BEAUTY / Wellness
日本人特有の控えめな扁平ヒップは、遺伝だけでなく後天的な問題も多く、そのままではもっと残念な方向に。ここでは、発売中の『VOGUE JAPAN』6月号の企画「大きくて上向きが理想! グラマーな美尻術。」から、平らなお尻ができる理由とその脱却方を特別にピックアップ。 お尻改革のために、やめたいこと、始めたいことを、骨盤矯正パーソナルトレーナーの中村奈緒子さんとクラランス スキン スパ GINZA SIX店スパ マネージャーの栗林由佳さんに聞いた。
そもそも控えめでのっぺり薄めの日本人のお尻。年齢を重ねるとどう変わるのか。
「出産や加齢で昔よりお尻が大きくなってデニムがはけない、という人がいますが、実際にはお尻が大きくなったのではなく、お尻の筋肉が衰えて下に下がり、骨盤が横に広がった状態。腿の外側が張り出し、お尻の横に脂肪がつきやすくなるので、のっぺり横広のシルエットに。太ももとお尻の境がなくなります。お尻の下側が広がるので、小さなショーツには収まらなくなっていきます」(中村さん)
人間の体の中でヒップはとても筋肉の大きいパーツ。
「地球上の生き物の中で、筋肉質のライオンより足の速い馬よりムキムキのゴリラよりも、体重比率でお尻の筋肉が大きいのが人間です。四つん這いの動物は腹筋がなく太ももの前側が発達していますが、人間は進化の過程で、お尻、特に大殿筋を発達させることで二本足歩行が可能に。狩猟民族の西洋人はパワーを出すために体幹を意識して後ろ体重になり裏側の筋肉が発達しましたが、農耕民族の日本人は前かがみの動きが多く前側の筋肉が発達。腹筋も弱い代わりに、脚を短くし疲れにくい体に進化した、とも考えられています。DNA的に前側に引っ張られ、意識しないとお尻の筋肉が発達しにくい人種です」(中村奈緒子さん)
体幹が強く骨盤が前傾気味で、後ろの筋肉が発達しやすくお尻の筋力が大きい西洋人。日本人は前側の筋肉が発達し肩が前に入り猫背になりやすく、お尻の筋力も弱い。
体質や無意識の癖、生活習慣で変わるお尻の形。「日本人に多い垂れ尻はエクササイズで結果が出やすい。ピーマン尻はお尻を鍛えて全身の代謝をアップ。ペタンコ尻は食事や歩き方も見直して体質改善を」(中村さん)。ボディケアも悩み別に使用アイテムを変えて。「むくみには循環を促すオイル、たるみには引き締め系クリーム。薄いお尻はまずスクラブ。形を悪くするお尻の凝りや冷えはマッサージでほぐして」(栗林さん)
・猫背で、座っているとき頬杖をつきたくなる。
→背中が丸くなり、骨盤が後傾し、お尻が下垂。
・スカートが回りやすい。
→骨盤の左右どちらかが前後にずれている。
・いつもバッグを掛ける肩が決まっている。
→上半身が傾き、背骨が歪み、お尻に左右差が。
・靴のかかとの減り方が、左右で違う。
→重心が傾き、お尻の筋力バランスに左右差が。
・座ると無意識に脚を組んでしまう。
→内転筋が弱くなり、お尻が伸びて骨盤が後傾。
・歩き方が内股で横揺れする。
→お尻が台形に垂れ、下半身が太りやすい。
・脚を組むと、いつも同じ脚が上にくる。
→骨盤の前後の傾斜が左右で違う=形の歪みに。
・ゴルフなど動きに左右差のある運動をする。
→お尻の筋力バランスに左右差が出て歪む。
・証明写真で歪みを指摘されたことがある。
→背骨がまっすぐでなく、骨盤も歪んでいる。
・仰向けで寝られず、横向きか、うつ伏せ寝。
→反り腰で骨盤が前傾になり、出っ尻に。
・立っているとき、どちらかの脚に重心が偏る。
→お尻の筋力も形も、左右で違う。
・横向き寝で、いつも同じ方を向いている。
お尻の形が歪み、左右の高さが変わる。
これらの日頃の癖により次第にヒップは崩れやすく……。心当たりがあるなら、ぜひ『VOGUE JAPAN』6月号でタイプ別にアプローチできる美尻術をチェックしてみて。
話を聞いたのは……
中村奈緒子(写真右)
骨盤矯正パーソナルトレーナー。産前産後の美骨盤整体&エクササイズを指導するナオコボディワークス主宰。ヨガ、ピラティスインストラクター資格も。著書に『おしりリセットダイエット』(主婦の友社)。
http://www.naokobodyworks.com
栗林由佳(写真左)
クラランス スキン スパ GINZA SIX店スパ マネージャー。クラランス歴13年の豊富な経験と確かな技術でクライアントの悩みに応えるビューティーセラピスト。体に触れれば生活習慣もお見通し。
http://www.clarins.jp
Text: Eri Kataoka Editor: Yu Soga