東京オリンピック閉会式 実況&解説

2021/8/8 20:00 開始予定

セレモニーがスタート

  • 2021年8月8日20時、閉会式がスタート。 オープニングでは、17日間の大会を映像とともに振り返る。選手、ボランティアによって支えられ、多様な個性や文化、経歴を持つ人々が、スポーツを通して互いに高め合い、理解し合う姿を目にした日々を、大会期間中の象徴的なシーンで紹介していく。 映像が終わると同時に、会場ではコロナ禍での開催に尽力した人々やアスリートに感謝と祝福の意を込めた花火が打ち上がる。

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皇嗣殿下のご臨席

  • 場内のプレジデンシャルボックス(貴賓席)に皇嗣の秋篠宮殿下がご臨席。IOCのトーマス・バッハ会長が迎える。

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日本国旗が入場

  • フィールドには日本国旗が入場。ベアラーは柔道・高藤直寿、競泳・大橋悠依、体操・北園丈琉らに加え、コロナ禍において貢献したエッセンシャルワーカーなど年齢や立場も多様な人々が担当。

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宝塚歌劇団による「君が代」斉唱と国旗掲揚

  • 国歌斉唱は100年以上の歴史を持つ宝塚歌劇団真風涼帆(宙組)、礼真琴(星組)、柚香光(花組)らの団員たちが自衛隊による国旗掲揚に華を添える。

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大会参加国の国旗入場

  • 参加国の国旗が入場する。 旗手は各国のオリンピック委員会によって選出されたアスリートが務め、日本は空手形で金メダルに輝いた喜友名諒が担当する。

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  • 音楽は、1964年の東京オリンピック開会式を彩った「オリンピック・マーチ」。福島出身の作曲家、古関裕而が自ら「会心の作」と評した名曲であり、前回大会以降、今日まで日本全国で演奏され続けている。

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  • 大会を振り返る映像が流れる。

選手行進

  • 各国の旗手に続き、選手の行進が行われる。閉会式では国別に分かれることなく、一斉に入場となる。 この一斉に入場するアイデアは、オーストラリアで大工の見習いをしていた中国系青年のジョン・イアン・ウィングさんによって1956年のメルボルン大会のために提案された。それ以前は開会式と同様、選手は常に自国の旗手の後ろについて入場していた。 当時17歳だったウィングさんは、米ソ冷戦下で不安定だった世界情勢における友好と平和へのメッセージとして、メルボルン大会の組織委員会に手紙を送り、一斉行進の提案が採用された。

  • 入場した選手たちが集い、各種の演出パフォーマンスが行われるフィールドは、国立競技場の芝を活用した空間設計が行われた。担当したのは美術監督の種田陽平。

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  • 日本選手団も登場。金メダルを獲得した侍ジャパンの田中将大、山崎康晃、鈴木誠也、森下暢仁、銀メダルに輝いたバスケ女子の「アカツキファイブ」、卓球の石川佳純、伊藤美誠、平野美宇らが国旗や手を振りながら入場してきた。 アーティスティックスイミング日本代表のマーメイドジャパンは、開催についての感謝のメッセージを掲げた。

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  • イギリス選手団は、「ありがとう、東京」という文字をユニホームの背中に入れている。

会場上空に五輪エンブレムを描く光の演出

  • アスリートそれぞれの情熱、献身、希望そして夢の象徴として、小さな光の点の数々がフィールド上のアスリートひとりひとりから発せられる映像演出が行われる。 無数の光は上空へと舞い上がりながら波となり、五輪のエンブレムを形成する。それは世界の団結の象徴であり、会場に来られなかった人々を含め、オリンピックの開催に貢献した人々を象徴的に結びつける。 この記念すべき瞬間を、距離を超えて分かち合うことを可能にする演出を手掛けたのは、カナダのマルチメディア・スタジオMoment Factory

東京の今を体感させる音楽とパフォーマンス

男女マラソンの表彰式が行われる

ボランティアへ称賛と感謝を伝える

  • 大会期間中に選任されたIOCアスリート委員会の新任役員3名の紹介がメインステージで行われる。日本からはフェンシングで五輪2大会連続の銀メダリスト・太田雄貴さんが選出された。

  • オリンピック期間中のボランティアたちの活動を紹介する映像が放映されると、新任役員は選手を代表し、大会に尽力したボランティアへの称賛と感謝の表明として代表者たちにビクトリーブーケ(表彰式で、メダルとともに選手に贈られる副賞の花束)を贈呈する。各会場のボランティアであるフィールドキャストだけでなく、会場の外で案内などを担当したシティキャストも登壇したのは、今大会が初。

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追悼式

  • フィールド中央では追悼式が行われる。 灯籠を持ったキャストたちが囲む中、ダンサーのアオイヤマダ、和太鼓奏者の佐藤健作による追悼のパフォーマンスが行われる。音楽は武満徹が作曲した「波の盆」。

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日本の祭りの紹介から東京音頭へ

  • LEDビジョンの映像を通して、日本各地の伝統的な祭りがリモート映像で紹介される。 アイヌ古式舞踊(北海道)から始まり、琉球のエイサー(沖縄)、西馬音内盆踊り(にしもないぼんおどり/秋田)、郡上おどり(岐阜)まで、古き良き祭りの様子と美しい風土が映し出され、日本各地を疑似旅行したような体験を選手に届ける。 最後は国立競技場で、日本民謡の鳳蝶美成(あげはびじょう)らによる「東京音頭」が披露される。

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引き継ぎ式

  • IOCのバッハ会長、小池百合子都知事、パリのアンヌ・イダルゴ市長が登壇。

  • ソプラニスタの岡本知高による「オリンピック賛歌」に合わせ、オリンピック旗が降納される。

  • オリンピック旗は小池都知事からバッハ会長へ、バッハ会長からイダルゴ市長へ手渡される。 続いて、フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」が映像で演奏され、フランス国旗が掲揚、引き継ぎが完了する。

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パリ大会のプレゼンテーション

  • 東京からパリへの引き継ぎを祝賀するため、次期開催都市による8分間のアーティスティック・セグメントが行われる。これは史上初めて次の開催地からライブ配信での実施となった。 映像はフランス国歌の「ラ・マルセイエーズ」の調べに合わせ、ノートルダム大聖堂やルーブル美術館など、フランスの代表的なモニュメントの紹介から始まる。そして、映像は宇宙に至り、国際宇宙ステーションに滞在するフランス人宇宙飛行士のトマ・ペスケによるサクソフォンの演奏につながる。

  • 続いて、カメラはパリ市内にある有名なランドマークを映し出していく。オルセー美術館やグランパレ、凱旋門、コンコルド広場を経て、最後はパンテオンのふもとに到着する。 そして、クライマックスへ。サッカー場のピッチとほぼ同じ大きさという巨大なパリ大会旗がエッフェル塔に掲げられる。 パリからのライブ配信では、東京大会のメダリストたちが登場。フランス空軍のアクロバットチーム「パトルイユ・ド・フランス」が空を舞う。

  • エマニュエル・マクロン大統領がオリンピックの理念である「より速く、より高く、より強く、共に」をフランス語で伝えると、「パトルイユ・ド・フランス」がフランス国旗を模した演出。ビジョンには「ありがとう、東京。メルシー、東京」の文字。エッフェル塔の足下に広がるトロカデロ公園では、パリオリンピック・パラリンピック組織委員会のトニー・エスタンゲ会長が、アスリートたちとともに2024年パリ大会への参加を世界へと呼びかけた。

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組織委員会の橋本会長、IOCバッハ会長によるスピーチ

  • 東京スカイツリーと国立競技場の姿が映し出されると、東京に戻る。 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の橋本聖子会長と、IOCのトーマス・バッハ会長が国立競技場のステージに登壇。スピーチを行う。

  • 橋本会長

    東京2020オリンピック大会の閉会を迎えるにあたり、ご挨拶を申し上げます。アスリートの皆さんが躍動した東京オリンピックが今、その幕を閉じようとしています。 医療従事者の皆様をはじめ、この大会に関わり、尽力していただいた皆様、この大会を受け入れてくださった日本の皆様に心より感謝を申し上げます。 東京大会は多くの会場で無観客での実施となりました。会場では子どもたちが育てた朝顔が迎えてくれました。その朝顔は、まるで世界の人々の結束を表すようでした。そこに込められた子どもたちの思いに、私たちはどれだけ励まされたでしょう。 東京大会はスポーツを愛するボランティアのみなさんの力でもあふれていました。ボランティアの皆さんに支えられ、乗り越えることができました。本当にありがとうございました。 オリンピアンのみなさんが描いた軌跡は、どれも素晴らしいものでした。それはすべてを受け入れ、理解をし、困難を乗り越えて努力したきた結晶のうえに作られたものだからです。みなさんは真のオリンピアンです。 勝者と敗者が互いを認め合う。その瞬間こそがオリンピックの価値です。どうか、この景色を忘れないでください。 大会を終えた今、アスリートとスポーツの力によって、未来への扉が開かれました。スポーツには未来を変える力がある。この力が2024年パリ大会へとつながっていくと信じています。 ここに集った希望は決して消えることはありません。世界中の人々の心に受け継がれていくと願っています。 私たちの旅はまだ続きます。次は自らの力を信じる、パラリンピアンの躍動が始まります。私たち組織委員会は万全の準備で迎えたいと思います。 最後に、この大会に携わったすべてのみなさんに感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。 アスリートのみなさん、世界のみなさん、またお越しいただけるのをお待ちしております。東京で、お会いしましょう。

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  • バッハ会長の挨拶を前に、各大陸の代表選手が登壇。アジアからは日本の柔道・阿部詩がステージに立った。

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  • バッハ会長

    東京の皆様、そして日本の皆様、親愛なるアスリートの皆様、この17日間感動させていただきました。オリンピック競技大会の魔法を皆様は作り上げたのです。 より早く、より高く、より強くなれたのです。それは皆が共に立ち、連帯したからです。アスリートの皆様はひとつ屋根の下、選手村で過ごされました。これは力強い連帯と平和のメッセージになるでしょう。 スポーツの人々を一つにする力に励まされました。これはさまざまな課題を突きつけられたパンデミックの最中だったからです。 皆様は世界に贈り物をしてくれました。「希望」です。 パンデミック以降、世界が初めて一つになりました。世界中の何十億もの人々が喜びと感動の瞬間を共有しました。それが希望と、未来を信じる気持ちを与えてくれます。 東京2020オリンピック大会は、希望と平和と連帯のオリンピックです。皆様のような世界最高のアスリートが夢を叶えることができたのは、日本の皆さんが舞台を用意してくれたからです。 日本の皆様は成し遂げたことを誇りに思ってください。ありがとう東京、ありがとう日本。 ボランティアの皆様にもお礼を申し上げます。その笑顔が我々を温かい気持ちにさせてくれました。すべてのボランティアの皆様、誠にありがとうございました。 今回は前例のないオリンピックであり、前例のない努力によってこの大会は実現されました。菅義偉内閣総理大臣、小池百合子東京都知事、アスリートに寄り添ってくださり、ありがとうございました。 また組織委員会にも深く感謝いたします。誰もこれまで延期されたオリンピックを運営したことはありません。親愛なるオリンピアンである橋本聖子会長をはじめ、みなさまのパートナーシップに感謝を申し上げます。 そして今、もっとも困難だったオリンピックの旅の終わりを告げます。ここに、第32回オリンピック競技大会の終わりを宣言します。 パリ大会でお目にかかりましょう。

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大竹しのぶと杉並児童合唱団による「星巡りの歌」

  • いよいよセレモニーもクライマックスへ。女優の大竹しのぶさんと杉並児童合唱団の子どもたちが登場する。 大竹は子どもたちに宮沢賢治の「星巡りの歌」を教え、全員での合唱につながる。 一人の女性が子どもたちに歌を教える姿が、今大会のテーマである「次世代への継承」を表し、東京2020オリンピックのレガシーが未来へと受け継がれていくことへの願いを込めた。

オリンピック聖火納火

  • 電子音楽家の冨田勲が編曲した「月の光」が流れる中、オリンピック聖火が納火され、東京2020オリンピックの閉幕を告げる。 聖火が納火される瞬間に大竹と子どもたちが行った「手のひらを丸く握る動き」は、平和への願いや故人への感謝など、さまざまな思いが込められた「祈り」をイメージした。

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東京パラリンピックの予告映像

  • オリンピックの閉会式で史上初めて、パラリンピックの予告が放映される。 大会の見どころを紹介する映像の後、1072発の花火が打ち上がる。そして、会場のLEDビジョンには1964年の閉会式の最後に掲げられた「SAYONARA」と同じフォントで「ARIGATO」と世界に向けた感謝の言葉が表示され、17日間の大会はフィナーレを迎えた。 パラリンピックは8月24日に開幕する。

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競技一覧

競技紹介

シッティングバレーボール 【写真:西村尚己/アフロスポーツ】

床に臀部(でんぶ)の一部を付けたまま行う6人制のバレーボール。コートは一般のバレーボールより狭く(サイドラインが10m、エンドラインが6m)、ネットも座位で競技できるように低い(男子1.15m、女子1.05m)。サーブ、ブロック、スパイクなどの際に床から臀部(でんぶ)を浮かせてはならないが、レシーブの際の短時間の離床は可能。サーブのブロックも認められている。

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