渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

広告コピーに魂はあるか

2020年12月05日 | open


ゼファーχ 1997年製G-2、私のゼファーχ
の年式の新車発売時のカタログである。
コンセプトが個人的には面白い。




「華麗なる『武道』のこころ、ここに開花」
なのだそうだ。
よく読まないといけない。
武道が華麗とは言ってない。
武道のこころの事も華麗であるとは意味
していない。
「武道のこころを備えることが華麗で
り、今それがこのマシンにて開花する」
という意を表しているのである。
「未確認走破物体」というフレーズを
使ったり、とかくカワサキのコピーはグッ
と心に差し込む何かがあり、そして華麗
だ。
私はカワサキの製品コピーは、モーター
サイクルメーカー4社の中で一番秀逸で
あるように思える。
なんてのかなあ、お洒落なのはヤマハな
のよね。
カワサキは心の琴線に触れる何か光るもの
がフレーズにあるのよ。



この97G-2は赤メタゼファーも黒メタの
ゼファーも、「武道のこころ」がセールス
コンセプトだったようだ。
それを華麗に開花させての登場、とのこと
らしい。

表紙には真剣日本刀。
私の見立てでは、現代刀工、関の高羽弘宗
(当時の刀工銘は弘=ひろむ)の作と見た。
日本刀を表紙にバン!とモロに打ち出す。
そして、赤メタも黒メタも武の心と来た。
こいつぁいいぜ。
使い方は間違ってるかも知れないが、実走
4万数千kmを過ぎた今もレッドゾーンまで
ヒュンヒュンとエンジンはストレスなく
回ってくれる。
120マイルしか速度は出ないけれど、この
鐵馬、よく走る。深く信頼できる。
ちっこくて可愛い駿馬。まるでクォーター
ホースのようだ。
This is my service machine.


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