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【ストーリー解析】天体のメソッド 第6話「本当の友達」
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【ストーリー解析】天体のメソッド 第6話「本当の友達」

2014-11-16 00:26

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    天体のメソッド第6話「本当の友達」のストーリー解析を行う。→前回 →次回
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    温もりはゆっくりと胸の内に。

    ■評価
    ★★★ スタンダード、コミカル


    [ニコニコチャンネル]http://ch.nicovideo.jp/sora-no-method

    ■総評
    第6話は、コミカルな温泉回。じんわりと温まるようなストーリーで、前回までの緊張を癒す。また、次回への伏線もあり、ストーリー展開は分かり易くオーソドックス。乃々香の側と汐音の側のストーリーが独立していることや、内容の密度が高くないことから、ストーリーの強度はあまり高くない。ただ、エモーショナルラインでみると、2つの系列は同じフローになっており、ある程度の親和性がある。疲れを癒して、次に備えよう。

    ■基本情報
    原作 - カレイドシフト
    原案・脚本 - 久弥直樹
    監督 - 迫井政行
    アニメーション制作 - Studio 3Hz
    →Wikipedia

    ■登場人物

    [主人公たち]
      古宮 乃々香(こみや ののか) - 夏川椎菜
      ノエル - 水瀬いのり
      水坂 柚季(みずさか ゆずき) - 豊崎愛生
      水坂 湊太(みずさか そうた) - 石川界人
      椎原 こはる(しいはら こはる) - 佳村はるか
      戸川 汐音(とがわ しおね) - 小松未可子

    [乃々香の家族]
      古宮 修一(こみや しゅういち) - 土田大

    ■ドライバー分析
    第6話のメインドライバーは、

    ①乃々香達が温泉に行く(P)
    ②柚季が乃々香に謝り、乃々香が柚季を許す(E-G、L-L)
    ③汐音がノエルと仲良くなる(P-L)

    である。また、サブドライバーとして、

    ④湊太についての説明(P)
    ⑤乃々香や汐音の抱えている問題についての示唆(P)

    などがある。
    第6話は、いわゆる温泉回。前回までと比べるとストーリー構成は非常に単純。また、コミカルな表現が多く、休憩的な位置付けと言える。

    ストーリーは、乃々香系列と汐音系列に分かれており、基本的に独立している。ただし、温泉旅行という舞台は一致しており、また、エモーショナルラインにも共通点があるようだ。

    第6話の形式的ドライバーは「温泉旅行」であり、ストーリーは、汐音や柚季が「霧弥湖温泉ホテル」の宿泊券を手に入れるところから始まる。こういったイベント型の進行は、第3話の「オリエンテーション」と似ている。もちろん、こういったイベントは、ストーリーの枠を作るに過ぎず、メインストーリーはそこで展開される心理的ストーリーということになる。

    [温泉宿泊券を手に入れた汐音と柚季]

    ストーリーには乃々香系列と汐音系列の2つのストーリーがあるが、先に、乃々香の側から見てみよう。

    乃々香の側のストーリーは、ひと言で言えば、「柚季が乃々香に謝る話」。前回、乃々香達に色々なことを謝った柚季だが、「心残り」があったらしく、それを解決するのが今回のストーリーである。

    ストーリーとは逆順になるが、先に説明してしまうと、柚季の「心残り」とは、第4話の冒頭で乃々香に平手打ちをしてしまったこと。ストーリー展開的には、前回謝った事でストーリーは完結しているので、敢えて謝らなくても違和感はない。ただ、それを気にするのが柚季の性格かもしれないし、今回の後半の流れは別の流れと繋がる部分もある。

    [柚季が乃々香を平手打ちした場面(第4話)]

    平手打ちの件を気にしていた柚季は、なんとか謝りたいと思い、こはるに頼み乃々香を温泉に誘う。こはるのサポートもあって、柚季は乃々香を誘う事ができ、なんとか「心残り」を果たす事が出来た。

    [柚季に頼みを聞き、柚季に“平手打ち”をする乃々香]

    宿泊券や、パンチングマシーンなどの細かいギミックはあるが、乃々香系列は、基本的に柚季が謝り乃々香が許すというオーソドックスなストーリーと言える。ストーリーは必ずしもそこで終わりではないのだが、その点については、最後に触れることにしよう。

    さて、次に汐音の側のストーリーを見てみよう。汐音の側のストーリーは、ひと言で言えば、「汐音がノエルにほだされる話」だ。こちらのストーリーは、汐音が福引で宿泊券を当てるところから始まり、汐音がノエルを誘うことでストーリーの形が定まる。特に印象的なシーンを2つ挙げよう。

    1つ目は、露天風呂のある大浴場のシーン。「一緒に入ると嬉しいね!」というノエルに対し、汐音は「お風呂はお風呂でしょ。一緒に入ると何だって言うの?」と言う。それに対するノエルの答えは「ぽかぽかする」だ。

    [温泉に入る汐音とノエル]

    この「ぽかぽかする」は身体面と精神面の両方に係っており、(主語が曖昧な事で)ノエルと汐音の様子をよく表している。今まで、無表情で冷ややかな態度をとってきた汐音だが、温泉の温もりで少し上気した顔は、それが汐音にとっても喜ばしいことをうかがわせる。

    2つ目は、就寝前のシーン。そこで汐音がつぶやいたのは「一人じゃないのは、いつ以来かな」というセリフ。汐音が街で一人暮らしをしていることを考えると、汐音の母は離婚しているか死別しているのかもしれない。ここでも、汐音は「人のぬくもり」を感じているのだろう。ノエルといるときの汐音は、棘が無く、素直になれている。

    [ノエルのとなりで寝る汐音]

    ノエルと汐音の関係は、前回から急速に縮まり、汐音はそのことを半分受け入れている。柚季の時もそうだったが、ノエルの純粋性がそれを可能にするのだろう。

    このように、第6話の2つの系列(乃々香系列と汐音系列)は、いずれも2人(乃々香と汐音)が周りから好かれる話といえる。ストーリーとしてクロスはしなかったものの、それぞれの持っているテーマは似ている。

    もし、第6話が単なる1つのエピソードであれば、上記のような内容でストーリーは終わるだろう。しかし、今回のストーリーはそこで終わりではない。乃々香と汐音のストーリーには、さらに共通点が存在し、それは、各系列の最後の部分に描かれている。最後にその、乃々香と汐音が抱える問題についても触れておこう。

    基本的なストーリーの枠組みから言えば、人に好かれる話というのは、「私も好きです」という形で終わる。今回の話で言えば、乃々香が柚季を許す場面や、お茶菓子を一緒に食べようというノエルに汐音がお茶を淹れるといった場面は、その形式に則っている。

    しかし、今回の各系列の最後を見ると、乃々香も汐音も最終的に「私も好きです」で終わってはいない。それが第6話の特殊な部分と言えるだろう。具体的にシーンを見てみよう。

    まずは、乃々香の側。乃々香は夜中に、柚季から「まだ起きてる?」と声をかけられ、改めて「ありがとう」とお礼を言われる。それは柚季の気持ちのこもった言葉で、演出からもその想いが伝わってくる。しかし、その後、乃々香が取った行動は、寝静まった部屋の中で外を見ながら「ありがとう……、か」とつぶやくことだった。

    [なにか物憂げな乃々香]

    この乃々香の行動からは、乃々香がそれを素直に喜べない「何らかの理由」をもっていることが分かる。それが罪悪感なのか、何らかの欠落なのか、後ろめたさなのかは分からない。しかし、それは乃々香にとって解決すべき問題で、今後のストーリーに関係してくるものだろう。このシーンによって、乃々香の側のストーリーはハッピーエンドから少し離れた終わり方になっている。

    同じように、こういった素直に喜べない理由は、汐音の側にも存在する。帰りのバスターミナルで、汐音は大満足のノエルに「ノエルと汐音は友達だよね!」と言われ、そこでノエルの言った「友達」という言葉に反応する。

    [汐音に「友達だよね!」と言うノエル]

    汐音が「友達」という言葉に反応したのは、それが乃々香のことを連想させたからだろう。

    (このセリフを、過去に乃々香が汐音に言った言葉と同じと解釈するとすっきりする。もしかすると、乃々香と汐音が一緒に写真を撮った時の言葉かもしれないし、写真の裏側に「ともだち」と書いたのも、その言葉があったからかもしれない。)

    おそらく、汐音が抱えた問題は、前回乃々香を「嘘つき」と言っていた件のことだろう。ノエルの言葉に、汐音は「もう2度と、友達なんて作る気は……」と頑なになる。

    それでもノエルがそれを押し切って円盤のクッションをプレゼントしたのは、汐音の問題が解決に向かっているサインだ。今までにも描かれてきたように、汐音は本質的には、「友達」を受け入れたいと思っている。汐音が押しに負けてクッションを受け取ったのは、心境の変化が生まれているからかもしれない。

    [クッションを渡され困惑する汐音]

    このように、各系列の最後の部分には、乃々香と汐音がそれぞれ問題を抱えていることが示されている。その点で2つの系列はよく似ている。

    それらは同じ問題かもしれないし、別の問題かもしれない。これらの問題は今後のストーリーを牽引する重要な要素になるだろう。

    第6話は、2つの系列がクロスしないため、ダイナミックさに欠ける。(ただし、休憩という意味合いでは適切かもしれない。)ただ、ハートフルな展開によって逆説的に、乃々香と汐音の問題を浮かび上がらせている点は面白い。

    今後の注目は、乃々香と汐音がそれぞれ抱えている問題が何なのかである。今回で尺調整はばっちりなので、次回のストーリー展開に期待である。

    ■残された伏線
    残された伏線は次の通り。

    ①乃々香が父親に頼んだ事とは?
    今回のラストシーンで、乃々香は父修一に何かを頼んでいる。それは、乃々香の気がかりや、母親のことと関係しそうである。現状では、その内容は分からないが、父親に頼むという点からすると、遠出するということなのかもしれない。

    [父親に何かを頼む乃々香]

    ②湊太が主役の話は存在する?
    こはるに対する恋心が垣間見えつつも、全力でフラグを折られている湊太。留学という別れも公言しているが、扱いは今のところ小さい。湊太が中心に描かれても誰得な部分があるので、このまま脇役に徹するのかもしれない。

    [怪獣の看板に話しかける湊太]

    ③汐音はなぜ乃々香を「嘘つき」と呼ぶのか?
    ④乃々香と花織の約束とは何か?
    ⑤乃々香の願いとは何か?
    ⑥ノエルや円盤とは何か?
    ⑦乃々香の母親は病気だったのか?
    ⑧汐音の撮ったノエルの写真は伏線?

    ⑨柚季の「今でも戻らないもの」とは何か?

    ■今週のノエル
    あぁ^~今週は温泉でぽかぽかするんじゃ^~。

    [おんせん♪おんせん♪]

    [あとレディースのみなさん。]

    [乃々香君。その服は何かね?]

    ■ストーリー詳細

    (福引会場)

    P 乃々香とノエルが福引に参加している。
    L 一等が「温泉(ホテルの宿泊券)」と聞き、ノエルはおおはしゃぎ。

    F しかし、ノエルが引き当てたのは、ニ等の円盤クッション。

    P その後、汐音がその温泉ホテルの宿泊券を引き当てる。

    (のぞみ亭)

    P 柚季が店番をしながら4枚の温泉宿泊券をながめている。
    L 柚季は乃々香を誘いたいらしい。

    P そこに湊太が帰ってくる。こはるの店を手伝っていたようだ。

    (湖の辺)

    P 汐音が円盤の写真を撮っている。
    P そこにノエルがやってくる。

    (学校)

    L こはるが柚季の代わりに、乃々香を温泉に誘う。
    L 乃々香は、ノエルのために宿泊券が余ってないか聞く。

    (バスターミナル)

    F(L)ノエルは乃々香に「温泉に行けることになった」と言う。

    (のぞみ亭)

    P 柚季は乃々香からノエルの件について連絡を受ける。
    P その様子を湊太が覗き見ている。

    (夜、湊太の部屋)

    P こはるから湊太に電話がある。

    (温泉当日、乃々香の家)

    P 乃々香が出発する。

    (霧弥湖温泉)

    L 柚季が先に来ている。柚季は乃々香に言いたいことがあるらしい。
    L そこに乃々香が到着し、柚季は何かを言いかける。
    F しかし、そこにこはるが来てタイミングを失う。

    P こはるによると、湊太に店番を頼んだらしい。

    (売店)

    P 売店に円盤まんじゅうが売っている。

    P 汐音とノエルもホテルに到着する。

    (客室)

    P 柚季がさっそく温泉に行こうという。しかし、温泉はまだ準備中。

    (ゲームコーナー)

    P 柚季と乃々香がパンチングマシーンをする。
    P 乃々香がすごい点数を叩き出す。

    LF 柚季は乃々香に話したいことがあったが躊躇する。

    P パンチングマシーンは壊れていたようだ。

    (湖の辺)

    L 柚季がやっぱり後回しにできないと乃々香を連れて行く。

    L 柚季は乃々香に幼稚園跡でビンタしたことを気にしていたらしく、おあいこにするために殴って欲しいという。
    L 乃々香が柚季に優しくビンタし、柚季の事を許す。

    (しいはら本舗)

    P 湊太が「誘ってくれてもいいのに」と嘆く。

    (汐音とノエルの泊まっている部屋)

    P ノエルは汐音に一緒に茶菓子を食べようという。

    (露天風呂)

    P 柚季、こはる、乃々香が露天風呂に入る。
    L 乃々香は誘ってくれた事にお礼を言う。

    P 入れ替わりにノエルと汐音が露天風呂に入る。
    L ノエルは温泉に大満足。
    L それを汐音も喜ぶ。

    (乃々香達の部屋)

    P こはるが湊太にお礼のメールを送っている。
    P だが、こはるは湊太のことを異性としては気にしていないらしい。

    (汐音たちの部屋)

    L 汐音は「一人じゃないのはいつ以来だろう」とつぶやく。

    (乃々香達の部屋)

    L 夜中、柚季が乃々香に改めて「ありがとう」と言う。
    F だが、乃々香は何か気にしていることがあるらしい。

    (翌朝、ホテル前)

    P 乃々香達が帰る。

    (バスターミナル)

    L ノエルが汐音に「友達と一緒だからすごく楽しかった」と言う。
    F 汐音は「友達なんてもう作らない」と気にする。
    L しかし、ノエルが汐音に円盤クッションをプレゼントし、汐音はそれを喜ぶ。

    (乃々香の家)

    P 乃々香は父に「お願いがある」と真剣な表情で言う。

    (つづく)

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