津野はギターを掻き鳴らすことは少ない。楽曲の方向性によってはそのようなプレイをすることもあるが、あえて手数を抑えて間を大切にしたギタープレイが魅力だ。他の楽器やボーカルの音とかぶらないように絶妙なタイミングで、ここぞというときに個性的で耳に残るフレーズを弾く。バンドによる演奏の全体像を考えつつも、個人としても最大限のプレイができるように工夫しているのだ。
そんなギタープレイは他のプロミュージシャンにも認められている。『関ジャム ~完全燃SHOW』に出演した際、LUNASEAのSUGIZO、GLAYのHISASHIと共にLUNA SEA『STORM』のセッションを行ったが、レジェンドとも言える凄腕ギタリストと並んでも遜色のないテクニックと個性で存在感を示していた。ソングライターとしてだけでなく、ギタリストとしても一流なのだ。
音楽プロデューサーの亀田誠治を中心に結成された、音楽フェス『VIVA LA ROCK』での限定バンド『VIVA LA J-ROCK ANTHEMS』にも参加し、メンバーで最年少ながら唯一無二の存在感を示していた。
彼女はロックシーンにおいてのみ重要だったわけではない。アイドルシーンにおいても津野米咲や赤い公園は重要な存在だった。
2013年にはSMAP『Joy!!』の作詞作曲を津野が手がけ、約40万枚のヒットになっている。この曲はSMAPがベストアルバムを作る際に人気楽曲投票を行ったところ、400曲を超える候補から16位にランクインしている。ファンから愛されている人気楽曲なのだ。
『Joy!!』は、まだ東日本大震災の爪痕が残っていた2013年にリリースされた。日常を取り戻しつつも、まだ傷が癒えない人や元どおりの生活に戻れない人がたくさんいた時期。そんなときに〈どうにかなるさ人生は 明るい歌でも歌っていくのさ〉という歌詞を国民的アイドルが明るいディスコ調の曲に合わせて歌う姿は、多くの人に元気を与えていた。津野は「今SMAPが歌うべき言葉」を的確に選んで音楽にした。SMAPへの愛とリスペクトを持って、音楽の力を信じて制作をしている。だからSMAPファンから深く愛される楽曲を作れたのだろう。
モーニング娘’16『泡沫サタデーナイト!』も忘れてはならない。この曲もモー娘。ファンから愛されている。ハロプロ楽曲にファンの投票で順位をつけるファンイベント『ハロプロ楽曲大賞2016』ではランキング1位になった。今までのハロプロの音楽性を継承しつつも、今までにはない魅力を感じる楽曲。つんく♂が作詞作曲していない楽曲でシングル表題曲としてCDの1曲目に収録されたことは初めてだった。ファンだけでなく関係者にも評価された勝負曲だったのだろう。
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