提供元:静岡市
http://www.city.shizuoka.jp/暗くなり始める時間帯から深夜にかけて、由比港の漁師たちは桜えび漁を行います。通常桜えびは深海に生息していますが、暗夜には群れなして水深20~30mの上層部まで上がってくるので、それを狙うのです。
資源保護のため、3月下旬から6月上旬(春漁)、または10月下旬~12月下旬(秋漁)という限られた季節にのみ行われるこの漁は、2艘1組の漁船が袋状の網を引く船曳網と呼ばれる漁法が使われます。深夜に漁を終えた船が灯りをともしながら由比港に戻ってくる様子もまた、この地方の風物詩。
提供元:静岡市
http://www.city.shizuoka.jp/かき揚げやパスタのトッピング食材として知られる桜えびは、実は貴重な海産物です。現在水揚げが行われているのは静岡と台湾のみ。しかも静岡でも由比、蒲原、大井川といったごく限られた漁港のみです。中でも由比港は桜えび水揚げ高国内最大を誇り、ダイヤモンドのしらす漁、ゴールドの定置網と並び、その美しい色からも桜えび漁はルビーに例えられます。
さて、水揚げされた新鮮な桜えびは、地元の由比では生食も可能ですが、通常は全国に流通して広く知られているように干し海老に加工されます。桜えび干し場は駿河湾にほど近い富士川河川敷にあり、桜えび水揚げシーズンになるとこの場所にピンク色の花畑ならぬ桜えび畑が出現するというわけなのです。
桜えびを敷き詰めたピンクのパレットのような景観だけでもユニークなのに、その背景にはドーンと富士山が!
写真:泉 よしか
地図を見る桜えび漁は深海から上がってくる群れを狙うので、干し場の桜えびをじっくり眺めると、中には時々奇妙な深海魚が混ざっていることもあるそうですよ。
写真:泉 よしか
地図を見る午前中は地面の砂利の熱が桜えびを温め、午後に吹く風が桜えびを冷やし、この相乗効果が照りのある美味しい干し桜えびを作ります。河川敷を利用した干し場の広さは東京ドーム2つ分ほど。晴れた日の朝から午後まで干しますが、干しっぱなしではなく昼前に一度手を入れて、乾燥にばらつきが出ないようにします。
そして桜えび天日干し場でじっくり乾燥させた干し桜えびは、袋詰めにされて出荷されます。市販されている干し桜えびのパッケージの中には、この天日干し場の桜えびと富士山がコラボした景色の写真を使っているものも見受けられます。
写真:泉 よしか
地図を見る干し桜えびは殻ごと食べられて栄養価満点。それに何より驚くほど甘く香ばしいので、ついついつまみ出すと止まらなくなります。サクッサクッとした食感も最高です。ただし、干し桜えびを買う時には、きちんと原料と生産地を確認してくださいね。うっかりすると桜えびのつもりで、外国産の着色した干し海老を買ってしまうことも!?味が全然違いますよ。
それでは実際に見学に行かれる場合に役に立つ情報を記載させていただきます。
【桜えび天日干しが行われる季節・時間】
静岡市由比の桜えび天日干しが行われるのは、桜えび漁の行われる春漁期(例年3月下旬~6月上旬 2018年は4月4日~6月10日)及び秋漁期(例年10月下旬~12月下旬)です。ただし、日照時間や桜えびの生育サイズの関係などから、春漁期の方がメインとなります。時間は業者が桜えびを干し始める朝7時頃から回収する14時頃まで。
【桜えび天日干しが行われる条件】
桜えび天日干しは毎日必ず行われるものではありません。
条件としては、1.前夜に出漁している 2.当日が朝から晴天 という二つが整っている必要があります。
出漁に関しては、原則として毎週土曜日及び祝前日は休漁日であり、天候状態にも左右されます。出漁の決定は出漁日の14時頃にテープによる自動再生電話で確認することが可能。電話番号は、関連MEMOの「静岡市 > 桜えび天日干し情報」のリンク先ページを参照ください。
当日の天候に関しては、天気予報次第では14時を待たずして干してある桜えびを回収することがあります。
また、出漁及び天候の条件が整っていたとしても、干しえびに適した桜えびが水揚げできなかった等業者側の都合で天日干しが行われないこともあります。
【天日干し場へのアクセス・駐車場】
車でアクセスする場合は東名自動車道「富士IC」から約10分。電車ならJR東海道線「新蒲原駅」からタクシー約10分です。詳細な場所は桜えび干し場の写真の「地図を見る」を開いてください。
車を駐車する場合は、河川敷のグラウンド側のスペースまたは海岸側のスペースをご利用下さい。「テトラポット付近」や「出入りをする業者車両の妨げになる場所」には駐車しないようお願いします。
写真:泉 よしか
地図を見る富士山とピンクの桜えびの不思議な絶景を見学した後は、ぜひ旬の桜えびを味わっていってください。写真は由比の食事処「開花亭」の「桜えびづくし御膳」。こちらの食事処には隣接する「割烹旅館 西山」があり、宿泊することもできます(開花亭・割烹旅館 西山に関してはぜひ文末の関連MEMOをご覧ください)。
また、由比港漁業協同組合の運営する「浜のかきあげや」、「由比港漁協直売所」も人気です。
由比でしか食べられないトロトロ生桜えびや、揚げたての桜えびを贅沢に使ったかき揚げ、素材を活かした豪快な漁師メシなど、これらを食べずに帰るなかれ!ぜひじっくり桜えびを味わっていって下さいね。
富士山とお花畑の風景は美しく絵になります。しかし、富士山と干し海老の風景が絵になるのはここだけ!季節限定のこの奇妙な光景を見に、ぜひ由比に足を運んでみてください。
最後に見学の注意点を記します。
桜えび天日干し場の見学・写真撮影は自由です。ただし、干してある桜えびや作業道具に触る、作業している業者の邪魔をする、許可なく人物を撮影するなどの行為や、飲食・喫煙は行わないようご注意ください。ぜひマナーを守って見学くださいね。
<基本情報>
住所:静岡県静岡市清水区蒲原向島地先富士川河川敷
電話番号:054-385-7730(静岡市役所清水庁舎清水区役所蒲原支所 地域振興係)
アクセス:東名自動車道「富士IC」より車約10分
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(2021/8/23更新)
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