キューブリックが好むようなシンメトリーは本作ではシナリオの中にあったりした。双対性と構造主義。レヴィ=ストロースの未開社会の婚姻ルール的なあれ。
見えない機序が人間を動かす。同じ行為や会話や関係が相手と場所を変えて何度も繰り返される。その組み替え作業の中で権力関係と社会構造が露わになってくる。この映画がおそろしいとすれば、その構造の強固が個性とか実存とか自由意志の可能性を全否定してしまうところ。
なにせ台詞すら単独で存在することが許されないから徹底している。細かい台詞が伏線とかではなく全て別の台詞とセットになっていたりするから、こんなの書いたり演じたりしてて楽しいのかと思うぐらい(楽しいから撮ってるわけではないと思いますが…)超システマティックなシナリオ。