楽曲よかった。チープでキャッチー、薄っぺらくて楽しくて、キラキラで捻くれていて、シンプルな打ち込み系サウンド、宅録感があって。なんかダンスも含めてへっぽこな魅力がスパーク、お風呂で歌いたい感じなご機嫌ソング。
高校のカフェテリアでみんなで踊るシーンがあるんですがこれが全く整わない。もう少し予算規模の大きな映画なら撮り直すと思いますがそのまま使ってしまう。
なんかそれが良かったな。出てくる高校生が冴えない奴らばっかりだから。そういう奴らの映画で一糸乱れぬプロの群舞とか見せられても嘘じゃんてなるし。でもこれは頑張れば出来そうなダンス、嘘がない。頑張ってやったけどちょっと振り付け間違えちゃったりリップシンクがズレてたりする本気だけどゆるいダンスと歌で、そういうところが琴線に触れる。キュートでチャーミングな映画です。
お話的には冴えない高校生たちがこんな世界つまんないなぁって心の片隅で思ってたら本当に世界が終わっちゃった系のやつ。朝起きたら見慣れたつまらない風景がゾンビでいっぱい。よくあるゾンビコメディならそこから冴えない人たちのある意味天国が始まるわけですが、『アナと世界の終わり』はそのへんも嘘がないというか妙に冷めている。終末世界でも冴えない人は冴えない人、誰もヒーローにもヒャッハーにもなれないで結局体育会系のいじめっ子連中の方がゾンビワールドでも楽しそうにしていたりする。
ゾンビ映画的に盛り上がらないといえば盛り上がらないがこの閉塞感。ゾンビ×ミュージカルの惹句がゲテモノ感を醸し出す本作が意外なほど正統派終末ゾンビ映画の風格を漂わせていたのは日陰をうろつくティーンエイジャーの閉塞感を的確に捉えていたからだった。
とりあえず無人のボウリング場に避難した冴えない男子高校生二人が誰がゾンビになったか話す場面、「ライアン・ゴズリングは?」「死んでも死んでなくてもイケメン」「テイラー・スウィフト」「テイラーはゾンビにならないよ!」すごくどうでもよくてすごく良かった。