英語論文で最優秀者 清陵高2年の國枝さん
米国スタンフォード大学の日本の高校生向け遠隔教育課程を受講し、学習経験を踏まえて書いた英語論文が高く評価された國枝蒼太郎さん(諏訪清陵高校2年)
諏訪清陵高校2年の國枝蒼太郎さん(16)=茅野市ちの=が米国スタンフォード大学主催の日本の高校生向け遠隔教育課程を受講し、修了者が提出した英語論文の中で最も評価の高い最優秀者の1人に選ばれた。すべて英語で日米関係などに関する講義を受け、受講者同士で議論した経験を基に社会的な問題解決を目指す企業をテーマに論文を執筆。受賞に「こんなに高く評価してもらえるとは思わなかった。うれしかった以上に驚いた」と笑顔を浮かべた。
國枝さんは、中学3年生の時に県新聞販売従業員共済厚生会主催の学生記者派遣事業で米国を訪問したのがきっかけで、海外に目を向けるようになった。高校入学後、海外に関心を寄せる中で知ったスタンフォード大の同教育課程に応募。全国の受講希望者による選考を突破した24人のうちの1人に選ばれた。昨年10月から今年2月までの約5カ月間、安全保障、第二次世界大戦時下の日米関係、移民、市民権、教育システム、シリコンバレーと起業家などについての講義を受け、議論を重ねた。米国の学生がディスカッションに参加することもあった。
「もともと英語はあまり得意ではなかった」と笑う國枝さんだが、興味ある講義テーマと、一緒に学ぶ全国の高校生の意識の高さに影響を受けて必死に勉強を重ねた。講義には同大教授、専門家、元駐日大使らが登場することもあり「すごく刺激的だった。必要性に迫られたおかげで語学力が高まった」と振り返る。
論文では気候変動、貧富の差、テロリズムなど社会に悪影響を与える課題の解決と利益確保の両方を目標とする社会的企業を日本で増やす必要性を訴えた。米国の制度を取り入れながら社会的企業に対する資金面を含めた支援体制の拡充や学生、社会人の教育の充実を主張した。
受講生は年上の生徒が多かったそうで、國枝さんは「全国から集まったとても優秀な先輩たちからたくさんのことを学んだ。貧富の差、格差の是正、富の再配分の問題に関心があり、そうした点を含め今後も広く学んでいきたい」と話していた。