写真:泉 よしか
地図を見る開国時代当時に雑居地として指定された神戸の北野にはいくつもの異人館が建てられ、今も異国情緒の趣を色濃く残しています。現在ここで一般公開されている異人館は、休業中のものを含め18館。異人館とともに回りたいテーマ館やミュージアムを含めれば見所は20ヵ所以上にも。
多すぎてどれを見学したら良いか迷いそうですが、今回ご紹介する「8館プレミアムパス」なら、有名な「うろこの家」を始め個性的な8館を効率よく、かつお得に巡れちゃう!
パスの対象は、シティー・ループバスも停まる北野通り沿いの3館、及び坂を登った高台の5館の計8館。徒歩で全て回れます。
まずは北野通り沿いの英国館から入ってみましょう。入口の横にマントと帽子が掛けられているのがわかるでしょうか。そうです、英国館はこれらを着用して、シャーロックホームズになったつもりで見学できる異人館なのです。
写真:泉 よしか
地図を見る「英国館(旧フデセック邸)」は明治40年の建造で、コロニアル様式のバルコニー、ウィリアムモリスのファブリック、イングリッシュガーデンなどの見どころがあり、さらに館内にはシャーロキアン(ホームズファン)が歓喜するさまざまな仕掛けが。
例えばこちらは『マスグレーヴ家の儀式』の描写に基づいて忠実に再現された「ホームズの部屋」。ジャックナイフやペルシャ風スリッパなど、物語の記述を思い浮かべながら探してみると楽しさが倍増。ベイカーストリート221b番地の家のドアや地下鉄のベイカーストリート駅を模したフォトスポットもあるので、颯爽とマントと帽子をまとって写りたいですね。
写真:泉 よしか
地図を見る英国館のお楽しみはこれだけではありません。夕方5時を過ぎると館内にイングリッシュパブ King of Kingsがオープン。昼間は展示物だと思っていたバーカウンターが活き活きと今の時代に蘇ります。
8館プレミアムパスなどの、うろこの家グループのチケットを持っていればテーブルチャージも掛かりません。夜の英国館では、霧の都と呼ばれた時代のロンドンにタイムスリップしたような大人の時間が過ごせますよ。
写真:泉 よしか
地図を見る英国館の隣に建つのは別名「仏蘭西館」とも呼ばれる「洋館長屋(旧ボシー邸)」。明治37年築の左右対称の建物で、元々は外国人向けのアパルトマンでした。
この長屋の最大の見どころは美麗な家具やガラス工芸品。季節ごとにデザインの変わるテーブルコーディネートを含め、数ある異人館の中でも特にここは、ロマンティックな華やかさにかけては群を抜いています。
写真:泉 よしか
地図を見る洋館長屋にはアールヌーボーのガラス工芸品も数多く展示されています。エミール・ガレ、ルネ・ラリック、ドーム兄弟・・・一般的なミュージアムならガラスのショーケースの中に並べられているような作品が、ここでは異人館を彩る調度品の一つとして飾られているのです。
うろこの家グループの他の異人館にも共通することですが、本物が館内に溶け込むように展示されているという贅沢さが醍醐味の一つとなっています。
写真:泉 よしか
地図を見る賑わう北野通り沿いの最後の一軒は、明治35年築造の旧アリソン邸こと「ベンの家」。イギリス人のアリソン氏は冒険家で、この館には彼が収集した珍しい剥製が所狭しと。
3メートルのホッキョクグマ、精悍な白オオカミ、羽根を広げたサイズに驚きの白頭鷲など、今ではもう手に入らない貴重なものも沢山あります。
写真:泉 よしか
地図を見るここからは坂を登った高台の異人館をご紹介しましょう。まずは北野異人館街の中でも代表格とされる観光名所「うろこの家・うろこ美術館」。外観は一見、二つの塔を持つ一つの館に見えますが、実は隣り合った二つの建物なんです。
写真:泉 よしか
地図を見る向かって右の「うろこの家(旧ハリアー邸)」は明治18年頃の建築と伝えられていますが、現在の場所に移築されたのは明治38年のことです。魚のうろこのような天然石スレートで覆われた美しい外壁が特徴で、館内の内装や西洋の陶磁器コレクションも思わず溜息が出るほど。ここは数ある神戸の異人館の中でも、一番最初に公開されたところなんですよ。
一方、左に建つ「うろこ美術館」では、マチス、ビュッフェ、ユトリロ、キスリングといった西洋の画家の作品や、安井賞受賞の画家・堀江優の作品などを展示。企画展も行われるのでリピーターでも楽しめます。
そして「うろこの家」と「うろこ美術館」からの眺めは一見の価値あり。神戸の街と海が一望。まさに急坂を上ってきた辛さを忘れる爽快な景色です。
写真:泉 よしか
地図を見る「うろこの家」の次に紹介するのは明治後期築と伝わる「山手八番館(旧サンセン邸)」。洒落たハーフティンバーとアーチ形の入口が特徴のチューダー様式の建物で、館内にはロダン、ルノワールの彫刻、レンブラントの版画などが展示されています。
しかしこの異人館を一躍有名にしたのはなんといっても「サターンの椅子」の存在。ローマ神話のサートゥルヌス(サターン)の名を冠した赤い椅子には、願いを叶えてくれるという言い伝えが!北野異人館街最強のパワースポットとも言われるこちらの椅子に、あなたも腰を掛けてみませんか。向かって左が男性用、右が女性用なのでお間違えなく。
写真:泉 よしか
地図を見る北野異人館街のパワースポットは「坂の上の異人館(旧チン邸)」にもあります。こちらは今回ご紹介する中では唯一の東洋風異人館。中国領事館として使われた歴史を持つ明治後期築の建物です。
坂の上の異人館のパワースポットは入口近くの狛犬。二匹の間を通り抜けると恋愛運に恵まれるそうですよ。日本の狛犬と違って二匹とも口を開けているので、そのユーモラスな表情もチェックしてくださいね。
写真:泉 よしか
地図を見る「坂の上の異人館」は家具や調度品もシノワズリー(中国趣味)。青磁、紫檀、螺鈿など中国の骨董美術品が数多く展示されていて、今まで西洋風の異人館を見てきた目にはとても新鮮に映るでしょう。王侯貴族になったような天蓋付きのベッドや、陶器のトイレもお見逃しなく。
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写真:泉 よしか
地図を見る最後にご紹介するのはやはり明治後期築の「北野外国人倶楽部(旧フリューガ邸)」。場所は「山手八番館」と「坂の上の異人館」の間です。
ここは神戸港が開港した当時の、外国人が集う豪華な会員制サロンを再現した内装が見事で、17世紀フランスの貴族の館で使われていた木製暖炉や、19世紀のやはりフランスで使われていた馬車などを展示。竈を備えたキッチンも見どころ。
写真:泉 よしか
地図を見るそして8館プレミアムパスだけの特典として、「北野外国人倶楽部」ではなんと本格的なドレスを着用して記念写真が撮れるのです。用意されている上質なドレスは清楚なものから華やかなものまで全部で50着以上。どれを着るか絶対に迷います。
なお、女性用の大人サイズドレスだけでなく、男性用のジャケットや、お子様用ドレスもあります。
ティアラとブーケもコーデして、撮影はミニ礼拝堂の庭園で。カメラはご持参ください。素敵な写真が撮れますよ。
外での撮影に向かない冬季や雨天の日は、館内のダイニングルームでの撮影になります。こちらはまた映画の登場人物になったような雰囲気が味わえて、とても人気があるんですよ。
神戸・北野異人館街のうろこの家グループの特色は、雰囲気の異なるそれぞれの洋館を楽しめるとともに、本物の美術品や骨董品がデザインの一部としてコーディネイトされた内装、定期的に変わるテーブルデザインやプリザーブドフラワーの装飾などリピーターでも飽きさせない工夫にあります。
異人館ごとに異なる特徴や見どころを知ったうえで見学に行けば、より深く楽しめることでしょう。
今回ご紹介した無料ドレスサービスの特典が付く8館プレミアムパスだけでなく、「うろこの家」を含む高台の5館を対象とした5館ハッピーパスや、バス停から近く便利な北野通り沿いの3館を対象とした3館スマイルパスといったお手軽な割引パスもありますので、観光スケジュールにあわせてお選び下さい。
パスは北野通り沿いにある「神戸トリックアート不思議な領事館」下の「うろこの家グループ総合案内所」、または各館の入口で販売しています。
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(2021/8/23更新)
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