・ロックアップ期間であっても、普通に株は市場で売却できる。
(対面証券なら確認が入って売却できないのではという声あり)
・ロックアップの実効性担保のために、なにがしか特別な方策が取られていることは確認できず。(現に売却できている)
・ロックアップ対象者は上場審査通過のため「確約書」なるものを提出はするが、
その中に違反時の賠償規定・罰則規定はない。
・ロックアップには任意ロックアップと制度ロックアップがあり、
今回は制度ロックアップに該当する。
・制度ロックアップは東証の規則によるが、違反時の罰則規定を確認できず。
ロックアップの詳細はここを参照(片山晃も謝罪記事で制度説明はここを紹介)
えらいガバガバな気がしますが、ジェイコム誤発注事件のときも、保有もしていない株を売りに出せるシステムだったことが明らかになったりしたので、関係者の善意だよりの制度であっても驚きはありません。
ロックアップ違反それ自体に罰則規定がなくても金融商品取引法違反ではという声がありました。また自分も、IPO投資における非常に重要な情報であるロックアップに関してその公表事実に反することが行われており、その主体がその情報の優位性により利益を得たのなら、インサイダー取引に該当するのでは?と調べてみました。金融商品取引法第164条には下記のような条文があります。
一般の個人投資家が自己の損失(逸失利益)を片山晃のロックアップ違反の売却によると立証する負担はかなりのものですが、何せ相手は資産百数十億で馬主や社会運動家としてメディアにも露出する資産家であり、かつさらに税引き前18億円を直近で得ている相手です。リスクリワード的にも司法戦闘力的にもかなり厳しいでしょう。日本では行政訴訟などを除いてあまり集団訴訟でうまくいっている事例はみませんし、うまくいってちょっと有利な和解ぐらいしか期待できそうにありません。
金商法164条に該当するのでは?と明日あたりモダリスのIRや、東京証券取引所や、新規株式公開時の主幹事証券及び幹事証券に問い合わせしてみようかなとも思ったのですが、「
とはいえ
10 年以下の懲役もしくは1,000 万円以下の罰金、または併科
有価証券届出書等の重要事項の虚偽記載 金商法
風説の流布、相場操縦行為等の有価証券取引規制に違反する行為 金商法
5 年以下の懲役もしくは500 万円以下の罰金、または併科
有価証券届出書等の不提出 金商法
大量保有報告書の不提出・虚偽記載 金商法
インサイダー取引違反 金商法
なので、これらに該当すると立証するのはかなり厳しそうです。
意図に関わらず結果として行われている取引は、反市場的なものとしか私には思えません。ただ、4597 ソレイジア・ファーマ でも過去にロックアップ違反が行われていて、別にどうもなってないんですよね。この違反者が得た利益がソレイジア・ファーマ社に帰属したというような続報も確認できていません。
https://solasia.co.jp/images/FSLXT57Om0cK3T.pdf ※PDF直リンク
なお、JBIr社により当該売却がなされた当社株式合計21,058,018株のうち308,182株は、JBIr社が、当社の新規上場申請日の直前事業年度の末日から起算して1年前より後において、当社がJBIr社に対して第三者割当の方法により割り当てた新株予約権の行使等によって取得したものであるため、当社とJBIr社との間では、有価証券上場規程第217条及び有価証券上場規程施行規則第257条に基づき、JBIr社が、当該株式につき、当社株式上場日(2017年3月24日)以後6か月間を経過する日までの間、第三者に売却等を行わない旨、仮に当該株式につき第三者に売却等を行う場合には、JBIr社は事前に当社に対して書面による通知を行う必要がある旨等が確約(いわゆるロックアップ合意)されております。しかしながら、当社は、JBIr社から、当該確約に基づく事前の通知を受けないまま、2017年6月30日に、JBIr社から、当該株式について売却を行った旨の通知を事後的に受けたため、当該売却は当該確約に違反するものであったとして、当社は、MPM Capital及びJBIr社に対して厳重な抗議を行ってまいりました。なお、当社は、MPM Capital及びJBIr社とのやり取りに時間を要したため、本日付けで、有価証券上場規程第217条及び有価証券上場規程施行規則第257条に基づき、東京証券取引所に対して当該確約違反の譲渡に関する報告書を提出しております。
大証ヘラクレス時代の 9424 日本通信 でも、ロックアップに反して新株予約権を行使して売り抜けてたっぽいし無能だから解任したし新株予約権の行使を認めなかった上席執行役員と裁判になって、日本通信結局負けてるんですよね。だから、ロックアップは法的にも契約的にも拘束力はないのかもしれない。
https://www.j-com.co.jp/ir/pdf/press_091001a.pdf ※PDF直リンク
だから、この裏技の可能性に気づいていた人はたくさんいて、それを大々的に実行可能な立場に立てたのが片山晃だけだったのかもしれない。18億円ですからね。cisさんが日経平均先物でドヤったのが一撃20億円でしたっけ?著書で明らかにしてましたが、cisさんでもドヤり天井で実際の利確額はそれより小さかったと書いていましたが。日経平均先物の取引よりはるかに安全で手堅かったでしょうね。覆しようのない優位性があったわけですから。
一般の個人投資家としては
・片山晃が大株主の銘柄には非市場リスクがあると認識する。
・ロックアップが守られないことを意識してIPO銘柄をトレードする。
くらいしかありませんね。
今後の展開予想
・ロックアップの実効性強化の議論が起こるけどなんかうやむやになる。
・片山晃がベンチャー投資やIPO投資から手を引くっぽいことを言うけど、
なんかむにゃむにゃした感じで、法人としてちゃんとやるからとかそんなんに。
・18億円は特に課徴金とかにはならない。
・散発的な訴訟とかあってもしょうもない和解で終わる。
個人的にはロックアップの実効性担保の施策が、東京証券取引所・証券会社・新規上場会社・その出資株主、においてなされることを望みます。
なんか補足謝罪記事がでてますね。