ドナルドダックじゃない方

TENET テネットのドナルドダックじゃない方のレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
3.5
なんかいつの間にかノーランの新作はネタバレどころかあらすじの話すら厳禁みたいな感じになってるのでバラしたところで面白さが減ることも増すこともないだろこの映画とは思いますがそこは僕も大人なので。これから基本的に無神経な感じであらすじ込みの感想ですから観る前に情報仕入れたくない! 知ったら死ぬ! だが死ぬ前にお前を殺す! っていう人は僕のためにも今すぐこのページのタブを消して映画館に直行しよう。はい警告しましたよ優しいですね。

自分の確定的な未来を知ってしまうと真面目に生きる気力がなくなってしまう。どうせ死ぬなら何をしても無駄だし、どうせ金持ちになれないなら仕事を頑張っても無駄である。未来は知らないでいい。知らない方が他人や自分のために思い切った行動ができる。これが作品の中核を成すメッセージであり、悪者も悪者の妻もそれから未来人も「自分の未来はこんな風にしかならない」の思考で自縄自縛になっているが、その呪縛をどう解いて思い切った行動を取るか、というのがストーリーの主題だった。
劇中ではアルゴリズムと呼ばれる、なんでも物質の形を取ったソースコードのようなものらしいがいかにも適当な説明だった。未来の人がその物質ソースコードをおそらく事故的に過去に送ってしまったので分散した物質コードがドラゴンボール化。悪者はこれを集めて完成・作動させることで世界全体にエントロピーの逆行現象を広げようとしているらしい。
じゃあなんで未来の人はエントロピー逆行装置を作ったの?というのは、なんでも未来はとても暗いらしいです。環境破壊とか戦争とか。暗いのでじゃあ戻っちゃおうよみたいな感じでエントロピー逆行を考案。どうせ放っといてもエントロピー増大の結果ヒトという種はゼロになるので逆にエントロピー減少させてゼロになるのもいいじゃないの、という心理がよくわからんがこれも台詞でしか説明されないので分かるわけがない。そういうところ雑なんだよノーラン。
結局、蓋を開けてみれば半分当たり半分外れで理屈はよくわからんがなんか面白そうな変なガジェットとか理屈はよくわからんがなんか面白いアクションシーンとか理屈しかわからないがエントロピーの逆行により最初は壮大なはずだったのに終盤になってめちゃくちゃショボイ私的な問題に収束していた。

でもスゴイ映像が観られたのでいいか。スゴイ映像あるからスゴイ映画だと思っちゃうのがノーラン映画なわけです。
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