マネーデータベース
『製薬会社と医師』

このデータベースでは、製薬会社から医師個人や大学や病院などの研究施設に支払われた金額を調べることができます。データは製薬会社が自らのホームページで公開している情報です。個別に公開されている膨大なデータを整理・集計することで、製薬業界から医療業界への資金提供の全体像を透明化しました。

お知らせ

  • 2021.08.27

    探査報道記事「製薬会社から3年連続1000万円超66人、計5000万円超は19人」をリリースしました。

  • 2021.08.27

    新サイトを公開しました!2016年度〜2018年度のデータを一つのサイトで検索できます。

このサイトについて

患者とその家族、ご友人のみなさまへ

かかりつけ医がいつも処方している薬は、効果と安全性の面で自分にとって最良なのだろうか。著名な医師が薬や病気についてメディアで語る内容は信じられるのだろうか。

そんな疑問を持ったことはありませんか?

米国では、製薬会社から医師への2,000円ほどの飲食の提供で、その医師の処方が変わるという研究もあります。医師による薬の処方やメディアでの発信を監視するには、医師と製薬会社との利害関係を「透明化」することが重要です。

探査報道メディア・Tansaと特定非営利活動法人の医療ガバナンス研究所は、製薬会社から医師個人に支払われた金銭を誰もが調べられるデータベースを作成しました。土台になったのは、製薬会社が自らのホームページで公開しているデータです。2016年度から公開を続けており、2017年度版、2018年度版とこれまでに3年度分が完成しました。

みなさんへの適切な薬の処方に役立つことを私たちは期待し、データベースの公開を継続します。

データベースの使い方(準備中)

データベース有効活用のヒントを、ビデオで解説しています。ご自身の関心分野に合わせて検索し、データベースを最大限ご活用ください。

ランキング

  • 2018年度
  • 2017年度
  • 2016年度

2018年度製薬会社別 支払い

  • 2018年度
  • 2017年度
  • 2016年度

2018年度主要20学会別 理事平均受領額

    • 1.日本内科学会
      7083981円
    • 2.日本皮膚科学会
      5826574円
    • 3.日本泌尿器科学会
      5644622円
    • 4.日本眼科学会
      3291289円
    • 5.日本整形外科学会
      2115971円
    • 6.日本外科学会
      1927724円
    • 7.日本精神神経学会
      1664929円
    • 8.日本産婦人科学会
      1413511円
    • 9.日本脳神経外科学会
      1172729円
    • 10.日本リハビリテーション医学会
      1031033円

用語の説明

透明性ガイドライン
医師が製薬会社から受けた金銭情報を公開する欧米での動きを受け、大手製薬会社が加盟する業界団体の日本製薬工業協会が2011年に策定。加盟製薬会社はガイドラインに従い、医師個人や医療機関、研究機関への支払い情報を公開している。
A項目(研究開発費等)
臨床研究や治験、製造販売後臨床試験などの研究開発に対する資金提供。
B項目(学術研究助成費)
学術研究の支援を目的に、主に大学や研究機関に対して支払われる。学会などの共催費用も含まれる。
C項目(原稿執筆料等)
主に医師個人に対して支払われる謝礼。セミナーなどの講演料や原稿執筆料、コンサルティングに対する業務委託の費用が含まれる。
キーオピニオンリーダー(KOL)
医療業界で影響力を持つ医師。大学病院の教授や、大病院の院長クラス、ある領域の権威など。製薬会社は自社製品の販売促進のために、KOLに働きかけ、KOLからの発信によって他のドクターにも最新の製薬情報の普及・浸透をはかる。インフルエンサーと呼ばれることもある。
診療ガイドライン
病気の予防・診断・治療・予後予測など、診療の根拠や手順について最新の情報をまとめた指針。使用が推奨される薬も明記されており、医師はガイドラインを見て治療方針や処方する薬を決めていくことが多い。各診療科の学会などが委員会を形成し、ガイドラインを作成する。
PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)
厚労省が所管。医機法に基づき医薬品・医療機器などの審査、安全対策や添付文書の作成を担う。新薬を国内で使用するための承認を行うのはPMDAだ。
薬価算定組織
新薬が正式に承認されたあと、厚労省が提出した原案をもとに薬の値段を決める医師や研究者で構成された組織。委員は厚労省が選出する。

製薬マネーに関する記事と論文

  • 製薬マネーと医師
  • 探査報道シリーズ『製薬マネーと医師』

    製薬会社の「お客様」は患者ではない。薬を処方する医師だ。年間1000万円超が、学会の推奨薬を決めたり薬の値段を決めたりする医師に「ポケットマネー」として渡る。「政治とカネ」を凌ぐ癒着の構造が、そこにあった。

  • 製薬マネー論文
  • 製薬マネー論文

    2018年以降、医療ガバナンス研究所は、製薬マネーデータベースを利用しながら、製薬企業と医療界の金銭関係について、27報の学術論文を発表しました(2021年5月24日現在)。このような活動は、製薬企業との金銭関係が、患者のケアにどのような問題を生じさせているか明らかにする上で重要な営みであると考えています。CREATE-X試験に関しての調査がそうであったように(Tansa 「隠された乳がんマネー」参照)、Tansaのジャーナリズムと我々の活動は、相補的な関係にあり、この両者を組み合わせることで、最大の成果を挙げられると考えています。

海外での取り組み

海外の取り組み紹介

米国では、製薬会社から医師への10ドル以上の支払いは、医師の個人名とともに情報公開することが2013年から法律で義務付けられました。すでに公的機関やジャーナリズム組織が、製薬会社から医師への支払い情報のデータベースを公開しています。欧州でも医師や社会学者たちがデータベースを作成する新プロジェクトを始動しています。