東京2020パラリンピック開会式 12日間の熱戦の幕上がる 

東京2020パラリンピックの開会式が2021年8月24日(火)に開催されました。

東京でのパラリンピックは1964年大会に続き2度目。同一都市で夏季パラリンピックが開催されるのは史上初となります。

開会式のコンセプトは「WE HAVE WINGS」。

最後の聖火ランナーは3人の現役選手

クライマックスの聖火リレー。これまでの聖火リレーの映像が終わると、フィールド上では先天性の障がいがあるダンサーの森田かずよさんが演じる太陽のダンサーが踊りだします。

会場に冬季パラリンピックで10個のメダルを獲得した大日方邦子さん、東京1964大会の卓球金メダリスト、竹内昌彦さん、パラリンピック過去5大会でパラ日本選手最多の15個の金メダルを獲得した水泳のレジェンド・成田真由美選手が聖火を運び、東京1964パラリンピックの日本選手団団長で「日本パラリンピックの父」と呼ばれる中村裕氏の長男、中村太郎医師や看護師の田村玉美さん、義肢装具士の臼井二美男さんが聖火を繋ぎ、最後のランナーは車いすテニスの上地結衣選手、ボッチャの内田峻介選手、パワーリフティングの森崎可林選手。

3人は同時に聖火台に火を灯すと、会場全体が光に包まれ、1008発の花火が打ち上げられ、12日間におよぶ熱戦の幕が上がりました。161の国と地域、難民選手団が参加し、9月5日まで、22競技539種目が行われます。

「樹花鳥獣図屏風」が描かれた光るトラック、中から布袋寅泰さん率いるロックバンド

再び「片翼の小さな飛行機」の物語に戻ります。彼女の落ち込む心情は元水泳パラリンピック選手で義手のヴァイオリニスト伊藤真波さんの演奏で表現されます。そこへ軽快なリズムとクラクションのような音楽に乗って、伊藤若冲による「樹花鳥獣図屏風(じゅかちょうじゅうずびょうぶ)」や葛飾北斎の「東町祭屋台天井絵 鳳凰(ひがしまつりやたいてんじょうえ ほうおう)」があしらわれた「光るトラック」が登場します。

トラックの思いは、オーストラリア先住民族の伝統楽器「ディジュリドゥ」の奏者であるGOMAさんの演奏です。「片翼の小さな飛行機」が悩みを打ち明けると、トラックの中からはロックバンドが登場。布袋寅泰さんが率い、全盲のギタリスト田川ヒロアキさん、車いすのギタリスト、川崎昭仁さんなどが参加します。

集まってきた「光るトラック」の仲間たちは、「片翼の小さな飛行機」の前で、音楽に合わせて楽しそうにダンスを踊ったり、パフォーマンス。「光るトラック」の仲間たちは、少女をパラ・エアポートへ送り出します。

飛ぶことを決めた「片翼の小さな飛行機」は拍手の中、滑走路を走り、ついに飛び立つことに成功しました。

パラリンピック旗のベアラーはカヌーの瀬立モニカ選手、水泳の富田宇宙選手ら

カヌーの瀬立モニカ選手、水泳の富田宇宙選手らによって運ばれたパラリンピック旗は、コロナ禍で人々の生活を支えてくれた8名のエッセンシャルワーカーに手渡されました。

そして東京2020大会では、ジェンダー平等推進施策の一環として、選手(男女2名)、審判・コーチ(男女2名)が宣誓。日本の主将である車いすテニス男子の国枝慎吾選手と、副主将でゴールボール女子の浦田理恵選手らが「チームの名誉のためにパラスポーツを通じて世界をよりよい共生社会にするためにパラリンピックに参加することを誓います」と宣誓しました。

[広告]

パラリンピック旗入場楽曲を奏でるのはパラ楽団

プロトコルステージにて東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の橋本聖子会長、続いて国際パラリンピック委員会のアンドリュー・パーソンズ会長がスピーチを行った後、障がい者の社会参加を推進するグローバル 人権運動「 WeThe15 」のプロモーション映像が流れました。

天皇陛下による開会宣言が行われた後、パラリンピック旗が入場してきます。入場楽曲を奏でるのは、パラ楽団です。指揮は入場曲「いきる」も手掛けた蓮沼執太さん、ボーカルは坂本美雨さん、さらにピアノの岩﨑花奈絵さん、ギターの大坂曹平さん、津軽三味線の澤田響紀さん、電子和太鼓の富田安紀子さんと障がいのある演奏者もいます。

空に思いを馳せる「片翼の小さな飛行機」の物語

フィールドは一気に空の景色に変わり、風のダンサーが空を舞います。その姿を見て、空に思いを馳せる「片翼の小さな飛行機」。ただ、彼女は自分の翼が一つしかないことで勇気を持てず、空を飛ぶことができないと思っています。

するとそこに、飛行機たちがやってきます。翼も機体も小さな飛行機、翼の長い飛行機、一本足でパワフルな飛行機。視覚障がい、聴覚障がい、下肢の欠損、知的障がい、小人症、脳性麻痺など、様々な障がいがある中、自分なりの飛び方で大空を舞います。

その姿を見て彼女も、空を飛ぶことにチャレンジしようと思いますが、なかなか一歩が踏み出せない「片翼の小さな飛行機」。この物語の続きはどうなるのでしょうか。

「片翼の小さな飛行機」は、公募キャストの和合由依さん。「車輪が一つ。しかし、力強い翼を手に入れ、大地を蹴るように飛ぶ飛行機」は、公募キャストの松崎佑亮さん。「長い翼を使い、ゆったりとエレガンスに、時には童心に返ったかのように思いのまま飛ぶ飛行機」は、Moekaさん。「強風を起こすプロペラを動力にして飛ぶ飛行機」は、公募キャストの井谷優太さん。「小さい体を活かし、扇子を使いパタパタと蝶々のように飛ぶ、愛くるしい飛行機」は、ちびもえこさん。「まるで歌を歌っているかような表現力豊かな手話を翼にして飛ぶ、おしゃべりが大好きな飛行機」は、公募キャストの鹿子澤拳さん。「心の目とテクノロジーを巧みに駆使して飛ぶ飛行機」は、公募キャストの武内美津子さん。

音楽は松本淳一さん、振付は森山開次さん、衣装は伊藤佐智子さん。

アメリカ、フランス、最後に日本の選手団が入場

ロサンゼルス2028大会のホスト国のアメリカ合衆国に続き、次回のパラリンピック、パリ2024大会開催国のフランス、そして最後にホスト国・日本が入場。今大会には、過去最多の254人の選手が出場します。22競技、すべての競技にエントリーするのは初めてです。

旗手は、卓球の岩渕幸洋選手とトライアスロンの谷真海選手、日本選手団の最年少は14歳の水泳・山田美幸選手です。一方、最年長は、女子マラソン(視覚障がい)代表の66歳の西島美保子選手。上地結衣選手ら車いすテニスの選手たち、夫婦で出場する廣瀬悠選手、順子選手らの姿も。

[広告]

ブラジルの水泳ダニエル・ディアスは最後のパラリンピック

ブラジルが入場。東京2020大会を最後に引退する水泳のダニエル・ディアス選手がラストのパラリンピックに挑みます。北京2008大会からリオ2016大会まで、パラ水泳の男子選手としては史上最多の24個のメダルを獲得しています。サッカー王国だけに、パラリンピックでも、5人制サッカーは、2004年アテネ大会採用されて以来、無敗で4連覇中です。

史上最強のメダルコレクター、ダニエル・ディアス「パラリンピックは二つとない素晴らしい舞台」

ブータンはパラリンピック初出場。ブータンをはじめ、インド洋の島しょ国モルディブ、南米のパラグアイ、カリブ海の島国グレナダとセントビンセントおよびグレナディーン諸島の5カ国が、パラリンピック初参加です。

メダルラッシュ狙う中国、ドイツの選手団も入場

夏のパラリンピックでは4大会連続で最多の金メダルを獲得している中国。前回のリオ2016大会では、107個の金メダルを獲得しました。248人の大選手団で、東京でもメダルラッシュを狙います。

ドイツ選手団の注目は、3連覇を狙う走幅跳男子のマルクス・レーム選手。「義足のロングジャンパー」は、東京2020オリンピックの金メダル記録、8m41超えはもとより、自らが持つ8m62の世界記録も更新すると意気込んでいます。

ザンビアからは「アルビノ」のムンガ選手が出場

ザンビアからの出場は、陸上のモニカ・ムンガ選手。ムンガ選手は生まれつきメラニン色素が欠乏している「アルビノ」で、視覚障がい。アルビノの人たちを勇気づけるために、東京2020パラリンピックでの活躍を誓っています。

[広告]

サウジアラビアは女性選手が今大会に初めて出場

オーストラリアが入場。卓球女子のメリッサ・タッパー選手は、東京2020オリンピックにも出場しました。11歳でシドニー2000パラリンピックに初出場し、アテネ2004パラリンピックでは金メダルに輝きました。北京2008大会で初めてオリンピックに出場すると、ロンドン2012大会では初勝利を挙げました。

サウジアラビアの旗手は、陸上砲丸投のサラーハ・アルジュマア選手が務めています。サウジアラビアで女子選手が出場するのは、今大会が初めて。

パラリンピック発祥の地である英国、パラ強豪国ウクライナも登場

ウクライナの選手団も登場。リオ2016大会では、中国とアメリカに次ぐ数のメダルを獲得したパラリンピック強豪国です。

パラリンピック発祥の地として知られる英国。1948年にロンドン郊外のストーク・マンデビル病院で、戦争で負傷した兵士の治療の一環として開かれた障がい者のスポーツ大会がパラリンピックのルーツと言われます。

参加断念のアフガニスタン、入場行進には参加

参加断念のアフガニスタンですが、入場行進には参加。旗手はUNHCR関係者が務めました。

イタリアの旗手は車いすフェンシングのベベこと、ベアトリーチェ・ヴィオ選手。リオ2016大会では個人金メダル、団体銅メダル獲得しました。

イランはシッティングバレーボール王国。男子が6つの金メダルを獲得しています。今大会でも、身長2m46のモルテザ・メヘルザードセラクジャーニー選手らが金メダルを目指します。

アシスタントキャストの頭にはプロペラ

アシスタントキャストはアスリート入場時にフィールドでアスリートたちを出迎えるとともに、アスリート入場の誘導などを行います。全国から公募で集まり、パラリンピック開会式にはおよそ360名が参加します。頭のプロペラがかわいいこの衣装をデザインしたのは伊藤佐智子さん。

[広告]

選手入場行進、先頭は「難民選手団」

選手入場行進(アスリート・パレード)の先頭は「難民選手団」。前回のリオデジャネイロ2016大会に続いて結成され、水泳、陸上、テコンドー、カヌーの4つの競技に6人が出場予定。

東京2020大会には、161の国・地域と、難民選手団が参加

国立競技場に現れたパラ・エアポートの滑走路。そして、空港のアナウンスが流れ、会場には、アスリートを歓迎するための音楽が会場に流れます。DJブースが現れ、公募キャストのDJが盛り上げます。

選手団は二手に分かれて登場してきます。最初に難民選手団、その後は日本語の「あいうえお順」に入場し最後に将来の開催国であるアメリカ合衆国、フランス、そして開催国の日本がラストです。

選手団を象徴するように、フィールド上に吹いている風は、この一つとして同じものはなく、それぞれが個性的でユニークな風。リボンビジョンには、式典に参列することができないアスリートも含めて、入場する選手団ごとに今回大会に参加する全てのアスリート名が表示されます。

これはオリンピック・パラリンピックを通じて史上初の試みです。

国歌斉唱は全盲のシンガーソングライター、佐藤ひらりさん

全盲のシンガーソングライター、佐藤ひらりさんが国歌斉唱。衣装は淡いさくら色のドレスに、グラデーションピンクとパイピング仕立ての襟元で、若々しい可愛らしさと美しさを演出しました。

[広告]

マセソン美季さんが日本国旗を運ぶ

4人の子どもたちに先導され、日本国旗が入場します。国旗を運ぶベアラーは日本選手団副団長のマセソン美季さん、パラリンピックで4大会連続で金メダルを獲得した尾崎峰穂さん、新競技のパラバドミントンの今井大湧選手、レスリングでオリンピック4連覇を達成した伊調馨さんら。

流れる音楽は辻󠄀井伸行さんの「風の家 ピアノ&オーケストラ版」。

開会式の舞台は「パラ・エアポート」

開会式の舞台となる「パラ・エアポート」。そこには100人のクルーが働いています。彼らの中には、出演キャストオーディションを通過した障がいのある23名が含まれます。その中には、パフォーマンス経験がはじめての方もいます。クルーの中には、タレントのはるな愛さんや、手話エンターテイメント発信団oioi(おいおい)のユニット「ザ・オイオイズ」の2人の姿も見られます。