２４日に開幕した東京パラリンピック。開会式前日には、ＩＯＣ（国際オリンピック委員会）のバッハ会長が再び来日し、２５日は車いすラグビーなどを観戦しました。“災害”ともいわれる感染拡大の中、入国後３日間の隔離も免除され、“国賓級”ともいえる待遇で迎えられているバッハ会長。一連の行動に対し、政府の分科会の尾身会長は・・・

　新型コロナ分科会 尾身茂会長
　「今、人々にテレワークを要請してるわけですよね。そのときに、今回また来るんで、バッハ会長のあいさつが必要なら、なぜオンラインでできないのかっていうのはこういうことですよね。国民にお願いしてるんだったら、リーダーはオリンピックのリーダー、バッハ会長なんでわざわざ来るのかと。そこでは、そういうことをなぜ普通のコモンセンス（常識）ならできるはずなんですね。もう一回来たから、銀座も一回行ったんでしょうと。一般庶民としてそう思います」

　また、子どもの感染が増えていることにも触れ、子どもへの感染を防ぐため、教職員が優先的にワクチンを接種できるようにすることや、各自治体の判断で“夏休み”の期間を延ばすよう検討することなどを求めました。

　こうしたなか、２５日から始まったのが・・・

記者
　「車いすラグビーの観戦のため、続々と小学生が会場に入っていきます」

　『学校連携観戦』です。東京パラリンピックでは原則全ての会場が無観客ですが、唯一、学校単位で実施する子どもたちの観戦は認められているのです。

　２５日朝、千葉市内の中学校でも・・・

千葉市内の中学生
　「オリンピックが好きなので、楽しみにしてきました」

千葉市内の中学生
　「やっぱり、コロナが心配だっていうのが一番で、自分もコロナにかからないように、感染対策しながら観戦したい」

　生徒たちがパラリンピックの会場へと向かいました。

　一方で、感染状況が悪化していることを受け、参加を辞退する学校も相次いでいます。１週間前の時点でおよそ１４万人の観戦を予定していた東京都。しかし、２４日の時点でおよそ２万４０００人にまで減りました。保護者の間でも意見は分かれています。

小学１年生の母
　「開催するのであれば、観戦は子供にはさせたいのは正直な気持ち」

小３・小５の母
　「学校も席を離したりとか、人数少なくしてやってる中なので、オンラインとかそういった形で、観戦っていうほうがいいのかなとは思います」

　渋谷区の小学校。この学校では、児童３７１人のうち、およそ２００人が観戦を希望し、２６日から３日にわたり参加する予定です。折しも渋谷区では２５日、夏休みの１週間延長が決まったばかり。学校では児童らの安全を考え、都がすすめるＰＣＲ検査を申し込みましたが、検査キットが学校に届いたのは２４日のこと。

区立神宮前小学校 手代木英明校長
　「保護者に配布をして、回収をして、そして検査に回すのは、かなり難しいですね。明日の観戦については、もう間に合わないんですよ」

　校長はコロナの影響で学校行事など多くの機会を失ってきた児童らのためにも、希望する児童にはなんとか参加させてあげたいと話します。

区立神宮前小学校 手代木英明校長
　「子供の安全を守りながら、この意義のある行事を何とかやり遂げるのが、私達の責務だと思っています」