朝、目が覚める。
「───わお」
隣で寝ている、赤い髪の女の子。
「な、何故カエデが……」
目を擦りながら布団から出ると、何故か俺は服を着ていなかった。
「ちょっと待って!?」
待て。
なんだこれは。布団の中からはみ出る幼馴染みの肩。この人なんか服着てないように見えるんだけど。
「待って!? 待って待って!? 状況が理解出来ない!? 俺もしかしてヤッた!? いや、なんにも覚えてないけど。寝てる間にモテちゃった!?」
「何が起きたのか、私が教えてあげよう」
「ジニア!? 何故ここに!! いや待てよ、なんかもうオチが読めた!!」
「私は神、ジーニアス」
「デスヨネ!!」
そうだと思ったよ。
「ハッハッハッ、君がモテる訳ないではないか。ハッハッハッ」
「ウザ!! いつにも増してこの人ウザ!!」
「可哀想で非モテの君に、モテる人間の特徴を一つ教えてあげよう。これはアドバイスだ」
夢なのになんなのこの人。なんでこんなに上から目線なの。夢なのに。
「特徴、だと? やっぱりハンターか」
「……いや」
「じゃあ、なんだよ」
「顔」
「最悪じゃん」
もう泣くしかない。
◆ ◆ ◆
朝、目が覚める。
「───わお」
隣で寝ている、金髪の男の子。
「な、何故ジニアが……」
目を擦りながら布団から出ると、何故か俺は服を着ていなかった。
「ちょっと待って!?」
待て。
なんだこれは。布団の中からはみ出る幼馴染みの肩。この人なんか服着てないように見えるんだけど。
「待って!? 待って待って!? 状況が理解出来ない!? 夢じゃないの!? これ現実!? アーーーッ!!」
「現実だよ、ツー君」
「待って!! 状況を整理させて!?」
「僕はジニア。君はツバキ。ここはツバキの家の布団の中」
「そんな事は分かっとるわ!!」
なんでこんな事になってるか聞いてるんだよ。
「大丈夫、僕もパンツは履いてるから」
「何も大丈夫じゃないからね? 起きたら幼馴染みの男が自分の布団で半裸だよ? よく考えて? 全然大丈夫じゃない」
「昨日何があったのか、覚えてないのかい? ツー君」
覚えてないわ。そもそもコレが現実なのかどうかを未だに疑ってるわ。夢であってくれ。
「覚えてない。昨日、確か俺はシーナの奢りで宴会にいって……それから、えーと、覚えてない」
「……そうか」
「辞めて。その悲しそうな顔辞めて。本当に何があったの!?」
「何もなかったよ。僕は今さっきここに来たからね」
「無意味に意味深な態度を取るな!!!」
何なのこの人。凄い怖かったんだけど。何かとんでもない過ちを犯したのかと思っちゃったんだけど。
「───いや、冷静に考えて今さっきここに来た男が半裸で人の布団に入ってるの怖くない?」
「だってツー君が起きないんだもん」
「怖い」
「さて、冗談はさておき。ツー君にお願いがあって来たんだ」
そう言いながら、ジニアは服を着てサラサラの金髪をかきあげる。顔が良い男にのみ許される行為を見せ付けるのはやめろ。
「お願いだ? 俺に?」
「うん。ツー君の畑で作ってる薬草、少し僕に分けて欲しいんだよね」
「何に使うんだよ、なんて聞く程俺も馬鹿じゃないけどな。なんで態々俺の畑の薬草なんだ? 普通に店で買えよ。お前にウチの子はやらん」
「そう言わずにお父さん」
「誰がお父さんじゃい」
俺がそう返すと、ジニアは困ったような表情で頭を掻いた。どうやら本気で薬草が欲しいらしい。
「別に品薄って訳でもないだろ。なんならウチの親は、毎日俺の作った物を売り損ねて持ち帰ってくるぞ」
「……そうだね、強いて理由を言うなら───ツー君の作った物になら僕の命を預けられると思って」
愚痴を零す俺に、ジニアは裏表のなさそうな笑顔でそう言う。
薬草といえばそのまま傷口の手当てにも使えるし、あのクソ苦飲み物───回復薬の素材にもなる植物だ。
ぶっちゃけ雑草みたいな物なので、ありとあらゆる場所にで取れる。態々畑で作らなくても、狩場で現地調達だって出来るような物だ。
それを態々、俺に頼みにくるな。
「まぁ、お父さんがそう言うなら。今日は出直すとします」
「待て」
素直に帰ろうとするジニアに、俺は拳を向ける。一握りの薬草を握った拳を。
「……お前に死なれても困る」
「ありがとう、お父さん」
「誰がお父さんじゃい」
薬草を手渡すと、ジニアは片手を上げながら家を出て行った。だから、イケメンにのみ許される行為を平然とするのを辞めろ。
「……俺には薬草を作る事しか出来ないしな」
数日前、里長やじっちゃんにハンター達が呼ばれてから里のハンター達は皆忙しそうにしている。
それまでみたいに、カエデとジニアと三人揃って話す事も少なくなってしまった。今日はジニアが里に居るけど、カエデがクエストで居ないし。
「いや。……ちょっと出掛けてくる」
「今日は畑はもう良いんじゃないのか?」
俺がそう言うと、両親が部屋から出てきて父親がそう尋ねてくる。俺は、少し考えた後にこう口を開いた。
「ハンターの修行」
「そうか」
「いってらっしゃい」
二人は顔を見合わせて、笑顔で俺を見送ってくれる。
兄が死んでから、俺は塞ぎ込んでいた。両親だって辛い事は分かっていたのに。
俺も、前に進まないとな。
「───と、言う訳でイオリ。ジニアをストーキングするぞ」
「ごめんなさい。意味が分かりません」
俺の提案に、イオリは真顔でそう答える。静かな広場で、主人になってくれる人を待つアイルーだけがニャーニャーと鳴いていた。
「真のハンターになるには真のハンターを知る必要があるとは思わないか?」
「それはそうかもしれませんけど」
「ジニアはクソだが、アレでも優秀なハンターだ。アイツが普段どんな生活をしているのか、どんな修行をしているのかを知る事が出来れば、俺も真のハンターに近付けるんじゃないかと思ってな」
「言っている事が微妙に正しいせいで否定し辛い……」
これにはイオリも苦笑いである。俺は勉強は出来ないが屁理屈は得意だぞ。
「で、本音は?」
「なんでアイツがあんなにモテるのか知りたい」
「……それでこそツバキさんですね。建前がそれなら、僕も付き合います」
お前本当に良い奴だな。
「俺は嘘を吐いてばかりだな」
「嘘を本当にするのが、今のツバキさんの目標だから」
「……そうだな」
それじゃ、行ってみようか。
ジニアストーキング
茶屋。
そんな訳でやってきました、カムラの里一番人気の場所。
今日のお客さんはヒノエさんにアヤメさん、そしてジニアの三人。
どうやらお昼がてらに茶屋に寄ったらしい三人は、別に約束をした訳でもなくただそこに居るので談笑しているようである。
美人な女性二人に囲まれたジニアが羨まし───じゃなくて、ジニアはハンターとしてどう振る舞うのか見せてもらおうか。
「───なので、夜に月を見ながら食べるうさ団子は別格の美味しさなのです」
「それじゃ、夜にうさ団子を取っておかないのかい?」
「いえ、朝も昼も夜も食べます」
「……な、なるほどね」
どうやらヒノエさんはうさ団子の話をしているようだ。さて、ジニアはどう振る舞うのか。
「好きな物はいつ手にしていても幸せになれるから好きな物、なんだと僕は思うよ。アヤメさん、僕はアヤメさんとなら朝昼晩のいつでもご飯を一緒に食べれます。勿論、ヒノエさんとも」
爽やかな笑顔を向けながらそう語るジニア。何この人。お前それ顔が良くなかったら凄くキモい人だからね。
「……ツバキさん、僕は初手で鳥肌が立ちました。あの人ハンターとしては凄いかもしれないけど、人としては絶対に尊敬しちゃダメな人ですよ」
「イオリにそこまで言わせるの逆に凄いな。でも、これはいつもの事だ。アイツはいつもキモい。ほら、次行くぞ」
そんな訳で食事を済ませたジニアを追う。ちなみにジニアの遠回しなナンパは二人に大人の対応で断られていた。気分が良い。
ヨモギは賢いのでジニアの戯言は無視である。ここまでだけなら、ただのキモい奴だ。
───しかし、奴の本気はここからである。
「きゃー! ジニア様よ!」
「ジニア様! 結婚して下さい!」
「ちょっと待って! 今ジニア様と目が合っちゃった!」
里の住宅街。若いというか幼い子供の多い場所へ行くと、ジニアはモテにモテていた。
大人の女性は騙せなくても、子供というのは駆けっこが早い男の子に夢中になってしまうものなのである。そして何よりも顔だ。
ハンターであり顔も良いジニアは、それはもう子供にモテモテである。
「相変わらず凄いね」
「凄いってかもう怖いよ俺は。なんなのこの集まり。宗教?」
道行く子供達に黄色い声援を送られるジニア。満面の笑みで彼が片手を振れば、周りの女子はそれだけで大喜びだ。
「あ、三バカも居る」
ふと、俺は黄色い声援の中にエーコ達三バカの影を見付ける。昔は俺の事を好きだと言ってくれていた三人も、今やあのジニアの虜だ。
どうして。
「……やっぱハンターはモテるのか」
「でも、ツバキさんも今はハンターだよ?」
「そりゃ、便宜上はね。だとして、俺が歩いても同じ反応になると思うか?」
「それは……」
「やってみよう」
「ツバキさん!?」
ジニアが通り過ぎた後、まだ黄色い声援の残る道を俺は堂々と歩いてみる。
「ジニア様! こっち向いてー!」
「ジニア様、今日も背中で語ってるわ。流石ハンターね」
「去りゆく姿も凛々しいなんて、なんて素敵な方なの。これがハンターの背中なのね」
あのー、俺も(便宜上は)ハンターなんですけど。ハンターが通ってますよー。あのー、ハンターさんが目の前を歩いてますよー。
「あ、ツバキングじゃん。何してんの? 散歩?」
「……悲しくなってきたよ」
「どしたの」
結局声を掛けてくれたのは偶々目があったエーコだけだった。俺とジニアの何が違うのだろうか。顔か。
次にジニアが向かったのは、奥様達が集まる里の中心部である。
この辺りは雑貨屋や八百屋等の店が乱立しているので人が良く集まるのだ。
「あらジニアちゃんじゃない。お野菜持っていく?」
「お肉もあるわよ」
「いやね、ジニアちゃんにらお花よお花」
ジニア様、近所の奥様方にも人気だよ。奥様方は取り繕う物もないからね。そりゃそうなるよね。
「あはは、ありがとうございます。それでは、今日はお花を」
「良いわよ良いわよ。好きなだけ持っていきな。お金なんていらないよ」
「いいえ、マダム。お花は気持ちですから。お金は払わせて下さい」
なにマダムって。どこの村の言葉。
花を買ったジニアは、今度は俺が良くイオリと修行をしている広場にやってくる。この人もしかして暇なのか。
「やぁ、ハンターの少年」
ところで今日は丁度行商人のロンディーネさんが広場に来ているようだ。ロンディーネさんはジニアを見付けると、凛とした表情で片手を上げながら口を開く。
「今日は一人かな?」
「はい。麗しの美女がここに居ると噂で」
なにその台詞。怖い。
「ハッハッ、それは一体誰の事だろうか」
しかしそこは流石大人の女性、ロンディーネさん。ジニアのナンパを軽々しく返す態度は圧巻だ。
「あはは、お姉さんの事ですよ」
それに対し表情も変えずにそんな言葉を漏らすジニア。お前の精神力はどうなっている。
それがハンターに必要な物なのか。いや絶対違うだろ。
「ほほう、見所のある少年だ」
騙されないでロンディーネさん。そいつ誰にでもそういう事言うから。そいつの良い所マジで顔だけだから。
「よし、今日は気分が良い。特別にサービスしよう」
「ありがとうございます。それじゃ、このエメラルドリアンを一つください」
「流石にお目が高いな少年。これは新大陸産で、今ある商品じゃ一番の品だ」
そう言いながら、ロンディーネさんはその一番の品をジニアに手渡した。するとジニアは彼女に背中を向けて「次はデートのお誘いに来ます」と片手を上げる。
「……ジニアさんって、普段こんなばかりしてるんですか」
「……これ時間の無駄かもしれない。アイツ何、普段ハンターとして修行とかしてないの?」
昼からずっとジニアの事を観察しているが、ここまでに彼がしている事といえば散歩だ。
暇なのあの人。
「ツバキさんどうします?」
「いや、ここまで来たら最後までやるぞ。正直アイツがモテる理由なんてどうでも良いわ。てか何でアイツがモテてるのか余計分からん。アレがハンターとして正しいとも思えないが……ただ───」
「ただ?」
「───ただ、あまりにも存在が良く分からなくなってきて謎の存在を見てるみたいで楽しくなってきた」
「いや普通にキモいだけの人では?」
イオリが辛辣過ぎる。
とはいえそろそろ日も沈むし、ジニアだってもう少ししたら家に帰る筈だ。それまでは、せっかくなのでストーキングを続けてみよう。
「……どこに向かってるんでしょう。この先って、確か」
もう少しだけ。
そう思ってジニアに着いて行くと、今度は何故か人気のいない場所へと彼は歩いて行っていた。
アイツは人に会ってチヤホヤされるのが生き甲斐の承認欲求の塊かと思っていたのだが───
「───墓地だな」
───それだけでもないらしい。
「お墓参り、ですかね?」
「……アイツの家族はピンピンしてるからご先祖様か? アイツの知り合いを網羅してる訳じゃないけど。そもそも墓参りなんて人間じゃないと思ってた。アイツ死人に興味なさそうな顔してない?」
「ジニアさんの事なんだと思ってるんですか。言い過ぎですよ」
お前もキモいとか言ってたからね。
「……待って下さい、ツバキさん。あのお墓って」
「……なんで」
ふと、ジニアがとある墓石の前で立ち止まる。
ユクモの里では仏様になった遺体は燃やされて、骨だけを墓石に埋葬するのが慣わしだ。
そしてジニアが立ち止まったその墓───
「……兄さんの墓」
───その墓は、俺の兄や先祖の眠る墓である。
「……ツツジさん。僕は、まだ生きてます」
その墓に昼過ぎに買った花やロンディーネさんに貰ったエメラルドリアンという果物を備えて座り込むジニア。
彼は何故か俺の家の墓参りをしていた。
「皆、生きてます。誰も死なせませんよ。僕が。……そして、ツー君が。だから、貴方は皆を守ってください。……僕を、守って下さい」
そう言ってジニアが頭を上げると、ふと別の影が俺の家の墓に近付いてくる。
なんで俺の家の墓参りに親族以外の人が来るんだ。しかも───
「……ミノトさん?」
「こんばんは、ジニアさん」
───集会所の受付をしているミノトさんじゃないか。
「なんでミノトさんがここに?」
「僕に聞かれても。でも、どうやらミノトさんもツバキさんのお家のお墓に用があるようですよ」
イオリの言う通り。ミノトさんはジニアの傍から、俺の家の墓に頭を下げる。
中に私はいませんよ。眠ってなんかいませんよ。
いや、彼女が誰の為に墓に来たのかは何となく察しがついていた。
──ツツジさん? ──
──その人はもう居ませんよ──
集会所で彼女と会った時の会話を思い出す。
ヒノエさんは多分俺の兄の事を知っている筈だ。どういうなかだったのかは知らないが、知り合いの墓ならなにもおかしい事じゃない。
「時の流れは早い物ですね。……彼が逝ってしまって、もう二年が経ちます」
「僕の感覚ではまだ二年です、師匠」
今あの人ミノトの事師匠とか呼ばなかったか?
「……そうですか。ツツジさんが亡くなり、あなたがわたくしに狩人の基礎を教えて下さいと頼みに来た時が、わたくしには昨日の事にも思えます」
「僕は臆病者で怖がりだから、ウツシ教官や他のハンターが怖かったんですよ。だから、ミノトさんにお願いをしたんです。……ツツジさんが亡くなって、ツー君が塞ぎ込んでしまったのに、僕はそれでもハンターになるのが怖かったから」
ジニアのハンターの師匠は、まさかのミノトさんだったらしい。そもそもミノトさんはハンターなのかどうかという話になるが。
アイツが───ジニアがどうしてハンターになったのか、言われてみれば俺はそんな事も知らなかった。
俺が畑仕事をしている間に、ジニアはジニアで修行をしていたのだろう。
逃げて塞ぎ込んでしまった俺を置いて、ハンターになる為に。
でも、なんでアイツはハンターになったのか。
ジニアは昔、カエデよりも泣き虫で俺の背中に付いて回るだけのチビだった。それが、今はモテモテのハンターである。
「それでも、貴方はハンターになりました」
「約束だったから。大切な幼馴染達との」
「しかし、ツバキさんは───」
「僕はツー君を信じてるから。それに、僕にはツー君の気持ちが分かるんだ。……怖くて当たり前なんだよ。大切な人でもなんでも、目の前で誰かが死ぬのなんて怖い。自分が死ぬより怖い」
だから、俺はハンターになるのを諦めた。
ジニアの言った通り、怖いから。
「でも、ツー君は約束を守るよ。そしてその時、きっとツー君は自分が死ぬ事より誰かが死ぬ事の方が怖いと感じると思うんだ。……ツー君は、自分の命を投げ出してでも誰かを助けてしまう人なんだ」
「……ツツジさんのように?」
「だから、僕はツー君を守れるようにランスを貴方から学んだんですよ。誰かを守るツー君を守れるようにね」
「……そんな貴方は、命を賭けてモンスターと戦うのがもう怖くないのですか?」
「怖いですよ。……だからこうして、僕は毎日好きなように生きてるんです。いつ死ぬか分からない仕事ですから。……そんな訳で、今夜一緒にどうですか?」
「……遠慮しておきます」
静かに頭を下げたミノトさんは、ふと空を見上げての「ツツジさんは、立派な方でした」と漏らす。
その言葉は、感情の表現がお姉さんと違って薄い彼女にしては───寂しそうに聞こえたのだった。
「……ツー君も、立派なハンターになるよ」
そして、ジニアはそう言って墓を後にする。
ジニアがハンターになった理由。
カエデもそうだったけど、俺は本当に最低な人間だ。幼馴染み二人を、ずっと待たせてるんだから。
「……おい、イオリ」
「良いですよ」
「まだ何も言ってないけど!?」
「広場でハンターの修行でしょう。あんな事言われたら、今日このまま帰るようなツバキさんじゃないですから」
「付き合ってくれる?」
「勿論」
「愛してる」
「キモいですよ」
「辛辣ぅ」
ちょっとだけ、ちょっとだけだけど、ジニアの為にも早くハンターになろう。
「……ありがとな、ジニア」
俺はそう思うのだった。