めひろぎおひろぎ

ごしそに&どくすた連絡所 平安時代か平成初期 サイト閉鎖中

>ナシェ強くないって聞いたことある

せやろ? 男にナシェの話すると必ず言われる>ナシェはそんなに強くないですよ
男は本当に男アイドルが嫌いだからな 特にナシェみたいなタイプ 理人は別に
男は栄西に興味なくてナシェが嫌いですよ ぺんの事も嫌いだったんだけど栄西2以降は
一遍=自分だと思ってるから好きなんだ 大体道元のこともクソほど嫌いだぞ 夢男
だから天燃えなんか本物のNTRが愉しめて最高やで ××さんのこと愛してんだよ……

【夢男の好き嫌い(ノーマル、腐男子の事は知らん。夢男に限定する)

蛇蝎のごとく嫌い:フィナンシェ、道元(14歳版。神はおもしれー男なので好き)
まったく興味がない:栄西、理人(なんか本当に頭の中にこの2人がいない)
嫌いではない:御幸と正宗
あれはあれであり:この星版の辰真(ごし2の辰真は微妙)
『自分』だと思ってる:栄西2以降の一遍
『自分』を愛してくれるから愛している:××さん
理想の自分:桐嶋大河

桐嶋大河のことは蜂蜜のごとく好きだけど、腐男子ほどではない
腐男子は頭が狂うほど桐嶋大河が好き 夢男にとっての××さんレベル
夢男は栄西2を一遍主人公の普通の男性向けエロゲだと思っているので……

夢男的にはおうひとの女主人公とか高遠さんの女主人公とかは「ふーん」なんだよな
自分への愛が足りないしさ 愛し方もふつーだしね
あと真っ当にかっこいい男を好きな女って「ふーん」って感じ 自分に関係ないというか
もっと激しく、倫理観を失ってまでもえこひいきされたいわけですよ
夢男なんて全員闇属性ですからね(すごい暴言)

ゆーて延暦寺四天王で美形のロンゲですよ それに完全に自己投影できるその自己評価の高さ
男はなんだかんだ、自分はナンバー1じゃないけど4くらいではあるよ? て思ってるのだ!!
自己評価たかーーーーーーい 「まあこれでも低く見積もってね? 大体一遍くらい」くらい言う
そんなに三次元にロンゲの美形がたくさんいてたまるかよ と夢女は思う

夢女が好きな属性:闇属性、ヤンデレ、殺人鬼
夢男が好きな属性:自分しか見えてない女 桐嶋大河になびかない女


ベストマッチング 両想いでよかったですね 天燃えで気が狂って死ね
風属性の男はまあ、許せるけど男アイドル死ぬほど嫌い それが夢男
いや腐男子にもフィナンシェは評判悪いすね 男はナシェのこと想像以上に嫌い 本当に
誰も良く言わない なんでやあんなに可愛いのにね かわいくないか はい……

>腐男子は自分のこと受の栄西だと思ってる

風の栄西…
その、高遠芹はヤツが好きっていう、腐れ男女の共通認識はどこからきてんの?
嫌いだよ…… わりと心底嫌いだよ 夢からしたら栄西は攻めなんだけどなー だめかなー
ナシェと栄西を攻めだと思ってるのはもしかしたら世界で私だけなの? 攻めじゃね???
BLじゃなくて女の子に対してね??? ちーともわからねぇ 黒髪ていうほど受け?
風属性だよ? 背も高いんですけど!! ウインドに対する認識のちがい
先鋒ですけど? あっ 先鋒はちょっと受けぽい? 何が攻めで何が受けかちーともわからぬ

>ナシェ嫌い いなかったことに

私はナシェ好き ぺろぺろ ペロキャン(ペロペロキャンディ)
拘束して、めちゃくちゃ嫌がられながら一日中顔を舐め回したいくらい好きやで!?
なんでや あの「付き合いたいけど絶対結婚したくない」感じかわいいでしょ ぺろぺろ
そう フィナンシェってちゃんと呼んでもくれない 皆ナシェって言うんだよな 吐き捨てるように
正式名称すら口にしたくない程度に嫌いなんすよね 私は超好きです!!!!!
栄西1の一遍が好きじゃないのもあれでしょ ちょいナルっぽい上からの調子乗った男が
嫌いなんでしょ どっちも「そう見えるように振る舞ってるだけ」で調子乗ってないと
おもいますけどね 調子乗ってるみたく見えるのかなあ ひどい人は本当に激怒するからな
フィナの名前出すと本気でキレるからな そんな嫌い???? フィナって呼んであげてよ
混沌のフィナンシェちゃん! さかたしおちゃん! かわいいやろがい!!!!

>道元嫌い

おもしれー男のこと? お前らの血の繋がった弟だろ かわいがれや
世界でたった一人の血が繋がったかわいい弟でしょ!!!!?
兄に感情移入するなら当然弟を好きだと思っていたころもありました(遠い過去形)
皆道元嫌いだよな 私もごしそにの中で一番嫌いやで わかる 2番目は栄西
いいのよ 栄西のことは私以外の人がたくさんたくさん愛してくれるんだから
興味ないのとは違うんだよな、明確に鼻につく だから天燃えでゲロ吐いて死ぬ
私はそういうあなたたちの苦痛が、見たいんだ 歪んだこの愛を受け取ってくれよな
嫌いな男に好きな女を寝取られてゲロ吐いてるお前達を、ただただ見たい それだけ……♡
なんだろう 好きな男ってはちゃめちゃに甘やかしたいけどたまにゲロ出させたくない? 愛だよ♡
世界一美味しい料理を食べさせたあとにそのへんの湿った泥を口に入れてあげたい♡ 愛♡♡
食べてね♡ お前らの心が傷つくって想像するだけで私はすごく興奮しちゃうよ♡
愛してる♡♡

>そうだよ俺が一遍ちゃん!

だから自己評価高くね?? 美形のロンゲを騙ってくる…… お前自分のこと四天王て思ってる?
××さんが一遍を愛すれば愛するほど夢男が「俺のことを愛してくれてありがとう」って泣く
腐れ女子の「泣いてる……」と違って夢男はガチで現実で泣く お前じゃねえよ一遍を愛してんだよ
必ず「俺を」って言う お前すごい顔がいいのね さあ泥と雑草をお食べ 天燃え贈るね♡
ミシュランの椅子に座らせてフランス料理のフルコースをたっぷり「あーん♡」した後で
そのロンゲひっつかんで机にバーン♡ してあげたい♡ なんなんだ私のこの衝動 狂ってる

>天燃え悔しすぎて勃起するわ

良質なNTRからしか摂取できない性的興奮がある…… いわゆる鬱勃起やろ わかる
私の解釈もそうなんだけどEclair一遍ちゃんは勃起しないそうです そんなことありえる??
悲しいと悔しいはありつつたつと思ってた だよね? それはそれこれはこれでたつよな!!!?
それがNTRを最高に味わうってコト…… そこ解釈が割れるしかなり争った部分 わかってるね
また弟のことが好きだと違うのかね 弟が嫌いで自分がぺんだったら悲しくて泣くけど まあ たつ
それとこれは本当に関係ないから…… って感じじゃない!!? それとこれとは別だから!!!
興奮するよね天燃え 過去一勃起するわ… でも違うんだって 清純ぶりやがって……ッ!!
忘れてたけどとしぴろ乙女ゲのキャラだったわ そしたらそうかもね 残念 正直残念

私の希望する天燃えへの反応:あああああああ悲しい!! 悔しい嫌だ嫌だ嫌だ、ああああああ!
              ああああああああ……なんで、なんで××ちゃん……!
              そんなの嫌だよおおおおおおなんか勃起してきたぁ……!


NTRの「それはそれ、これはこれ」理論
そうはならんそうです 清純キャラぶるな!! NTRで興奮しそうな卑猥なツラしやがって!!
泣きボクロがあるようなやつはNTRたら鬱勃起しる!!!(※個人の希望です)
泣くし吐くけど、それはそれでとりあえず 私はそっち派 でも理解されんのよ援護してくれ
天燃えの兄貴はちょっときれいすぎる 夢見てんじゃねえ鬱勃起しろ ほんまに!
もう私くらいになると「自分より優秀な弟」って文字列だけで鬱勃起してきます
ああ……あああ、自分より 自分より優秀で若くて体力のある弟あああああ勃起してきたぁ
ってなる なんか伝わらねんだよなそれが なんでよ 自明の理だろうがーーーーーーー
(人が自明の理って言葉を出す時大体間違ってる説)

>勃つよ!

自明の理 もうそれで勃たないなら闇属性やめろ……(お前船降りろの抑揚で)
法然でもたつわ 延暦寺の闇魔法使いは全員ドM ちょっと心を落ち着けて次の文章読んで

「自分より優秀な弟が、聖なる力で遺伝子の浄化してくる」

はい勃った ああああああくやしいいいい聖属性なんかにいいいいい浄化あああああ勃起してきた
ってなる これは100%を超えた100%だから 何もわかってないんよ闇を知らぬやつは…
他の属性ではいまいちたたない 聖属性だよ!!? ぼくらが闇! 遺伝子まで浄化! んんんん!
これで「聖属性あああああああああおあああああああああああビクビクッ」てならないやつは
闇属性やめろ 遊びじゃねんだよ闇属性は…

>誰に寝取られたら一番悔しいかっていうとね

自明の理… 個人的には栄西に寝取られるのもオススメです あああああ親友ああああああああ
寝取られは脳が破壊されてからがスタートだから…… でも弟だよね 弟 あああああああ♡
んあああああああああああ♡♡ 自分が弟で兄に寝取られるのより「強い」ああああああああ
天燃えの弟、おもしれー男すぎてNTR自体はわりとどうでもよくなりがち
もうだめだよ樋口家は うちは聖属性アンチサークルの強みを活かしきった寝取られをします
聖という最も愚かな属性よ…… もう常時「んああああああああ聖属性あああああビクッビクッ」
ってなるわ それが……闇と共に生きるってこと(?)
ああああああああ悔しいよおおおおおちょっと一回目の前で見せてくれるううううううう???
あーーーーーーーやっぱだめだめだめだめだめですあああああああ ってなりたくない? なりたい
寝取られる人は愛する女に脳を破壊してもらえてハッピー☆
女は女で自らの手で愛する男の脳を破壊できてハッピー☆ それがウィンウィンの寝取られ!!
好きな人の脳を破壊するのは、絶対絶対自分がいいっていう……それは乙女心なんだよネ
「ああっ、好きです! 好きです好きです好きぃいいい」って毎日毎日ちゅっちゅした後で
「オラッ♡ 死ねっ♡ 弟に寝取られてる私を見て死ねっ♡♡ よく見ろっ♡ 死ねっ♡」ってなる 
それが乙女ゲーの「乙女」の部分で 恋 ってやつ…… ヘヘッ 少し心が少女すぎたかしら?

Eclairの見つけた真実の愛 それが天燃え……

いや定番でしょ 闇属性の兄が聖属性の自分より優秀な弟に寝取られ 王道すぎて面白味もない
でも それが 一番響く どこにって股間に…… 下ネタやめろ!

>久しぶりに栄西2をダウンロードしたら立ち絵が変わっていました 驚きました

前の立ち絵は栄西1の立ち絵なんだよね(それを栄西2でもそのまま使っていた)
あれは高遠さんの女主人公(私のリア友/腐れ/最栄派)が描いたものなんだけど、
だから栄西だけ異様にかっこいいんだよ 栄西と最澄が好きなんだな……ってすごいわかるのw
一遍のことどうでもいいから一遍の塗りと栄西の塗りが違いすぎるっていうw 一遍ゲーなのにww
「自分のリア友(私な)が一遍好きだから嫌々一遍描いたけど一遍に興味なさすぎて
塗りにそれが出た」っていう 最澄がちょっと攻めっぽくて栄西がすごい受けっぽい顔だったろ?
なんでかっていうと腐女子が描いたからです そしてぺんに興味ないからぺんだけ攻めにも
受けにも見えない顔で描かれてるっていうww
私そういうの大好きで栄西2でも彼女の絵のままにしておきたかったんだ
自分の好きなキャラを異常にひいきするのがごしそにの面白さだったから
私は一遍に興味ない人が描いた一遍が好きなんだ 嫌ってるのは困るけど腐れ女子って
どの人も「一遍に興味ない」って言うでしょ すごいニュートラルでいいんだよねえ
一遍を適当に描いて最澄栄西に気合いを入れるくらいでいいんだ ごしそには
なぜかというと私が一遍に気合いを入れて最澄栄西がどうでもいいからです!!!!
半分嘘です(最近私最澄好きなので) なんだろうな、超個人的になんだけど私は
腐女子が描く一遍が好きなんだよな だからいずみさん版も好きです 腐れに乙女ゲ描かせるの好き
腐女子の見る世界にいる一遍が好きなんだ なんかすっごいちょうどいいのよね
耽美過ぎず、夢ほど殺人鬼が好きではなく、すんげーーーーありのままーーーーーー
夢(男も含む)が描くとちょっと嘘っぽいんだよな 色気出過ぎてしまう 特にロンゲは
夢ってめっちゃ殺人鬼好きじゃん!! その分ちょっと盛っちゃうのよ! 夢×ロンゲはクドい
すごいキラキラさらさ艶々(つやつや)しちゃうでしょ 腐れのロンゲは湿度が低い
さいちょは乙女ゲ世界の人が見るさいちょが好き(※完全に個人の好みね)
その方がズルいからね

夢が見ている最澄:弱いところもあってそれがズルい ひきょう 自分×最澄で最澄が受け身
         『強気な態度をしてても最終的には最澄は弱い、誰かに負ける』と思ってる
腐れが見ている最澄:強いところが見えてそこがズルい 卑劣 最澄×誰かで最澄が攻め
          『弱点もあるけど最終的に最澄は強い、誰にも負けない』と思っている


ごし1第八話の日蓮戦の感想とか真っ二つに割れたから

腐れ:最澄は日蓮に勝った 最澄は最終的に日蓮を化かし合いで下した
   チームも勝ったしそれは最澄のおかげだった
夢:最澄は日蓮に負けた やはり凡才では天才に一歩及ばなかった
  チームは勝ったしそれに一番貢献したけど最澄本人だけを言うなら負けである


ってなったから まじで真逆の感想になったから

さいちょのどこが好きかがまるで違うから 
もう夢さいちょーって『ひらがな』で「ひきょう」って感じでしょ 儚いんだよね~
放っておけないズルい男 私を不幸にする男 私を悲しくさせる男 ずるい~
「なんでそんな顔するの」の意味が真逆なんだ 夢と腐れは!!!! だから良い!
どっちか一方ではいけない!! どっちもいなけりゃごしそにではない!

>フィナンシェは夢だよね

相手が男なだけでフィナンシェは夢カテゴリだよね 夢が考えたBLってかんじ
フィナで腐れ向けにするなら別の男と組ませるよなーって感じ わかっていて「あえて」じゃん!
ナシェは腐が描くとシャープになりすぎるんだよな かっこよくなりすぎるんや
夢が描くとちょーどよくムカつく感じになる 腐の描くフィナンシェ大体ツリ目で顎尖ってる
夢の描くフィナンシェ大体垂れ目でフローラル どっちのフィナもあってフィナンシェ
ごしそにの世界には腐れと夢がどっちもいて、両側から見るから面白いのや
片側ではいけない 腐れの中の辰フィナと夢の中の辰フィナは別物
あ、辰真とかまるで違うよね 腐れが書くとやっぱツリ目で顎とがっとる
私(夢)が描いてた原作辰真とまるで顔違うで 栄西と辰真は別人

夢の考えるフィナンシェ:フィナンシェは強がっているけど本当は弱い
腐れの考えるフィナンシェ:フィナンシェは弱いふりをしているけど実際強い


どっちが正解ってことはないんだ それが後白河ソニックムーブ 二面性の遊びだ

>確かに夢絵師の一遍はべちゃっとしそう

文章は一遍は夢の人の方がいいと思うよ 男とか大体夢だから男に書かせるとめっちゃいい
男のエゴまるだし~ってカンジがすごく合う 
「……(四天王の)ナンバー1になったら、何がもらえるの?」とか腐れには出てこない台詞
ねっちゃねちゃしてて最高 あと男のちょっと嫌なところがスパイスになってて最強

「……ナンバー1になったら、何がもらえるの?」の意味
→私はナンバー4だけど1になれないとは言ってないよ?(男の嫌な感じのリアルさ)
→どうせ誰も私の本当に欲しいものなんて用意できないでしょ?(夢特有のねちょっとした感じ)
→「……」を最初につけることで目が笑ってない感じを出してくる(乙女ゲっぽい殺人鬼の表現)
→途中の「、」が入ることで不快な感じをわざと小出しに出してる印象が増える
 (私個人が喜ぶ一遍の感じ) 実際に嫌な男なんだよ~こいつ粘着質な恋愛しそ~感


この4つが一文になることで乙女ゲに出て来る男の腐ったやつみたいになってゾクゾクするねん
これを私が書くと

「ナンバー1になったって、……どうせ何も手に入らないじゃない……」

になっちゃって4つのうち2つ目3つ目の2つしか満たせないんだよ そして3つ目も弱い
栄西1の一遍の感じだとこの台詞でしょ すごいわかりやすく愛に飢えてる 浅い
ストレートであっさり世界を諦めてる感じ 本当に諦めている 乙女ゲにするには足りない
栄西2の一遍はもっとねっちゃりしてるねん 本当の本当の本当は世界を諦めてない
腐れが書くと、一遍のことが本当にどうでもいいので

「私だっていつかナンバー1になったりするよ!? あははっ」

くらいになってしまう たぶん腐れが書くとぺんは笑うんだよな 軽いねん
夢だとねっちょりするから笑わない みたいな なんだろ 粘り気が こう 欲しい
腐れの闇って霧で、夢の闇ってヘドロなんや 夢はヘドロにぬくもりを、愛を感じる……
ちなみに夢じゃない男が同じ台詞を書くと、やっぱり笑わせるかな
「四天王争奪戦なんて、バカみたいなことやめたら~? 笑っちゃうなぁ。あはははっ」
くらいになるかな うーん やっぱ夢は粘り気と殺人鬼が大好きやねんな 男女問わず
ねと~~~~~~っとしていい 夢の書く文章のぺんはねちゃ~~~~~っとしててイイ!!
私が書く一遍がごま油だとすると夢男の書く一遍って固まってないコンクリートみたいでイイ
「固められてぇ~~~」ってなる 男の嫌な意味での性欲をめっちゃ感じるう!!!!!
もっとくれ!! それをくれッ!! ってなっちゃう コンクリで殺してよ! って興奮する
でもこれ個人の好みだからごま油の時点でクドいという人が多いのもわかる 
だって既に油なんだもん せめてサラダ油にして欲しい人もいっぱいいる
だから いいんだ 「あっコンクリート♡」って感じた瞬間、もうおしまいなんだ
ごま油はねちょねちょするけど動ける コンクリートは「コンクリじゃん♡」って
感じた時にはもう足が固まっている 私はごま油を頭からかけてくる一遍ちゃんよりも
上を向いたら、液体のコンクリをふりかぶっている一遍ちゃんがすきだお
そのコンクリが固まっていたら撲殺されるわけで、ねっとりしてたら窒息するわけで
それを認識した瞬間の「あっコンクリ♡」って感じがとてもよいよ(個人の好みです)
もうまじで空海編とか「コンクリ♡しんじゃう♡♡」でしかなくて最高(個人の感想です)
栄西2以降の一遍ちゃんは「あっ♡おまえまだ愛を信じているの♡♡」って感じで最高
絶望させてもおいしいし、絶望させてくれてもいいんだよ♡ って感じでドSの心と
ドMの心を同時にたっぷり満たしてくれるからねぇ…… ノーマルにはまるで刺さらない男で良し
わかりますか~~ 私は私の書いて&描いていない一遍が好~~~~き~~~~~~

腐れが文を書くとすごいあっさりしちゃって、ぺんがとてもとても脇役に落ち着いてしまうんだ!!
でも絵は腐れに描かせるのがベストぴろりんだと思いますよ 顔のパーツがくどいでしょ
垂れ目で泣きぼくろでいやらしい感じの顔って、そういうの興味あったり、好きな人が
描くとめっちゃクドく耽美になりそうだろ 
「こういう男まじでどうでもいいな」と思ってる人が描くといい感じなんだ これはまじで
腐れの描く一遍ちゃんの髪の毛はするする ちょうどよいですね(個人の感想)

>夢男は自分の好きなキャラの能力を盛りがち

一遍が好きだと「一遍はナンバー1になれなくもないけどあえて戦わないだけ」って
感じを盛ってくるよね 私が書くと「一遍はナンバー4が正式なナンバーだし、一所懸命やって
この順位だよ!」って感じになってしまう あっさり諦めんだよな なんだろ……
男特有の「本当は出来ますけど??」マウントがないんだ
最澄とかそれが顕著で最澄を好きな男って
「ごしそにの主人公は最澄ですし結局ごしそにの最強キャラは最澄なんだよね?」って盛る
そんで大体男フィナンシェ嫌いだから「ナシェはそんなに強くない」って言ってくる
好きなキャラ=本当は強い ってなると興奮すんだろなぁ 暴力的で悪い意味での性欲~
それを実際に最澄に盛るとちょっとキモくなってしまうんですが、一遍に盛ってもらえると、
なんか、私の好きな感じのイヤ~~~な男になって絶妙なんだよねぇ キモ~~~い♡ 
ってなっちゃう 喜んでしまう すみません いや、良くないっすよマウント男最低です
でもなんか「さいて~~~い♡」ってなっちゃう これ完全に私しか喜んでない すみません
本編に影響がないから盛り放題ってところもいいよね 桐嶋を盛るのは本編に影響するやん!

>ごしそにの主人公は最澄ですし結局ごしそにの最強キャラは最澄だけど

どうしてみんな延暦寺(親鸞)がつけた序列を信じてくれないんだろう
ガバガバ延暦寺じゃん ナンバー制とは一体 ナ、ナンバー2 
延暦寺四天王ナンバー2というのは「四天王中でも二番目」という意味です

原作でやたら出て来る「STM」って単語なんですがこれ、坂上田村麻呂という意味です
SakanouenoTamuraMaro

さかのうえのたむらまろってキーボードで打つとすごい指が絡まるんですよ
口で言ってもなんか難しいし、文字で書いてもわりと長い。
あと、なんか当時みんな坂上田村麻呂のことSTMって呼んでた 主に日本史学科が
読み方は「えすてぃーえむ」。えすてぃーえむで坂上田村麻呂って意味です!!

後醍醐天皇「はろぉ☆ あんたがSTM?」

訳→こんにちは。あなたが坂上田村麻呂ですか? 首をください!

最澄「俺の手の上で踊り狂え! STM!」

訳→俺の手の上で踊り狂ってください、坂上田村麻呂さん

【予告】

第三回まで終わった! 次は第四回! 栄西登場です!
ヤッターーーーー延暦寺キターーーー!!

//朝廷 玉座の間

後白河上皇「……そう……」

自分の他には誰もいない、寒々しい玉座の間。

そこで後白河上皇は、ライターをカチカチと鳴らし
手にした一枚の写真に火を近づけた。

後白河上皇「後醍醐ちゃんでも止められないのね。
      あの男、まさに外道……」

写真に映っている少年は、紺の法衣を着た見覚えのある少年。

……御幸が「最澄」と呼んでいる、茶色の髪の少年だ。

少年は、バンダナをしていない。
少年は、派手なアロハも着ていない。

地味で埃くさい僧衣を着て、……カメラに向かってピースしている。

カメラの向こうの少女に。
まばゆいばかりの笑顔で応えている。

後白河上皇「…………」

チリチリと、写真の隅から燃え広がって
次第に炭に変わっていく光沢紙。

煙草を探し、それから後白河上皇は半ば自棄(やけ)気味に笑う。

後白河上皇「こんな場所で吸うなんて、国の恥かしら……私……」
??『上皇さま……上皇さま……』

ジジッ、ジジ……

玉座の間に備え付けられた、古いスピーカーから音がする。

母礼『上皇さま。こちら母礼です』
後白河上皇「モレちゃん。どうしたの?」
母礼『後醍醐天皇様が征圧(やら)れました。回収(リムーブ)OKですか?』
後白河上皇「ええ。迅速(ラピッド)に頼むわ……」

//仙台松島 海岸線

空海「最澄」
空海「最澄大師、……頬をこちらに」
最澄「……?」

空海の声に、疑いもなく振り返った最澄は
彼がひゅっ、と白い手をあげたのを見た。

……パァンッ!!

手加減無しの平手打ちに、虚を突かれたのだろう。

最澄は赤く腫れてくる頬を、自分の顔を手でなぞった。

最澄「空海……?」
空海「あなたは。あなたは立派ですね」
空海「兄ちゃんは、立派な延暦寺の法師だよ……」
最澄「……俺は、」
空海「なんちゃって~☆ えへへへっ、痛かったぁ?
   ごめんねぇ。力加減間違っちゃった!」
空海「いいんだよぉ。僕達はずーっと!
   ……あやしい二人の琵琶法師だもん……」

//海岸 別の場所

母礼「…………」

牛車。そのすぐそばで、後醍醐天皇と坂上田村麻呂の戦いを
見ていた少年は……そっと自分の首に手を当てた。

朝廷の天皇、後白河上皇より賜ったボロボロの服。

それを一応汚さないように、後醍醐天皇の回収は他の者に任せた。

母礼「あんだけ大層な見栄きっといて、負けてやんの……馬鹿じゃん」
母礼「なにが後醍醐天皇サマだって? ……ぷぷ、ウケんだけど……w」

朝廷の人間なんて、バカばっかりだ。

バカか、クソか、……『ゴミ』。

後醍醐天皇『せいぜい文字通り、馬車馬のよーに働きな! ゴミ』
母礼「ゴミはお前だろw」

するすると撫でた首元に、傷跡がある。

後醍醐天皇が太いと感じたその傷が、少しずつ、少しずつ開いていく。

母礼「まあ……いっちばんゴミなのは」
母礼「母礼と阿弖流為を見殺しにしたあいつ。将軍、STM……」
母礼「あいつだけは許さない。『俺達』を騙して、謀って、都に誘って……。
   天皇に斬首させたあいつだけは、絶対……!!」

ずるり。

傷跡が完全に開くと同時に、少年の首は胴体と切り離され
別の生命体のように空に浮いた。

母礼「首がイタい。イタイ、田村麻呂のせいで斬られた首が……」

宙を移動する首は、斬首され晒し首にされた首。

生まれてから死ぬその日まで、身体にくっついていたはずの頭部。

母礼「…………」

後醍醐天皇の下の血の海、そして少し離れた場所にたむろしている4人の男達。

ギャル男、そしてやたらに身長の高い男、それからバンダナアロハ、オレンジのパーカー。

……彼らの上を、ウミネコにまぎれてぐりぐりと旋回しながら
母礼の首は歯を食いしばる。

母礼「俺、許さないから……。麻呂のことも」
母礼「俺を一人にしたアテルイのことも……」

千切れた首の断面から、血の尾を引き母礼の頭は舞う。

赤い軌跡が翼のようにひるがえり、その雫がぽたぽたと正宗の頭の上に降ってきた。

正宗「んっ……?」

生温かい、ケダモノの血だ。

それは平安。共に斬首された仲間の血。

母礼「……もう、誰も信じない……」

//御幸視点

御幸「ん? どした。雨降ってきた?」
正宗「いえ……何か、髪に当たって……」
御幸「天気雨ってやつかぁ? それか、狐の嫁入り?
   もしくは……あれだ。鳥のフン」
正宗「さすがにそれには気づくと思います……」

琵琶の音と、最澄の歌との影響が抜けた後、
……俺に残ってんのはなんか……。

自分が超かっこよく敵を倒して、
怯える正宗を守ったみたいな記憶だけだった。

正宗『御幸様……御幸様!』

顔面蒼白になった正宗が、敵を怖がってなのか
俺にすっごいしがみついてきてた……ような……?

御幸(ゆーて、アレじゃガチタックルでしかねーんだよな。
   今も、脇腹がヘンな筋肉痛になってっぞ……)

そんなハンデ(正宗のことな)を抱えながらも、
俺は最澄の協力で敵をやっつけた……っぽかった。

御幸(正宗に聞いても、詳細全然教えてくんねーけど……。
   なんもかんもがうまく行った的手ごたえはあんだよなー……)
御幸(正宗とか空海が言ってた副作用みたいなんも無かったし、
   悲しい記憶? とか思い出さないし)

いきなり、宇宙からミラクルな力がみなぎってきて、
戦える、やれるって万能感に満たされて。

御幸(喧嘩がつえーやつのキモチを疑似体験できたってゆーか。
   ちょっぴヒーロー気分だった気がする)

正宗がそん時の俺の話をしてくんないのは、やきもちだろう。

俺も戦えたんですよー! なのに敵を御幸様が全部倒しちゃって
俺の見せ場がありませんでした! ぷん! みたいな。

男のプライドってやつ。いわゆるね、一つの。

それを傷つけられて、不機嫌ってことならば
これ以上掘り返さないのがクールだと思う。

御幸(……とりま、最初の敵は倒せて良かった)

いつか、俺自身の力で今日みたいに敵を倒しまくるにしても。

……一人の犠牲も出さなかった、俺が倒したってーのは
ちょっと……どころじゃなく気分いい。

御幸(最澄にも、倒した敵とか見せてやろーっと)
御幸「で? 倒した敵ってのはどうしたらいいワケ?
   あのまま捨てて旅出るわけいかねっしょ。どーすんの?」
正宗「病院……ですかね。救急車はさっき呼びましたので
   怪我をした彼女を……」

そこまで言って、正宗ははた、と止まった。

正宗「御幸様……大変です」
御幸「ん?」
正宗「敵の姿が消えました」
御幸「どえええええ!? 逃げられてんじゃねーか!!
   せっかく俺が倒したのにさあああああああ!!」

//夜空

……それから、一日後。

//青空

空海「ま~ろ~さま~。麻呂様~!」

ウキウキとスキップを刻みながらやってきた空海に、
俺と正宗はそりゃもうビックリした。

御幸「おおッ!? お前ら、もうとっくに空飛んで京都に
   行ってんのかと思った! まーだトロトロしてんのか!?」
空海「えへへへ~」
最澄「……差し入れ。いらねぇ?」

ひょっこり顔を出した最澄は、
近所のスーパーの袋をこちらに差し出す。

最澄「鶏のセールだったからトリな。
   あと、てきとーに握り飯。スポドリに……お茶。緑茶」
最澄「京都までは約三日。食料ないとフツーに詰むし。
   空から俺らもゴイッショしたいな~?」
御幸「…………」
空海「それにしたってすごいですね。
   仙台松島にはびこる海のヌシ」
空海「王マグロを見事倒したんでしょう?」
正宗「………………」

ビチッ、ビチビチビチッ、ピチピチ。

説明するのを忘れてたけども、
実は、俺達は……3メートルくらいの王マグロ。

まだ新鮮で、うねうねしている本トロのマグロを
海岸線にて素手でとりおさえている状況で大変忙しかった。

後醍醐天皇の襲来を退けてから、
そりゃもうハンパねーことばかりが起こった。

そのへん省略してしまうけど、……現状だけ言うと。

一日がかりで王マグロを捕まえた俺達は
なんつーか……もう、魚の汁まみれだった。

王マグロ「マグマグ~ッ!!」
御幸「おあっ、あ、暴れんなっ、暴れんな!!」

俺は全身でべったりとマグロにのしかかり、
マグロ臭の中で目を閉じる。

御幸「しっかし? 俺の信じてた現実って一体
   なんだったんだろーな……」
御幸「はァ~……空飛んだり、マグロとか……」
最澄「?」
空海「?」

いつの間にやら、勝手に棒アイスを食っている最澄と空海。
そして……俺の分のアイスの袋を開けている正宗。

正宗「つまらないですか?」

その質問に、頭をブンブン横に振って答える。

御幸「いや、ちげーケドさ! おもしれーケド!」
御幸「でも、なんかもう泣きそー……みたいな?」
最澄「泣けば?」


→第四回に続く!

ぶちゅッ、と嫌な音が聞こえた瞬間、コギャルの両眼から
粘り気のある液体が噴き出した。

後醍醐天皇「ぎゃあッッ……! め、目潰しっ……!?」

コギャルがビクンと小さく痙攣し、のけぞったその時に
聞こえてきた音は……真下からの ドッ 。

坂上御幸……ギャル男が石の大剣めがけて足を振り下ろし、
それを天高く舞い上がらせた音だった。

後醍醐天皇「ま、前ッ、見えな……」

ズドン!

後醍醐天皇「……ぁ……、は、……あッ!?」

衝撃は遅れて来る。

胴を真横一文字に凪がれた少女は、察するまでに二秒を要した。

後醍醐天皇「え? 意味わかんな……! ちょ、タンマ、」

とてつもない重い何かが、自分の身体を一閃していた。

皮膚だけじゃない。その中の内臓も、鍛えた筋肉も、
まるごと一刀両断する何かが。

最澄「『最澄必殺☆ ムーブメントステップ』!」
後醍醐天皇(痛い……痛い、痛い……いだいいいいいい!!)

ぐらつく。まともに立っていられない。
琵琶弾きの少年の声がひしゃげる。これは何だ?

後醍醐天皇(あたしは今何をされた!?)

視力が戻って最初に見えたのは、青空だ。

後醍醐天皇(あたしはアテルイを見てたのに、)

ひっくり返されて天を仰いでいる。

御幸「『この剣は斬るものではないよ、アテルイ』」
御幸「『叩き潰すものだ』」

白い。……コギャルは二文字の単語しか思い浮かべられない。
白い、でかい、何か。石の剣、大剣、……エミシュンクル!

ゴッ……!!

後醍醐天皇「ギャアアアアアアッ!? ぎゃあああああっ!! ああああ!!」

10kgでは足りない程度の巨大な大剣が、
少女の顔面を真上から叩き潰す。

御幸「『ははは。蝦夷の頭領ともあろう者が。
    武器というものに、疎いのはいかんぞ?』」
御幸「(愛おしそうに)『本当に、お前は拳と牙ばかり使うから』」
正宗「……っ……」

ビチビチと土に飛び散る鮮血を、何の感情もなく見下ろしたまま
ギャル男は剣を振りかぶる。

手首を傾け、石の大剣の柄を握ったまま。
それを何度も何度も振り下ろす。

後醍醐天皇「……は!? ありえないんだけど、な……、ああああああっ!?」

ゴキャッ、ドギャッ、という鈍い音が……少女の顔面からの出血にまみれ
どちゃっ、ぶちゃっ、と汚い水音に変わっていく。

……誰も。そこにいる誰一人として、反応することができなかった。
声を発することも。その惨状を止めることも。

後醍醐天皇「ひぎゃッ!? お゛っア゛っ、あっ、ああああ゛っ……!?」
正宗(圧倒的な力の差)

なんとか顔をかばおうとして、手をかざせばその腕ごと。

立ち上がろうと転がりかければ、その腹を蹴り飛ばし、
戒めといわんばかりに逃げる背を。

美しい石の大剣は潰す。執拗に、何度も、何度も、骨が砕けても。

後醍醐天皇「タン、マ……タンマ!! 待って! 待って待って!!」
正宗(俺の中で見ているアテルイが、何度も何度も叫ぶ)
正宗(やめてくれ。もう、やめてくれ……)
後醍醐天皇「……は……?」

自らの額から噴き出す鮮血を、細い指で拭い取り……見つめる。

コギャルは目を見開き、……それから反撃を試みた。

後醍醐天皇「くそ野郎……」
後醍醐天皇「クソ野郎っ……クソっ! クソ、クソ、クソ!
      男ごときが……男の分際で! クソぉおおおおお!!」
御幸「『はっはは』……」

素早い蹴りを剣で止めた彼は。
『坂上御幸』は、目を細め……甘く微笑む。

御幸「『そうだそうだ、忘れていた』」
御幸「『エミシュンクルは、二本あるのだったな?
    使こうてみよう。……それで、死ぬかも知れんしな』」
後醍醐天皇「……!」
正宗(初めて見た。STM……まるで無邪気な子ども)
正宗「これが……? これがアテルイが信じた男なのか……?」

//最澄歌唱

最澄「秘められしルーツ 踏みしめろブーツ♪
   手にする刀はそれ2つ♪」

正宗「歌を止めろ、最澄……!!」
御幸「……ま、さむね……」

小さな、小さな声が聞こえた。

それが前方。後醍醐天皇をボコりまくる坂上御幸から。

麻呂「正宗!!」

後方。アテルイの記憶の坂上田村麻呂から。

御幸「まさ、むね。止めてくれ、これ……これ、止めて、くれ」
御幸「俺……俺、女の子、女の子の顔、カラダっ……はは、あはは、はは」
御幸「壊してる……。なあ? こんなん、もうお嫁にいけなくなっちゃうだろ……?
   なあ……っ、こんな、顔からすっげ血が出てんだ、さっき骨何本か折った……」
麻呂「正宗! 制御できていない! 御幸が壊れる!!」
麻呂「琵琶法師に操られている! 俺ではない俺の物語で……!!
   改変された坂上田村麻呂を……あいつに都合のいい坂上田村麻呂を詠われている!
   手が出せない!!」

歌。

最澄の歌に操られるその感覚を、シュムンクル・サンクス・正宗は
一日だって忘れたことはない。

正宗(転生極地。非力なギャル男の器では、受け止めきれない!!)
正宗「御幸様っ、俺が今……!」

後方彼氏面で、離れた場所から。

……安全地帯から人を操り、嬲るあの男。
最澄を止めてみせます。そう言おうとした。

御幸「…………」
御幸「『直、楽になる。慌てるでない』」
正宗「ああっ……!!」
アテルイ「正宗! あの人にもう人を殺させないでくれ!」
正宗「御幸様! 御幸様!」

コギャルにとどめを刺すことを決めた御幸の、
その身体に正宗がタックルを食らわす。

……なのに、たった160cm。
160cmちょっとの身体が、192cmで動かせない!!

正宗(かた……い!)

御幸の服がよれ、正宗の手でいくら引かれても
その威風堂々とし立ち姿はみじろぎもしない。

正宗など見えていないかのように、目の前の少女に
冷たい声で問うだけだ。

御幸「『さて……どこに慈悲が欲しいのか、言うてみよ』」
後醍醐天皇「ひっ……ひぃっ……」
御幸「『どうやって楽にしてほしい』」
後醍醐天皇「く……び、首に……」
後醍醐天皇「(笑い)首、に……お願いしま……す」
正宗「駄目ですってぇ!!」

御幸本人が動かせないなら、もうエミシュンクルを破壊するしかない。

正宗が石の大剣を鷲掴みにすると、ギャル男は不思議そうにきょとんとした。

御幸「なぜ止める?」
正宗「なぜ!? なぜじゃないでしょうっ、あなた、
   あなた……最澄に操られてます!!」
御幸「『こやつらは朝廷。お前と俺を嘲笑い、貶めた敵ぞ?』」
御幸「『アテルイ。俺は思うんだよ。あの時天皇なんて、
   朝廷なんて、』」
御幸「『皆殺しにしてお前達を守れば良かった』……」
御幸「『ごめん……ごめん、ごめんなあ……。ごめん、
    ごめん、ごめん、……ごめん、ごめん……』」
正宗「御幸様ぁ!!」

後醍醐天皇を突き飛ばし、坂上御幸から距離を取らせる。

そうして、そのまま正宗は……御幸がこれ以上剣を振るえないよう、
余計な動きを封じるために、がしっと両腕で抱きしめた。

正宗「もう大丈夫です、もう大丈夫です! 俺達の勝ちです!
   もう戦わなくてもいいんです……!」
正宗「もう戦わなくていいんですよ、御幸様!
   あなたは坂上田村麻呂なんかじゃありません!」
正宗「御幸様です、御幸様なんです……!」
御幸「…………」

つう……、と御幸の頬を一筋の涙が流れた。

けれど、御幸の身体の硬直は長く。
解ける日なんて二度来ないと思えるほどに強く。

御幸「俺、誰も殺したくないよ……正宗……」

二本の足でその場に立ったまま、その目はまだ遠くばかりを眺めている……。

//別の場所

結界が崩れ、後醍醐天皇が地面に倒れてぴくりとも動かなくなった。

……その、あまりに悲惨な初戦の勝利を見届けた後で
やっと。

ようやくと言える時を経て、
最澄を名乗る少年は琵琶の弦をつまびくことをやめた。

最澄「……正義のための戦いだ。そうだろ? 麻呂様」
最澄「奪われたものは全部、取り返しにいこうぜ?」

//御幸正宗

御幸(琵琶の音が、ずっと止まない)

満月の下、アテルイの前で……こうして同じように立ち尽くした日のことを思い出した。

部下『将軍。蝦夷の討伐に成功しました!』

大きな、大きな川に浮かぶ死体、死体、死体、死体、死体。

獣の毛皮をまとった「鬼」達の。
蝦夷の死体がどこまでもどこまでも広がっている。

……京(みやこ)に戻ってからも、いつも、この風景を。
光景を何度も夢に見る。

麻呂『どうして殺した?』
部下『……え?』
麻呂『俺が阿弖流為(アテルイ)、母礼(モレ)と戦っている間。
   どうして他の蝦夷を殺した?』
アテルイ『麻呂。仕方のねぇことだ。俺もたくさんの朝廷軍を殺した』
アテルイ『こんなもんじゃねえよ、もっと殺した。
     もっともっともっと殺した』
麻呂『……』
アテルイ『戦争なんだ。仕方なかった』
麻呂『仕方のない死などないよ……』
麻呂『仕方のない死などない……!』

戦いは、まだ始まったばかりだったんだ。

後醍醐天皇が正宗にやったのはこれ フランケンシュタイナー
ギャル・デ・ギャルソン



0:25秒あたりから これを文字で説明するのがきつい
普通のシュタイナーではなく、首に足を絡ませる→敵ごとジャンプ→落下シュタイナー
当時必殺技名をリアルタイムでものすごい適当に決めていたので
冷静になって後で困ることがよくある 

//結界内 仙台松島海岸線

……ゴッ!!

後醍醐天皇「チッ……!」

千切れ飛んだ空気の欠片を縫い、後醍醐天皇の蹴りを受け止めたのは
……シュムンクル・サンクス・正宗の右手だった。

御幸(目にも止まんないスピードで、正宗が駆け込んできて……)

力任せにコギャルの足首を握りつぶし、
そのままぶんっと女体を遠方に放り投げる。

正宗「……させません。貴女の相手は、俺が致します」
後醍醐天皇「いたっ! イタタタ……!」

コンクリートの道路に投げ出され、尻もちをついたコギャルは
腰をさすりよろよろと起き上がる。

その途中、何かを不意に思いついたのだろう。
大きく片足を振り上げて……ブンッ。

振り子の要領で、全身ごと跳ね上がる。

後醍醐天皇「いーち、にー、さーん……。よっ!
      はいっ……とーーーーちゃく~~~」

ずざっ……、と地面に半円を書いて着地した少女は
好戦的な笑みを浮かべ……正宗を値踏みするみたいに見定める。

後醍醐天皇「別になんでも受けてたつけど~……」
後醍醐天皇「めっさ後悔すんゾ☆」

ぐぁっ……!

左脚。太ももから膝、そして腿に足の甲。

コギャルが自らの左の脚に付随する全てのパーツを一度に持ち上げると
……そこに湯気みたいな、オーラみたいな『気』が揺れ始める。

正宗(脚を使った武術の達人……!)

貧弱ともいえる上半身の、肉付きの悪さとは好対照に
少女の下半身。それも両脚の筋肉量は尋常のものではない。

そして卓越した足技を補強するかのように装備されたロングブーツ。
おそらくは、とてつもない重量の……鉄だ。

数キロの鉄をアクセにして、少女は自由に地を泳ぐ……!

//後醍醐天皇カットイン
//筆文字 『朝廷大幹部 後醍醐天皇(吉ヶ野美晴)』

後醍醐天皇「止められるもんなら止めてみなよ。……ほら」

トンッ、と大地を蹴ったかと思えば、コギャルの脚の両方が
するっ、するりと音もなく正宗の肩から首を絡め取る。

御幸「ご! 5メートルは離れてたのに……瞬発!?」

消えたとしか思えなかった。

消えて、また現れたと思ったら……正宗の上にいた。
それは神業としか言えない超スピード移動。

正宗「俺がっ……スピードで負ける!?」
後醍醐天皇「『ギャル・デ・ギャルソン』!」

190cm以上の背丈を持った正宗の、更にその一段上。

2m近い上空でギュルンッと身体をひねり……。
腰を回して跳ね上がる。

正宗「……!! っぐっ……うあっ!」
御幸「嘘だろっ!?」

少女は宙に舞った。
俺が想像した王マグロの襲撃みたいに。

その身をよじりきり、正宗ごと空に舞い……。
空中で大きく真下に落下する。

……ドンッという深く重い衝突音と共にキマったのは
あまりに上質なフランケンシュタイナーだ。

正宗「! プロレスっ……ルチャ使い!?」

激突の瞬間、正宗が受け身を取ったおかげで
さしたるダメージは見当たらない。だけど。

大男を、コンビニ襲撃の時には樋熊(ヒグマ)にすら見えた正宗を。
両脚2本でこの地に叩きつける少女の存在は、恐怖だった。

後醍醐天皇「はろぉ♪ あんたがSTM?」
御幸「ひっ……! あ……、あ、そ、そのっ」
正宗「……御幸様!」

俺に細い指を向けたコギャルの後ろ。

そこから正宗は大きな声で叫んだ。

正宗「エミシュンクル! 借りますよ!!」

かぶっていた革の帽子が脱げ、正宗の瞳からまた鮮血が流れ出す。

完全に戦闘モードに入った正宗は、俺がずるずる引きずってここまで
持ってきていたエミシュンクルを……二本の石の大剣を奪い取る。

そして、それをぶんっ! ぶんっ、と別々に片腕ずつで構えた。

正宗「『熊を取る鮭の動き』」
後醍醐天皇「ぷっ……♪ まーだわかんない? アテルイ」
後醍醐天皇「あたしとアンタじゃ……スピードが違うのよ」
正宗「……!!」

エミシュンクルともども、コギャルめがけて直進した正宗が
斬り飛ばしたのは……ただの空虚だった。

そんでもって。あれ……あれ? なんで?
俺っ、俺……俺の真後ろで。耳元で囁く声が聞こえる。

後醍醐天皇「はーいはい、武器離して……?」
御幸「ぎゃあっ!!」

するんっ、と正宗の首に足をかけた時と同じく
……少女は両腕で俺の首を絞め上げる。

御幸「ぐううううう!?」
後醍醐天皇「このまま、首折って引き抜くぞクソ蝦夷!」

女の子に真後ろから抱きつかれるなんて、初めてだった。
けど、これは……これはなんか違う。サバ折りですらない。

手加減無しで、首の骨を砕こうとしてくる本気のホールド……!
ミシミシミシ、と頭蓋骨までもが割れそうな音を発する。

後醍醐天皇「武器を。離して。聞こえなかった?」
御幸「イデデデデデデ死ぬっ、死ぬ、首飛ぶっ、首飛ぶうううう゛!!」
正宗「なるほど」

ぱっと正宗がエミシュンクルを手放すと……数秒遅れてガランガランと音がした。

さりげなく、俺の足元に近付けて放ってくれたらしい俺の武器。

けど……けど、俺は、自分の足に触れそうな距離のそれを
拾う事なんて到底不可能だった。

御幸「血、が……あっ。血が……せきとめられ、て……」

目の前がかすむ。真っ白に塗りつぶされていく。

いい匂いがする。これって香水?
女の子の、甘い香り……。

御幸「女の子が、こんな……怪力で……。あっ……あっ、
   ああああああああ……!!」

なんとか、腕力で首に巻きついた腕を外そうとしても
……ひっかからない。

すべすべの腕、毛穴1つないキレーなコギャルの腕には
爪を立てても……それを取り除く方法は見えなかった。

正宗(どうする……? 人質を取られた……。
   このまま御幸様を連れては逃げられない……!)
正宗「初戦から中ボスクラスですか……」

頑張ったり、アイテム使えば無事逃亡出来るクラスではない敵。

……正宗曰く中ボスってのは、そーゆーレベルの相手なのは間違いない。

後醍醐天皇「どーかな? このまま最後に目にする敵になるかも……♪」
正宗「…………」

まさに初めての絶体絶命。

その時だ。

最澄「『転生極地』! 対象、坂上御幸!
   インストール、坂上田村麻呂!!」

その時、辺り一面に最澄の琵琶の音がした。

後醍醐天皇「何? この音……!」

//最澄歌唱

最澄「今立たず 役立たず 一生汚名着てくのか?
   わかってるフリ 寝てる不利♪」
最澄「そんな自分振り切れ Yeah 全部ぶっ壊せ♪」
正宗「……最澄大師……」
御幸「…………」
御幸「………………………………ぁっ……?」

眠気とも少し違う。
”身体から、抜けちゃいけねえ力が根こそぎ抜ける”この感覚。

ガクン、と頭が垂れて俺の口元から大量に涎と泡が湧いて出た。

御幸「お゛……、ぉ、お……っ、お゛……ぁっ……」
空海「やめてっ、やめて最澄……!」
最澄「さァ、俺の手で踊り狂え! STM(坂上田村麻呂)!」
御幸「おあ゛……ぁ、あ゛……えろ゛ッ……」

手足から。胴から、脳から全てから力抜けて気を失う。

おびただしい量の吐瀉物をこぼした俺が気絶したことを
その腕で感じ取ったコギャルは、ホッと安堵の息を吐いた。

後醍醐天皇「な、なんだぁ。何が起こるかと思ったら自滅じゃん☆」
御幸「…………」
後醍醐天皇「キャハハハハ! おねーーーさまに逆らうやつはぁーーーーー!!」

ヒュパッ、という小さな切断音だった。

後醍醐天皇「あっ?」

御幸(待てよ。ここまで正宗が強く言うんなら
   ……何か意味があるのかもしんない!)

例えば……例えばこうだ。

松島の海には、王マグロと呼ばれるマグロの王がいる。
……いわゆるヌシ、海の主ってやつだな。

そいつがもうすんげ―強くて、でかくて、この海岸とか
近くの町とか漁師の舟とかを襲ってるとする。
昔話によくあるパターン。あるある。

哀しみに沈む松島の人々を救う為に、
俺は王マグロと戦う。

鋭い牙を剥き出しにして俺に襲いかかる王マグロ。
数百キロはゆうにある、ヌメった巨体が宙を舞う……!!

脳内の御幸『……来い! 松島は俺が守る!!』

そして華麗にマグロを御した俺は、最澄よりも強くなり
仙台松島の英雄となるわけだ。

王って呼ばれてるくらいなんだから、王マグロなんか
一撃で倒しちゃったら……アレでしょ。レベル……。

レベルアップとか、すごいするでしょ。経験値がすごいとかで……。
最澄が仮に30レベルとすると、50はいくでしょレベルが……。

御幸「俺を……強くするために……?」
正宗「違います」
御幸「違うの!?」
正宗「なぜならば……。昔貴方に殺されたことを!
   俺とアテルイの二人が恨んでいるからです!」
御幸「嫌がらせか!! 金はあんのか!!」
正宗「てゆーか、千年前に言われたんですよ。
   アテルイが。坂上田村麻呂に」
正宗「『蝦夷(えみし)の頭(かしら)は何に乗るんだ?』
   『ああ、そうか。きっと魚だな』、マグロだろうか……って」
御幸「さ、坂上田村麻呂!!」
正宗「なので、これでチャラにしますよ」
御幸「え?」
正宗「……これはアテルイからの、千年後のあなたへの嫌がらせです」

正宗は腕を組み、遠い目をして平安時代の思い出を語っている。

正宗「あははっ! 因果応報ですよ!」
御幸「し、しっかたねーな……。身に覚えねーケド!」

……あんま、正宗が嬉しそうだったから俺も笑ったけど。

もしかしたら、この旅。簡単に引き受けたの、失敗だったかなって思った。

御幸(暇だったんだ)

暇だったんだ、本当に俺……。
何にもなくて、からっぽで。

御幸(お前らアヤシイって、何度も何度も思ってたのに)

嬉しくて。初めて誰かに、マジに必要とされてうれしくて……。

正宗『あなたが必要なんです! 御幸様……!』

……つるんでバカやってる陽キャ。
イチャイチャしながら仙台駅でキスしてる恋人たち。

手を繋いで歩く中高生、忙しそうに働くリーマン。

俺にはそういうの、なんもなくて。1個もなくて。

//フェリー場別の場所

空海「……うん。これでいいね。最澄、バンダナ外して」
最澄「…………」

風が強くてよく聞き取れねえけど、
ちょっと離れたところで空海と最澄が何かを話している。

なんか、兄弟みたいに仲睦まじいつーか、
たぶん……あいつらにもあいつらなりの絆みたいなもんが
あるんだろう。

空海「…………栄西………連絡」
最澄「寺の………………親鸞様…………玄関……」
最澄「申し訳ありません………………空海様、手をわずらわ…………」
御幸(お!?)

//最澄立ち絵(バンダナなし)

背伸びして最澄の頭のバンダナの結び目を、
空海が甲斐甲斐しくほどいてやっている。

御幸(最澄ってバンダナ外すと、なんか……かっけーな。
   なにげ、真剣にイケメンつーか……)

理由は全然思いつかねーけど……。
無理に全力で……ふざけにふざけてチャラけまくって。

イケメンなのを隠そうとしてる感じが、しなくもない。

御幸(あれか。女関係でモメてるとかかな?)

それか、顔が良いのがバレるとまずい知り合いが松島とかにいるとか……?

空海「……?」

俺が見ているのに気づいたのか、空海がぱっと手を上げて
ひらひらこっちに指を振ってくれる。

空海「麻呂様~! 話はまとまりましたかー?」

最澄から剥ぎ取ったバンダナを、ぱぁん! と空海が
音をたてて広げてみせる。

空海「こっちは準備万端ですよ! ほらっ、見てくださいバンダナでーーす!」
御幸「っぱバンダナで飛ぶんだ!? やめとけば!?」
空海「えへへへ! いいんですよっ、僕らはこれが楽なんです~!」
御幸「へー、おっかねー……」
正宗「さて。俺達もそろそろ準備をはじめましょう」
正宗「王マグロの出現場所は、時間と日によってまちまちなようです。
   ですが、地元の方々に聞けば大体どこに出るかはわかるとのことで」
正宗「俺が、何人か松島の方に声をかけてみます。
   ですので、御幸様はゆっくりここで待っていてください」
御幸「や、俺も行く。いちお自分の地元だからね?
   ……なんつか、その……マグロとかの話は初耳だけど……」
御幸「マグロ以外のことだったら、お前に教えてやれると思うし……」
正宗「ありがとうございます」

ぺこりと頭を下げた後、正宗は気分を良くしたのだろう。

……俺達のすぐそばを歩いていた、小麦色の肌をしたコギャルに声をかけた。

正宗「あ! あのっ、すみません! このあたりに、巨大なマグロが……」
御幸「おいおい~。その人は俺らの地元の人じゃ……」
コギャル「……はーい~☆ 京都行きの、王マグロですよねェ~?」

声をかけた正宗じゃなくて、俺をコギャルが見据えた。

御幸「……?」

傷んだ茶髪に、真っ赤なでかいハイビスカスをつけたコギャル。
マスカラを何度も塗り重ねた、もーバッサバサに分厚い睫毛。

コギャルは、この暑い中……妙にゴツくてイカチいロングブーツを履いていて……。

コギャル「それには~、かなーり詳しかったり……しますゥ~~~」
正宗「御幸様!!」

びゅううううっ……!

風という風が荒れ狂い、正宗の声より早く
コギャルの片足が俺の頭部めがけて放たれる!!

御幸「うっ、ぁっ、あああああっ!?」

柔らかく、バネのある肢体から放たれる一撃。

ゴォッと耳元で凄まじい風の音が爆発し……。
コギャルが地面に片手をついて、体勢を変えるのが見える。

御幸(全力での、全体重をかけたハイキック……!!)

じゃらじゃらと重りをつけたロングブーツがうなり、
風を切って俺の首筋めがけて降り注いでくる……!

//最澄空海視点

ドンッ!!

……空気が炸裂したような音が響き、最澄と空海は同時に御幸の方を向いた。

最澄「来たか……! 後醍醐……!」
空海「に、兄ちゃん……朝廷、朝廷だ!
   牛車があるよっ、囲まれてる……!!」
モレ「…………」

陰気な少年が、チリーン……チリーンと手にした鈴を鳴らしはじめる。

そして海岸線に集う、一台の最新型牛車に……それを守護する数十匹の馬たち……。

それらがびっしりと御幸、そして正宗の周囲に円を描いて線となり
……外からの乱入を許さぬ絶対領域を展開している。

空海「それにあの光……結界……。内側から閉じられちゃったぁ!!」
空海「ど、どうしようっ、どうしよう兄ちゃん!
   僕達が離れた場所に移動なんてしたから……っ」
最澄「どうしよう!? 決まってんだろ……!」

すぅっ……。
最澄は静かに息を吸い込み、自身の背より琵琶を引き抜く。

空海「最澄!?」
最澄「近づけねぇ!? それがなんだよ、逆に好都合だっつぅのっ……!
   本人に直でかけらんねーのはもったいねえが!」
最澄「(半笑い)……『転生極地(てんせいがきょくち)』!!」

ブゥンッ……!

最澄の足元に金色の魔法陣が浮かび上がり、
その腕で、手首で数珠が鳴る。

最澄「対象……坂上御幸、フリーター!
   転生極地……坂上田村麻呂!」
空海「やめてっ……やめて最澄!」

//最澄歌唱

最澄「坂上田村麻呂が転生極地♪ 坂上御幸に下りたまふ♪
   悲しみの橋越えたもう……♪」

じゃらっ、と音を出しながら最澄の手の周辺で数珠が踊る。

どこまでも、どこまでも……その歪(いびつ)な琵琶の音は
仙台松島の海岸線に鳴り響く……!


→第三話に続く

//朝廷 玉座の間

後醍醐天皇「ONE……TWO……」
後醍醐天皇「スリーで登場ですわ☆ おねーさま!」

どこまでも、どこまでも続く広い大広間。

畳張りの玉座の間。

朝廷最奥部に突如現れた魔法陣の中から
後醍醐天皇が風と共に出現する。

後醍醐天皇「それで……今度のおシゴトはなんです?
      少しは楽しいシゴトだといーなぁ♪」

後醍醐天皇の足元に、吹きすさぶ風。

それを踏みにじるように、コギャルの靴が鳴る。
     
……ギュ、ギュ、と軋むその靴はいつもの厚底ヒールではなく
膝下までをぎっちりと覆いつくす『ロングブーツ』に他ならない。

ゴツくて野蛮なソレはまるで、異形の武器に見える。

薄いキャミソール、デニムのショーパンにゴールドのブレスレッドという
渋谷に繰り出す用の軽装には不似合いなほどに。

二本の脚だけが……武装している。
「下半身で戦う」と宣言するみたいに。

「上半身には誰も触れさせない」と言うように。

後醍醐天皇「……きっと、誰かを殺せるシゴトですよね。
      姉さまは血に飢えていらっしゃるようですから」
後白河上皇「ふふふ……♪」

玉座の間、その玉座に浅く腰かけているのは、
やはり名古屋嬢……後白河上皇だ。

後白河上皇「いきなり悪いけど~? 超重要任務よ」
後白河上皇「……殺してきて? 田村麻呂」
後醍醐天皇「ま!? いいんですか!? あたしが殺っちゃって!
      めっちゃ大物じゃないですか! 極上の一級品ですよ!」
後白河上皇「もちろんよ。だぁーってあなたは、私が一番信頼する部下だもの。
      あなたの他にこんなコト、お願い出来る人はいないわ?」
後醍醐天皇「~~~~!」
後白河上皇「あ、首は持ってきてね。飾るし……♪
      最近、ちょーーっどこの玉座の間の入り口に
      イケてる飾りが欲しかったの」
後白河上皇「金の髪をしたギャル男の首なんて、ゴージャスじゃない。
      そういう彩りって……お姫様のお部屋に必須でしょ?」
後白河上皇「プリンセスって……可愛いモノが好きだもの!
      ふふ……うふふ、ふふふふ、ふふふふっ……♪」

観葉植物をねだるように、男の首を欲する主に
後醍醐天皇はぶるぶるぶる、と歓喜の震えに襲われた。

後醍醐天皇「……あたしが、田村麻呂を……」
後白河上皇「そ。坂上田村麻呂を」
後醍醐天皇「は、はいっ! はい! はいっ……!
      ちょーおラジャリングです! マジメにガンバりんぐ~ッ!」

びしっ、と敬礼のポーズを取って後醍醐天皇は声を上擦らせる。

後醍醐天皇「あっ! あ、そーだ! アネキ! アレ貸して!
      最新型の牛車(ぎっしゃ)……っ」
後醍醐天皇「いっつもあたしが乗ってる古いのじゃなくて、
      都でいっちばん早いやつ! あるっしょ、買ったっしょ!
      あーしアレが……アレがいいっ! アレ欲しい~っ!」
後白河上皇「うーん……そうねぇ。いいわよ。運転手もつけちゃおっかな」
後白河上皇「母礼(モレ)。今すぐ、牛車と御者を呼んで。
      朝廷の天皇を運ぶのよ……絶対に粗相のないように」
モレ「……はい」

母礼(モレ)と呼ばれた瞬間、後醍醐天皇は自分のすぐそばに
華奢な少年が控えていることに気が付いた。

後醍醐天皇「…………」

後白河には悟られない程度に、露骨に顔をしかめた後醍醐天皇を
モレと呼ばれた少年は無感情に見つめ返す。

モレ「……時速500キロの牛車。時速700キロの牛車。
   どちらにしますか……? 二つありますが……」
後醍醐天皇「700キロの~~~~!」
後醍醐天皇「やった! やった、やった! キャ~~~~♪
      乗りたかったんだぁ~~~あれ!」
モレ「…………」

はしゃぐフリをした後醍醐天皇の脳内に様々な歴史書が巡る。

超スピードで展開される幾万冊のその本の中の一節……
母礼(モレ)という名には、覚えがあった。

後醍醐天皇(平安時代の朝敵、蝦夷の副官「母礼」の名前をつけてるの? ペットに?)
後醍醐天皇(……さすがにおねーさまでも擁護出来ないよ、そのセンス!
      悪っ趣味……。朝廷が斬首した罪人の名をつけるなんて……)

頭(こうべ)を垂れて後白河にうやうやしく仕えているソレは
薄気味悪い、痩せた少年だ。

年齢は……身長を見るに、12、13というところだろうか。

後醍醐天皇(しかも、男)
後醍醐天皇「(小声)朝廷の中に男を入れるなんて……どゆこと……」
モレ「…………」
後醍醐天皇「(急に賢そうな声で)朝廷に、男は必要ない……」

みっともないくらい、やつれて弱そうな少年の身体には
何本も傷跡がはしっている。

その中には、古い傷が多いように見えた。
しかし、……その首に刻まれた太い傷の真新しさといったら……!

後醍醐天皇「(頭の悪い声に戻す)あ、なーる……それ用の……ふーん……」
後醍醐天皇「ま、いいや。せっかくおねーさまがこのあたしに!
      あたしだけに任務をくださったんだから……。ね?」

ガッ!

母礼をブーツの爪先で蹴倒すと、後醍醐天皇は
磨き抜かれた上質な畳に転がる少年を見下ろした。

後醍醐天皇「文字通り、馬車馬のよーに働きなよ。ゴミ」
後醍醐天皇「ここは、あたしとおねーさまの朝廷だ……!」

//夜空

……こうして、俺達の戦いは始まったんだ。

真夜中のコンビニから。

//仙台松島 海岸(フェリー乗り場)

御幸「………………」

ピーヒャー、ピーヒョロロロ~、ヒョロロ~。

空高く舞い上がるウミネコの泣き声が、やたらにうるさい。

御幸「………………」

仙台松島、海岸沿いの古いフェリー乗り場。

沖からビャンビャン、痛いくらいに吹き付けてくる豪風の中
坂上御幸19歳(高専中退コンビニフリーター)はしかめっ面を崩さない。

空海「それでは、麻呂様……御武運をお祈りしております」

さあああああああ……さあああああああ……

波高く、風強く。

『フェリー欠航』と書かれた看板の目の前で、
あやしい琵琶法師……最澄&空海の空海がぺこりとお辞儀する。

空海「それじゃっ、僕達はお先に失礼しますねっ」
御幸「こゆーのツッコむと……無礼? って思って黙ってたんだけど」
空海「はい?」
御幸「で? マジで魚なワケ? ありえないんですけど」
正宗「というより、王マグロですね。本トロになります」
御幸「魚の種別は聞いてねーんだけど!!」
正宗「お嫌いですか、マグロ……。俺は好きです」
御幸「お前の好みも今は聞いてねーっ……!」

確かに、マグロ。マグロ……王マグロって品種は知らんが
マグロ……は松島の海にもいんのかもしれない。海だし。

御幸(マグロ……)
御幸「俺達、今から京都を目指すわけじゃん」
正宗「はい。海路と陸路の案がありましたが、
   陸路は危険だと最澄が……」
御幸「うんうんうん。それはいーの。なんとなくワカる。
   地面歩いてたら敵とかに普通に襲われるよね。
   それはわかる」
正宗「でしたら、何が問題ですか」
御幸「海から近畿攻めようってのはね? いーと思う。
   でも……でもさ? 俺ら4人の中でさ?」
御幸「最澄と空海は優雅にフェリーに乗って航海して、
   俺と正宗は本マグロに乗れってのは……なくね?」

つか、マグロってそもそも乗り物か?

御幸「俺……もしかだけど、最澄か空海に嫌われてる?」
正宗「いいえ。だってフェリーは俺が断りましたから」
御幸「おっ、おま、おま、お前かよ!!」
正宗「それに、そこに書かれているようにフェリーは欠航です。
   あの二人とて、休みの船に乗ることは出来ませんよ」
御幸「じゃ、どーすんだよ」
正宗「正確には、あの二人は空を飛ぶのです」
御幸「そ……空を!?」

アレか。ダサいダサいと思ってたあの、最澄の緑のバンダナ。
あれで空を飛ぶのか。

とんでもないことを真顔で平然と口走って来るなこいつ。

御幸(バンダナで最澄が飛んで……。最澄の脚に空海がつかまって……。
   そやって宮城から京都まで飛ぶ……ってこと?)
御幸(とお……遠くね? 距離長すぎね!?
   てかあのバンダナにそんな特別機能ありえなくね!?)

ウミネコとかトンビや鷹に出来てんだから最澄にも出来る。

断言されたらそーなの? としか言えないけれども、
俺が19年生きて来たカンジだと、たぶん……それは無いと思う。

思う……。

御幸「って、今はあの二人の飛翔方法はどうでもいんだよ!
   あのさ……俺、金あるよ。フェリー二人分……」
御幸「今は欠航でも、午後には変わるかもだし。
   そしたら俺と一緒にさ……」
正宗「いいえ!!」

いきなり、正宗は強い声色で俺の言葉を遮った。

御幸「わっ!? 何なに!?」
正宗「あなたと俺はあえて! 王マグロで荒波を越えるのです!」
御幸「かっ、カッコイイ顔で断言することじゃねええええええ!!」

キッ、と厳しい表情で言い放つ正宗の迫力に押される。

なぜ……なぜこいつはそんなにマグロにこだわるのか……。

原作最澄が使う、術式『転生極地(てんせいがきょくち)』はこの星プロローグで
ダンチが辰真をプリンセスにしようとしていたアレです。

※設定語り+ネタバレOKな人だけGO!


続きを読む

このページのトップヘ

ライブドアブログでは広告のパーソナライズや効果測定のためクッキー(cookie)を使用しています。
このバナーを閉じるか閲覧を継続することでクッキーの使用を承認いただいたものとさせていただきます。
また、お客様は当社パートナー企業における所定の手続きにより、クッキーの使用を管理することもできます。
詳細はライブドア利用規約をご確認ください。