜひご理解いただきたい。


 俺が悲しい日本人の(さが)で、曖昧に「い、いえーす?」と相槌を打つと、ウィルはちょっと驚いたように目を見開いた。


「オウ、リーリィ? ばっ、しょうそうvふぃvjぉf、plkあlしdjふぃおいかそいdじゃかめんみょだかすったかはなもげらー!」


 だめだ。

 スピードが上がってさらにわからん。


 俺はすっかり顔を引き攣らせて、「うぇ……うぇいと……」と呟いた。この一週間で、“wait”の単語だけはやたらと口をつくようになったものだ。


 すると、ウィルの傍にいたイタリア人のマルコと、ブラジル人のミカエルが、陽気に笑いながら、ウィルよりさらに難解に訛った英語で、なにごとかを告げてくる。

 文尾にやたら「オーケー? オーケー?」と付けるので、ほとんどつられたように、


「お……オーケー……?」


 と頷くと、彼らはぱっと顔を輝かせ、かじり終わったリンゴだとか、飲み終わったビール瓶だとかをひょいと俺に押し付けた。


「センキュー!」


 それでようやく理解する。

 どうやら俺は、ごみ捨て役を仰せつかったようだ。


「え、ちょ、待っ……うぇ、うぇい!」


 慌てて制止するが、その後になんと言うべきかわからない。

 ぱくぱくと口だけ動かし、その後黙り込んでしまった俺を見て、ウィルたちは顔を見合わせ、やがて肩をすくめ、歩き出してしまった。


「うぇ……――」


 ウェイト。

 待って。


 呼びかけたいが、――いや、なんと続けたものかわからない。


 俺は眉を下げて、結局口を引き結んだ。


「なんだよ……」


 彼らの後ろ姿が小さくなったころに、ようやくぽつんと呟く。


 パシられた。

 ただそれだけのことなのに、たまらなく、みじめだった。


「なんだよ……馬鹿にしてんじゃ……ねえよ」


 情けないことに、声が震える。

 ちょっぴり、涙が出そうだった。


 だって、日本にさえいれば、俺だって「普通」か、それよりはちょっと上くらいの人間なのだ。


 仲のいい友達がいて、会話では俺が盛り上げ役で、頭だってそこまで悪くもなくて。

 こんな、毎日毎日、ひとり寂しく部屋に籠ってまずいパスタを食うような、ストレスフルな会話の末にごみを押し付けられるような、そんな人間ではなかった。

 それなのに。


「なんで……英語ができないだけで……日本人ってだけで……こんな……」


 たぶん、国籍のせいにするのは間違っている。

 英語が話せないのも、意気地なしなのも、俺のせいだ。

 それでもやはり、留学なんかしていると、日本人というだけで勝手にこちらが委縮してしまう感じがあって、そこに、この鬱屈の原因をすべて押し付けてしまいたかったのだ。


「ざけんなよ……ちくしょー……ここじゃなけりゃ、俺だって……」


 俯いたまま、みっともなく独白する。


 そうとも。

 こんな場所でなければ、俺だって。


 きっと、積極的に会話して、人の輪に飛び込んで、なにか活躍してみせたり、人から頼られたりして。

 毎日面白おかしく、わくわくしながら過ごしているはずなんだ。


「くそ……こんな異世界転移、誰も望んじゃいねえよ……」


 日本語が恋しくて、最近読みふけってしまっているネット小説の内容を思い出す。

 ハマっているのは異世界転移もの。

 平凡な主人公がある日異世界にワープしてしまい、ただ現代人というだけで、あるいはそいつがそいつであるというだけで、活躍し、美少女たちからちやほやされる。

 小説の主人公たちと自分との差に、泣けてきそうだった。美少女はどこだよ。


「ちくしょー……俺は日本に籠って一生終えるっつってんのに、なんでイギリスの片田舎まで追いやられてんだよ……留学プログラムとか、大きなお世話なんだよ……!」


 みじめさは怒りに変わり、俺はやがて、学部併合を決めた大学や、この留学プログラムを称賛する世間にまで、その憤怒の想いをぶつけはじめた。


「多様性を身に着けた次世代人材? グローバル化への対応? ざっけんな、こんなんグローバル化じゃなくて、単なる英語への服従じゃねえか! 馬鹿も……馬鹿もレスト、レスト、セイだこんちくしょーっ!!」


 たぶん、休み休み言うべきなのは、俺のこの、残念すぎる英語のほうだ。

 が、勢いのままビニール袋をがさがさ揺らして叫んでいたら、それは突然起こった。


 ――ぱあああっ!


「え…………?」


 静かに霧雨を受け止めていたはずの湖が、いきなり光り出したのだ。

 同時に、俺の全身がそちらに引っぱられていく。


「え……!? え!? え、え、えええ!?」


 まるで見えない糸に引っ張られるように、体がかくんと倒れ、そのまま岸をずるずると引きずられる。 スーパーの袋がどさりと手から引き離され、中身が湿った草の上を転がっていった。


「ちょ……っ、ちょ、え……!」


 ざぶんっ。

 勢いよく足から湖に飛び込む。


「つめた……っ、ちょ……っ、ごぼ……っ!」


 身を切るような水の冷たさを感じたのと同時に、俺の意識は、真っ白な光に染め上げられた。




***




 温かい。

 まるで羊水に包まれているような、ゆったりとした感触を覚える。


 ふと目を開くと、ゆらりと張った水の向こうに、ぼんやりとした光が見えた。


「――……?」


 ここはどこだろう。


 俺はたしか、湖に溺れて……いや、その割にはずいぶんと温かいし……いや待て、それ以前に、水中にいるのに呼吸がまったく苦しくないとはどうしたわけだ。


 ひとりびっくりしながら、きょろきょろと周囲を見回していると、頭上にあった光がぐうっと近づき、その奥にふたりの人物がぼんやりと像を結んだ。

 彼らもまた、こちらを覗き込んでいるようだ。


 ひとりは立派な椅子に腰かけた、なんだか大層な身なりをした中年の男性で、もうひとりはローブのようなものをまとって、こちらに向かって杖を向けている老人。

 どちらも俺の姿を認めるなりぱっと顔を輝かせて、中年男性のほうが先に叫んだ。


「よくやったエグモント! 勇者の召喚に成功したか!」

「はっ。間違いなく異世界からの客人の様子。ただいま詳細を鑑定しますゆえ、しばしお待ちを、陛下」


 老人――エグモントというらしい――は目をすがめ、神妙な面持ちでこちらに手をかざしてくる。

 その背後で、陛下――つまり王様なのだろう、彼はにこにこと満面の笑みを浮かべながら、「これで我が国は救われる!」などと椅子から立ち上がっている。


 それらの情報を素早く総合して、俺はどきどきと胸を高鳴らせた。


 もしや。


 もしやこれって――異世界召喚!?


「魔物たちが跋扈する今日日、一刻も早く勇者の召喚をと思っていたが、こんなにも順調に召喚できるとは。今回の勇者殿には、褒賞としてどの娘を付けさせようなあ」


 俺が聞き耳を立てているのを知ってか知らずか、王様は重要な情報を散りばめてくれる。


 魔物。勇者。召喚。

 間違いない、これはあれだ。

 俺は魔物を倒すべく、この世界に「勇者」として召喚されたのだ。

 しかも美貌の王女が俺に惚れてくる系の、ハーレムの気配(フラグ)も嗅ぎ取った!


 非現実的な展開を疑う思いももちろんあるが、それ以上に、このときの俺は、一瞬であれ願ったことが実現したという興奮に占拠されていた。


 きた。

 俺の時代がやってきた。

 俺が俺であるというだけで、活躍し、ちやほやされる展開が、きっとこの先待っている――!


 わくわくする俺をよそに、水の膜の向こうでは、たぶん神官かなにかなのだろうエグモントさんが、一生懸命手のひらに力を込めている。

 同時にぐっと身体が引かれる感覚がし、俺はますますふたりがいる世界のほうに近付いていった。

 水族館で観客にすり寄ってくる魚にでもなった気分だ。


 近付いたことで、向こうにも俺の姿がよく見えるようになったのか、エグモントさんがちょっと目を見開いた。


「……どうやらこの異世界人……黒髪に黒瞳のようですな」


 もしやこれは、黒髪が神秘の色とか、黒瞳にだけすごいスキルが宿っているとか、そういった展開だろうか。

 染めなくてよかった! と相好を崩していると、しかし、王様は微妙な反応を返した。


「……なに? それでは――」

「あ、いえ。異世界人には多い色のようですから、まだそうとは……」


 エグモントさんも、ちょっと微妙な顔つきになって、もごもごと呟く。

 わずかに強張った表情や、瞳には、俺の気のせいでなければ――残念そうな色が浮かんでいた。


 彼がつ、と掌を動かすと、俺の全身が光で撫でられたような感触がして、なんとなく「スキャン」といった単語が頭に浮かぶ。

 エグモントさんはしばし、情報を読み取るように虚空を眺めると、やがてゆっくりと口を開いた。


「申し上げます。この者の名はタロウ・ヤマーダ。男性、年は十八。国籍は……ニホン人、ですな」

「…………」


 王様が、とたんに半眼になって腰を下ろす。

 彼はもみあげの辺りをいじりながら、ものすごく興味がなさそうに尋ねた。


「……一応聞くが、『タグ』は」

「は、はい。タグは……ええ、#きれい好き、#勤勉、#真面目――」


 どうやらタグというのは、俺を分類するための単語の羅列らしい……って、SNSかよ!


「…………」

「あとは、#風呂好き、#食にうるさい、#英語(スペル)の発音が苦手、#サブカルチャーに造詣が深い……とか、でしょうかね」

「どこまでも平均的なニホン人でしかないではないか!」


 先ほどまでの好意的なムードから一転、王様は吐き捨てるように叫んだ。


「#筋力強化、だとか、#英語(スペル)がネイティブ級、だとかならまだしも、これではまるで使えないではないか」


 ええ!? 俺の勇者的素質が、ものの一分で全否定されたんだが。

 しかし、予想外の展開に呆然とする俺をよそに、エグモントさんまでもが苦り切った表情で頷くだけだった。


「おっしゃるとおりですな……。しかもこの者、きれい好きでサブカル好きとなると、相当扱いにくいかと……」

「まったく。ただでさえニホン人は、潔癖症すぎてこちらの生活ですぐに体調を崩すうえに、サブカルとかいう夢想でイメトレばかり重ねているだけに、すぐハーレムを寄越せだとか、俺TUEEE成分が足りないなどと文句をつけてくる。度しがたい連中だ」

「そのくせ、というかだからこそ、召喚に肯定的で、数だけはバカバカ釣れますからなあ……」


 あきれ顔で告げるエグモントさんに呆然とする。

 日本人それすなわち高級魚(レア)、くらいが常識だと思っていたのに、まさかのブラックバス扱いだと……?


 エグモントさんが「して、この者、どうしましょう?」と尋ねると、王様は虫でも追い払うように片手を振った。


「決まっているだろう、リリースだ、リリース。召喚の技術だって日進月歩、もはやニホン人しか釣れない時代は終わったのだ。どうせ召喚するなら、英語(スペル)が得意な者や、あるいはいっそ、どんな無人島でも生きていけるサバイバル力に優れた者のほうがよい。それにはニホン人などお呼びじゃないだろう」

「ですな」

「国費を湯水のように使って、こんな『外れ』を引いたと民に知られたら、信用にかかわる。召喚したら殺さねばならぬところだが――今ならまだ送り返すだけで済むだろう? 国の財政を握る者としては、あらゆる労力は削減せねば」

「仰るとおりでございます」


 エグモントさんはあっさり頷くと、先ほどまで力を込めていた手のひらを、さっと引っ込めた。

 とたんに、水の膜からさあっと身体が引き離される感覚を抱く。


 俺はぎょっとして、とっさに腕を伸ばした。


『ちょ……っ! ごぼ……っ!』


 だが、さすがに水の中では発話はできないらしく、がぼっと水を飲みこんでしまう。

 ばしゃばしゃと暴れていると水の向こうでふたりが驚いたように身構えた。


「な……っ!? こやつ、自分の意思で動けるのか……!?」

「そんなまさか――!」


 なにかを叫びあっているが、その声がどんどん遠ざかっていく。


 ふたりの像が揺らぐ。

 光の明度があっという間に落ちていく。


 自分の意識が再びなにかに飲み込まれようとするのを感じながら、俺は内心で叫んだ。


 殺すってなんだよ。

 俺は選ばれし勇者じゃないのかよ。


 異世界召喚までグローバル化が進んでるとか、どういうことだよ――!

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