京都市役所

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 京都市は26日、開会中の9月議会に提案した市営聚楽保育所(中京区)の廃止に関する条例案を撤回すると明らかにした。同保育所の民間移管に伴う条例案だったが、移管先の社会福祉法人きらきら福祉会(下京区)から辞退の申し出があったため。同条例案は翌27日の本会議で採決が予定されていた。


 市は2016年、市営保育所の民営化を進める基本方針を策定。聚楽保育所は16年度と19年度に公募したが応募する法人がなかった。今年4月、3度目の公募で移管先がきらきら福祉会に決まり、移管予定日は2022年4月だった。

 市によると、同福祉会から今月23日、「22日に保護者から法人などを中傷する手紙が届き、関係者に迷惑がかかる」として辞退の意向が伝えられた。市は慰留に努めたが、翻意させるのは難しいと判断した。手紙の内容について市幼保総合支援室は「内容は明らかにできない」としている。手紙を出した保護者は「法人の関連会社が手掛けている性的な要素を強調した商品を指摘しただけ」と中傷を否定している。

 この日の市会運営委員会で、市側が廃止に関わる二つの条例案の撤回を申し出た。同室は「民営化の方針に変更はないが、どのように公募するかなどは今後検討したい」としている。