エルフが住んでいそうなチェコ・ボヘミアンスイスのフォトジェニックな森

エルフが住んでいそうなチェコ・ボヘミアンスイスのフォトジェニックな森

更新日:2019/03/11 21:02

さとちんのプロフィール写真 さとちん ご当地グルメライター、海鮮丼マニア、チェコ親善アンバサダー
ドイツとの国境沿いに広がるボヘミアンスイス。スイスのジュラ山脈のように美しい自然に感動したスイス人画家によってこの名がつけられました。深く幻想的な森に自然の神秘を感じさせる奇岩の数々、季節によって変わる渓谷美。映画「ナルニア国物語」のロケ地にもなった雄大な自然はハイキングやサイクリング、ボートで楽しむことができます。

今回は古城や教会、歴史的建造物だけでないチェコの魅力を紹介しましょう。

新型コロナウイルスの発生と感染拡大に伴い、海外渡航が難しい状況です。各種報道機関の発表や外務省、各航空会社のホームページなどで最新情報をご確認ください。(トラベルjp)

初心者でも楽しめるハイキングコース

初心者でも楽しめるハイキングコース

写真:さとちん

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ボヘミアスイスの特徴は、なんといっても摩訶不思議な形をした奇岩の数々でしょう。数百年前浅い海に覆われていたこの土地は、海の底の砂が岩となり長年風雨にさらされたことで門や塔、洞窟など奇妙な形の岩が作られました。針葉樹林の豊かな森に奇岩が連なる渓谷、それらを楽しむためのハイキングコースがいくつかあり、そのほとんどがフジェンスコ(Hrensko)という村が拠点となっています。コースは初心者向けから上級者向けまで多岐に渡り、遊歩道も完備されているコースもあるので小さな子ども連れの家族でも安心してボヘミアンスイスの自然を満喫できます。

まずは一番人気の遊歩道とボートでまわるコースを紹介しましょう。

初心者でも楽しめるハイキングコース

写真:さとちん

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スタートはメズニー・ロウカ(Mezni Louka)村の広大な針葉樹の森。日本の杉林のようでありながら、どこか違う雰囲気。日本のように高低差がなく平地なので、森が永遠に続いているような錯覚を覚えます。所々には苔むした木や崖があり、エルフ(妖精)がひょっこりと顔出してきそう!ファンタジーな森のハイキングは30分ほどの距離ですが、歩いていて退屈することはありません。

初心者でも楽しめるハイキングコース

写真:さとちん

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針葉樹林の森を抜けるとカメニツェ川(Kamenice)沿いの道に出ます。ここからはまた景色が変わりぐっと歩くのが楽しくなります。川沿いに遊歩道も整備され、せせらぎを聞きながら気持ちよく散策できます。

50メートルを超える崖の間をボートで川下り

50メートルを超える崖の間をボートで川下り

写真:さとちん

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渓流沿いを15分ほど歩くとボート乗り場に到着します。ここからはボートでワイルド渓谷、エドモンド渓谷、2つの渓谷を下っていきます。このボートによる川下りは19世紀に始まったと言われていて、貴族がダムを作り川を整備しました。

エドモンド渓谷のクルーズは20分、ボートを降りて川沿いの遊歩道を30分歩き、次のワイルド渓谷のクルーズは15分ほど。ベビーカーは無料でボートに乗せてもらえます。

50メートルを超える崖の間をボートで川下り

写真:さとちん

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高いところで150メートルもある深い渓谷を、ガイドがたくみに操るボートで進みます。

崖には所々不思議な形をした岩があり、ガイドがチェコ語とドイツ語で「あれはSkalni rodina(崖の家)、こちらはStrazce(警備員)」と説明してくれます。時々、「俺が酔っ払っていたら、もっといろいろ教えてあげられるんだがな~」と冗談も飛び出し、ボート内はとっても和やか。

途中、ガイドが崖から垂れていたロープを引っ張ると上から大量の水が流れ落ちてきます。テーマパークならセンサーが感知して自動で水が落ちてくるのでしょうけど、手動の滝とは!昔からこんな風に滝を楽しんでいたのでしょうね。

50メートルを超える崖の間をボートで川下り

写真:さとちん

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川沿いの遊歩道は歩きやすいのですが、途中岩の屋根があったり、真っ暗な洞窟もあります。洞窟を進むためにスマホに懐中電灯のアプリを入れておくと便利ですよ。

ワイルド渓谷を抜けるとフジェンスコまでは残り1.5キロメートル。20分ほど歩いて到着です。全部で2時間半、途中休憩することも考えて3時間くらい時間をみておきましょう。

年月が作り上げた自然の造形美を満喫

年月が作り上げた自然の造形美を満喫

写真:さとちん

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少し上級者向けのコースも紹介しましょう。フジェンスコから車で40分。キヨフスケー渓谷(Kyjovske valley)には一番古いトレイルコースがあります。全長23Kmほどですが、体力やスケジュールにあわせた短い距離のコースもあります。

年月が作り上げた自然の造形美を満喫

写真:さとちん

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まるで鋭利な刃物で切り裂かれたような崖の亀裂もいたるところで目にします。すべて自然にできたものだというのですから驚きです。

途中、人ひとり通るのがやっとの崖の隙間もあるので荷物は最低限にしましょう。段差も急なので靴も履きなれたもので。

年月が作り上げた自然の造形美を満喫

写真:さとちん

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ボヘミアンスイスのハイキングコースやトレッキングコースは目的別にわかれていて、それぞれ赤や緑、黄色のペイントが目印として所々に描いてあります。これは色の通りに進んでも良いのですが、たとえば黄色なら自然を楽しむコースとなっているので、途中でコースを変えたり、色が変わったらまわりの景色の変化を楽しみながら歩くと良いですね。

上で紹介した初心者向けハイキングコースは、針葉樹林の森が青のコース、カメニッチェ川沿いからは黄色のコースになります。

1日では当然まわりきれないボヘミアンスイス

1日では当然まわりきれないボヘミアンスイス

写真:さとちん

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映画「ナルニア国物語」のロケ地にもなったボヘミアンスイス。森の中には苔やシダに覆われた岩もあり、本当に妖精が住んでいそうです。

1日では当然まわりきれないボヘミアンスイス

写真:さとちん

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ハイキングコースでもない場所でもこんな奇岩が!砂がかたまって出来た岩は表面を軽く削るだけでパラパラと細かい砂となって落ちてきます。100万年後には石が無くなると言われているんですよ。

1日では当然まわりきれないボヘミアンスイス

写真:さとちん

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写真中央に見えるのはマリイナ・スカーラ(Mariina skala)。この頂上展望台までは600段以上の階段を含む片道1時間半のトレッキングが必要ですが、360度ボヘミアンスイスが見渡せる最高の絶景ポイントです。

他にもヨーロッパ最大の巨大な岩石アーチプラフチツェ門((Pravcicka brana)など、1日ではまわりきれない見どころ満載の国立公園がボヘミアンスイスです。

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ボヘミアンスイスを味わおう!地産地消のレストラン「ナ・ストドルツィ」

ボヘミアンスイスを味わおう!地産地消のレストラン「ナ・ストドルツィ」

写真:さとちん

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フジェンスコから車で30分、国立公園のすぐ近くにあるナ・ストドルツィ(Na Stodolci)は地産地消の農家レストラン。この地域でとれた新鮮な農畜産物を使用したお料理がいただけます。

自然に囲まれた三角屋根のかわいいログハウスはのまわりには、人懐っこい猫もたくさんいて猫好きにはたまりません。他にも牛や馬、ヤギがいたり、店内にはキッズスペースもあるので家族連れにもピッタリ!

ボヘミアンスイスを味わおう!地産地消のレストラン「ナ・ストドルツィ」

写真:さとちん

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写真は牛頬肉のワイン煮 根菜とマッシュポテト添え。国立公園の豊かな自然の中で育った牛肉はくさみがまったくありません。オーガニックワインで柔らかく煮込まれ、口の中でホロホロと崩れていきます。こんなに分厚いお肉なのに噛む必要がないんです。
前菜にはローカルチーズの盛り合わせをビーツの酢漬けと一緒にどうぞ。デザートはクリームとブルーベリーがたぁ~っぷり乗ったパンケーキがオススメ!

ボヘミアンスイスを味わおう!地産地消のレストラン「ナ・ストドルツィ」

写真:さとちん

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オーガニックワインもおいしいのですが、ビールもはずせない!!こちらのお店専用のミニブルワリーがあるのです!トレッキングのあとの乾いた喉を潤す至高の1杯です!

<ナ・ストドルツィの基本情報>
住所:Dolni Chribska 40, 407 44 Chiibska
電話番号:+420-412-381-028
アクセス:フジェンスコから車で30分

四季おりおりの自然を楽しめるボヘミアンスイス

首都プラハから列車でジェチーン(Decin)まで。そこから車でフジェンスコ(Hrensko)まで15分。夏場はバスも運行しています。

日本と同じく四季のあるチェコ。ハイキングシーズンは7月~9月の夏ですが、それ以外でもその季節ならではの美しい森を体験できるので1年中いつ訪れてもきっと満足することでしょう。

2018年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

取材協力:チェコ政府観光局

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/10/20-2018/10/29 訪問

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