渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

道具の使い方

2020年09月29日 | open
 
 
世の中、道具の使い方にしても車の乗り
方にしてもいろんなやり方があります。
例えばこのナイフというものですが、
同じ「
削り切り」においても、ナイフを
並行移動
させて押し切る方法と、ブレー
ドの刃の
「切り代」とブレード断面形状
を利用してスライスさせて切る
方法等、
いろいろあります。
切るケースにより、それは使い分ける。
 
二輪の操縦においても、様々な方法があ
ります。四輪も然り。
これもケースバイケースで、私の場合は
任意に使い分けます
。多くの人も固定的
な一辺倒の操作で
はなく、無意識のうち
に状況に応じた対処
で操縦していること
かと思います。私もそれと同じです。
 
ただ、このようにストリートのツイスティ
ロードのきつい下りの右コーナーで、
わざ
とリヤをスライドさせてフロント
をインに回頭
させるような乗り方は、
あまりやらない
ほうがいいだろうと
思い
ます。
制御下での意識的な短い瞬間ドリフトと
はいえ、舗装路でタイヤを滑らせて
いる
からです。
オフロードの場合はスライドやドリフト
は人間によるトラクションコントロール
と併用させながら実行するのは常識的な
乗り方では
あるのですが、あまり舗装路
では二輪で
やらないほうが無難と
思われます。
実際には、ストリートでも場面によって
は微細に両輪ドリフト
をさせることも
あるのですが、一般論としてはおすすめ
しません。良き手本にはならない。


しかし、これはスリップではなく、意識
的にわざと瞬間的にドリフトさせて向き
を任意に変えています。コントロールを
失っ
たいわゆる「スリップ」ではありま
せん。面圧をかけてタイヤを潰してやや
滑らせる感覚。トラクションコントロール
の範疇の動作です。
そして、向きを変えながら短い立ち上が
りの下りでも加速させて、すぐに切り返
してブレーキングしながらタックインの
体勢に移行しています。
全部細切れのバラバラ動作ではなく、す
べて同時に操作の重なる部分が繋がって
います。
ドリフトやスライドはコントロールでき
ますが、スリップは意図しての操作では
ないため「対処」が必要になり、その分、
本来の「前進」の目的から離れるの
で、結論的には走る為には「要らぬ
事」にな
ってしまいます。
識別と実行の実際の弁別行動が求め
られて来ます。
 
物を使うのは、技法などという大層な
ものではなく、いろんな方法、取捨選択
があります。つまり「やり方」という
類に属するもの。
しかし、そのやり方は固定的観念で決め
つけな
いで、その人なりの最良策を採
ことが
刃物でも乗り物でも怪我しない
コツかと私は思います。
二輪の場合は、上体ガチガチになって
フロントのステアを人間が殺す乗り方、
運転の仕方だけは非常に危険なので避け
たほうが良いでしょう。

一つだけ強調したい概念理解としては、
交通法規とは別次元の問題として、
「遅く走る事=安全」では絶対にあり
ません。これ結構大切。
遅い事が安全値に多く属するので、
「遅い=安全」「速い=危険」と早計に
短絡的に考えがちですが、これは誤認識
です。
120km/h制限の高速道路で60km/hで
走行したら安全どころか危険極まりない
事を犯していることになります。
また、30km/h制限の市街地の路地裏で
80km/hも出したら、これは飛び出し等
があった場合瞬間的に対処できる速度を
物理的に超えてますのでとても危険。
法定速度や規制速度は安全最大公約数
として計算値で設定されています。
速度を守れば安全、犯せば危険という
ことではなく、法規を守るのは当然
ですが、安全への配慮は別な次元の
意識性の問題として存在しているの
です。
危険は遅いか速いかではないのです。
遅かろうが速かろうが、不正確でデタ
ラメでチグハグな操作をしたら危険度
は倍増します。速度が遅くとも危険が
増します。的確に適切で正確な操作を
「操縦」として運転者の意識の制御下
において実行しないと、本当に危ない。
テクなんて無いんです。意識です。

刃物も乗り物も、常にその使う道具と
対話をしながら、どうだろう、どうな
んだろう、と気を張って気遣ってやって、
正確な動作を実行に移す事で危険を回避
することができる事が多いみたいです。
これは経験上。
そのように、極限に集中力を高めて
刃物を正確に適切に扱うと日本刀の
操作でも、いくら抜刀や納刀が速か
ろうが遅かろうが、手を切ったりは
しません。
自動車の運転も相通じる不朽の定理
のようなものが働いていると思います。
多くの方が安全に好きな事をエンジョイ
できることを願っています。



 
 
 

この記事についてブログを書く
« ラグビーにヤカン | トップ | 日本の実寸 »