「ポーラ美術館」このガラス張りの美術館はなぜ箱根の森の中に?

「ポーラ美術館」このガラス張りの美術館はなぜ箱根の森の中に?

更新日:2018/10/12 16:42

泉 よしかのプロフィール写真 泉 よしか 女子目線温泉ライター、キッザニアマニア
ガラス張りの建物が印象的な箱根の「ポーラ美術館」。モネ、ルノワールといった西洋印象派の絵画を中心に、ピカソ、レオナール・フジタのコレクションも充実しています。

美術鑑賞旅や女子旅にもぴったりなこのお洒落な美術館が、なぜ都市ではなく森の中に作られたのか、その秘密に迫るとともに、見どころをじっくりご紹介します。

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ガラス張りの美しい「ポーラ美術館」

ガラス張りの美しい「ポーラ美術館」

写真:泉 よしか

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箱根の仙石原に建つ「ポーラ美術館」は、ポーラ・オルビスグループの前会長が集めた1万点にも及ぶコレクションを収蔵するミュージアム。ここを訪れた人の中には、その充実度から観光地ではなく、まるで都市部の美術館のようだと評する人も。

なぜポーラ美術館は交通の便の良い街中ではなく、箱根の森の中にあるのでしょう。

ガラス張りの美しい「ポーラ美術館」

写真:泉 よしか

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初めて「ポーラ美術館」を訪れる人は、森の中に突然現れるガラス張りの入口に驚くかもしれません。この瀟洒な建物は日本建築学会賞など多くの建築賞を受賞。まるでアート作品の一部のようです。

さらに驚くのはガラス張りの天井からの光を受け、入館者はエレベーターで下へ下へと下りていくこと。

ガラス張りの美しい「ポーラ美術館」

写真:泉 よしか

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実は「ポーラ美術館」の建つ場所は森の中。美術館は土地を掘り下げて作られています。周囲の木々の高さが約8~10mほど。外から見ると森に溶け込んで、入口しか見えないのはそのため。

しかしその分、美術館には自然光が届きにくくなっています。そこで建物全体をガラス張りに。館内は昼間は照明いらずの明るさですが、もちろん美術品の展示室は作品保護のため自然光が入らないよう作られています。

しかも仙石原は火山活動の活発な大涌谷からも近く、硫化水素を含む火山性のガスが流れてきます(人体に影響のある濃度ではありません)。そこで美術館では空気の取り入れ口には高精度の化学フィルターを設置。美術品をしっかり守っています。

「ポーラ美術館」と印象派の画家たち

「ポーラ美術館」と印象派の画家たち

写真:泉 よしか

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箱根の仙石原は数多くの美術館が集まるアートスポットです。しかし前段落で書いたとおり、自然光の取り入れ、火山性ガスなど、必ずしも美術品を展示するのに適した環境とは言えません。

アクセスも、JRや地下鉄でアクセスしやすい東京都内の美術館よりはるかに不便です。

それでは何故、ポーラ美術館は箱根にあるのでしょうか。

「ポーラ美術館」と印象派の画家たち

写真:泉 よしか

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その理由は、この美術館が印象派の作品を多く収蔵していることと深く関係があります。

19世紀のフランスではチューブ入りの絵の具が普及したことにより、画家たちは絵の具やパレットを入れたイーゼルボックスを戸外に持ち出し、それまで屋内のアトリエで制作していた絵画を太陽光の下、郊外の自然の中で描き始めました。印象派の時代の到来です。

「ポーラ美術館」には数多くの西洋の印象派の名画が収蔵されています。中でもクロード・モネ 《睡蓮の池》は必見ですよ!

「ポーラ美術館」と印象派の画家たち

写真:泉 よしか

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緑の森や水辺で印象派の画家たちが、光溢れる明るい色彩の絵画を描き上げた、その環境の中で作品を楽しんでほしい。そういう理由から、自然豊かな箱根の地に「ポーラ美術館」は建てられました。

箱根の自然と美術の共生、この美術館にはそんな願いが込められています。

もちろんこの美術館の見どころは、西洋の印象派の作品だけではありません。エコール・ド・パリや新古典主義の画家の作品、抽象絵画、日本画など多岐にわたっています。

なお「ポーラ美術館」では、一部の作品を除き写真撮影も可能です。著作権の関係から展示室全体が撮影不可の場合と、撮影可の展示室内に撮影不可の作品が点在している場合があります。写真を撮る場合は展示室の入口と、作品ごとの案内パネルの両方を確認しましょう。

「ポーラ美術館」の展覧会

「ポーラ美術館」の展覧会

写真:泉 よしか

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「ポーラ美術館」では、期間限定の展覧会にも力を入れています。

2018年7月22日(日)~12月2日(日)の企画展は「ルドン ひらかれた夢ー幻想の世紀末から現代へ」。19世紀末から20世紀初頭のフランスの芸術家オディロン・ルドン。彼の神秘的で心の内面を見透かされるような印象的な作品を中心に、その流れを受けた現代作家の作品までを展示。

立体的な作品や、マンガ原稿の作品もあり、見応えのあるバラエティーに富んだ展示となっています。

「ポーラ美術館」の展覧会

写真:泉 よしか

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企画展と同時期開催のコレクション展示は「フジタからの贈りもの―新収蔵作品を中心に」。

「ポーラ美術館」はエコール・ド・パリを代表する画家の一人、レオナール・フジタこと藤田嗣治の作品が充実していることでも知られます。

歿後50年を記念したこのコレクション展示では、贈り物として描かれた作品群に焦点を当てています。

「ポーラ美術館」の展覧会

写真:泉 よしか

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また、同期間のコレクション展示には大型インスタレーション作品「増田セバスチャン×クロード・モネ Point-Rhythm World 2018 -モネの小宇宙-」も。

フォトジェニックで幻想的な光景に思わず目を見張ります。インスタ映えもばっちりですよ!

森の遊歩道「風の遊ぶ散歩道」

森の遊歩道「風の遊ぶ散歩道」

提供元:ポーラ美術館

http://www.polamuseum.or.jp/地図を見る

「ポーラ美術館」は、エントランスが2階で、地下2階まで4フロアに渡って5つの展示室とレストランやショップが展開されています。しかし、実は他にも作品を見られるところがあります。

それは美術館の屋外エリア、森の遊歩道「風の遊ぶ散歩道」のこと。

森の遊歩道「風の遊ぶ散歩道」

提供元:ポーラ美術館

http://www.polamuseum.or.jp/地図を見る

20分ほどで森の中の小径を一周することができます。印象派の画家たちがキャンバスに描こうとした木漏れ日を浴びて、どうぞゆっくり歩いてみてください。

美術館の遊歩道らしく、お散歩の途中で彫刻の展示を見つける楽しみがありますよ。

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「ポーラ美術館」のレストラン、カフェ、お土産紹介

「ポーラ美術館」のレストラン、カフェ、お土産紹介

写真:泉 よしか

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歩き疲れたら、一休みできる場所へ。ランチタイムにぴったりなレストラン「アレイ」は1階。企画展のテーマをイメージしたコースメニューなどをいただけます。

軽食やケーキセットをお求めなら地下1階のカフェ「チューン」(写真)へ。広い窓からは一面の緑も見えるスタイリッシュなスペースです。

「ポーラ美術館」のレストラン、カフェ、お土産紹介

写真:泉 よしか

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お土産をお探しなら「ミュージアムショップ」を覗いてみましょう。ここは、ルノワールやモネの有名絵画をモチーフとしたオリジナル商品が充実していることが評判です。

ここでしか手に入らないお菓子や文具など、プレゼントにも自分用にも買いたくなっちゃいます。

「ポーラ美術館」のレストラン、カフェ、お土産紹介

写真:泉 よしか

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名画の複製画も人気ですが、こちらの睡蓮の傘も隠れた人気商品。憂鬱な雨の日も、これさえあればパッと気分が華やぐのでは!

ポーラ美術館の基本情報

住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
電話番号:0460-84-2111
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
アクセス:観光施設めぐりバス「ポーラ美術館」下車すぐ

2018年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。

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