写真:さとちん
地図を見る尾去沢鉱山は、東北自動車道鹿角八幡平ICから10分。鉄道を利用する場合は花輪線花輪駅からはタクシーで10分ほどです。バスは走っていないので、車かタクシーを利用して向かいます。山道を走っていくと、突然目の前に赤い土の山と空に向かってそびえ立つ巨大な煙突が見えてきます。かつての煙害ではげ山となった赤い山に立つ1本の煙突。まるでSF映画のような光景に、思わず息をのんでしまいます。煙突の高さは60m。土木遺産に認定されています。
写真:さとちん
地図を見る煙突の下には国内最大級の選鉱場跡が連なり、その姿は遠目から見ると鉱山跡というよりも、古代遺跡のよう。
残念ながら崩壊の恐れがあるため選鉱場跡の近くには寄ることができませんが、公道に車を止めて車窓から、もしくは車から出てスマホやカメラで撮影している人が多く見受けられます。
写真:さとちん
地図を見る選鉱場跡の中心には、シックナーと呼ばれる沈殿池があり、ここではかつて液体の中に混じっている固体粒子を分離する作業が行われていました。尾去沢鉱山で採掘されていたのは銅が中心だったせいか、シックナーに溜まる水はコバルトブルーの色をしていて、モノクロの建物とコバルトブルーの水の対比は、見た人を魅了する神秘的な風景となっています。以前はガイドの案内があれば近くまで行くことができたそうですが、震災後はすべて公道からの見学となってしまいました。
200㎜の望遠レンズで撮影した写真です。
写真:さとちん
地図を見る製錬場跡は個人でもかなり近くまで寄ることができます。山肌に這うように延びるダクトは生き物のよう。
閉山よりも早く、1966年に廃止された製錬場は、50年前で時が止まったままです。
写真:さとちん
地図を見る尾去沢鉱山には選鉱場跡以外にも多くの施設が残っています。鉱山で働く人達や家族のための芸能人のコンサートや映画の上映が行われていた巨大娯楽施設共和会館跡、社宅や小学校跡。
これらはすべて公道から見学可能ですが、機会があったら是非利用してもらいたいのが、ガイドと一緒にマイクロバスで出かける坑外施設見学ツアーです。
大人1,800円、シニア・中高生1,440円、小学生1,080円で事前予約制。
最少催行人数が10名となっていますが、若干名足りないときは相談してみてください。ひとりで参加したいときは、月に一度個人向けガイド日を設けてあるので、そちらを利用するのが良いでしょう。
この後紹介する、観光公道コースとあわせて2時間ほどのツアーとなります。
写真:さとちん
地図を見る坑道自体は全長10km以上ありますが、そのうちの1.7kmほどを観光坑道として公開しています。所要時間は45分ほど。体力に自信のない人用に30分でまわれる1.1kmの一般コースも用意されています。
観覧料は大人 1,000円、中・高校生 800円、小学生 600円。
写真:さとちん
地図を見る坑道内は通年13度ほどなので、夏でも上着かバスタオルを持参しましょう。忘れた人は、受付でレインコートが150円で販売されています。
写真:さとちん
地図を見る人の力で掘られたとはにわかに信じがたい、上へ、上へと広がる巨大な空洞、現在国内で見ることのできる採掘跡としては最大規模となっています。
写真:さとちん
地図を見る観光坑道の中には人形を使い、採掘風景から普段の生活まで、江戸時代の鉱山の様子を再現しています。
鉱山では独自の山法のもと規則を守って生活し、違反した場合は厳しい処罰が課せられました。一種の治外法権となっており、九州や四国から逃げて潜伏している隠れキリシタンも多くいました。岩には今も隠れキリシタンによって掘られた十字架が残っています。
写真:さとちん
地図を見る観光坑道の外にはお土産物を扱っている「おみやげ館」の横に、純金砂金採りや天然石掘り、金箔貼り体験ができる施設があります。
特に人気があるのが純金砂金採り。子どもだけでなく大人も夢中になって砂金を探しています。
観光地としては知名度の低い尾去沢鉱山ですが、車で一時間ほどで十和田湖やストーンサークルで有名な大湯環状列石があります。また、大湯温泉郷や湯瀬温泉郷と豊かな自然に囲まれた温泉も、楽しむことができます。
鉱山の歴史をさらに後世に伝えるために、観光地としてもっと注目してもらいたい場所です。
十和田観光の際には是非足を伸ばして、フォトジェニックな廃墟をご覧になってください。
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(2021/8/27更新)
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