写真:泉 よしか
地図を見る青森県と秋田県の県境・碇ヶ関。この辺りは元々、陸奥国津軽藩の碇ヶ関御関所があった場所であり、黒鉱などを産出する鉱山も多い環境にあります。
平川の支流の沢沿いに建つ古遠部(ふるとおべ)温泉は、途中の道路は未舗装、携帯電話・スマホの電波も繋がらないというなかなかの秘湯っぷり。それはすなわち本物の自然に囲まれているということでもあります。
しかしそれだけ不便な地にありながらも、お湯の良さから足を運ぶ人は絶えず、いつもお風呂はほぼ満員。大盛況です。
写真:泉 よしか
地図を見る東日本大震災前はまったく宣伝ということをしていなかったこの古遠部温泉。やってくるお客さんはほぼ口コミと地元の人ばかりでした。温泉ファンの間では既によく知られた温泉でしたが、震災後にテレビなどにも出るようになったことから、ますます遠方からのお客さんも増え、ご主人は「これは廃業するわけにはいかない」と決意を新たにされたとのこと。
浴室は決して広くはなく、浴槽も4、5人は入ればもういっぱいのサイズ。にも拘わらず、常連の入浴客は一度入るとさっぱり上がらない・・・それこそもう、何時間でも入りっぱなしだといいます。もちろん湯船にずっと入っているわけではなく、出たり入ったりしながらその多くの時間を浴室の床に寝転がって過ごす人が多いのです。
みんなが洗面器を枕に、ごろごろと横になっている姿を群れなすトドに例え、トド寝という言葉がここから生まれました。なんと古遠部温泉の脱衣所には、トド寝をするときは他のお客さんの迷惑にならないように場所を譲り合って下さいという注意書きまで貼られています。
提供元:古遠部温泉
http://www.furutoobe-onsen.com/それほど多くの人を引き付ける秘訣はやはりこのお湯、そして小さな浴槽から贅沢に溢れる湯量にあります。毎分500Lも湧くお湯をそのままあの小さな浴槽に注ぎ込むのですから、入れる端から溢れてトド寝をする床にじゃんじゃん流れていくのもわかるでしょう。何せ常に床にはさざなみが立っていますから!
泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉。お湯の色は少し緑色がかった茶色で、うっすらと底が見える程度の濁り湯です。温度は熱すぎずぬるすぎずちょうど良いくらい。ふわっと金属臭が肌にまといつきます。
提供元:古遠部温泉
http://www.furutoobe-onsen.com/古遠部温泉は時間に厳しいことでも知られています。宿泊する場合は絶対に午後5時までに到着することがルール。
これにもちゃんとわけがあるんです!携帯電話もつながず灯り一つない道を来てもらうので、危険が無いように明るいうちに到着してほしいというのが一番の理由です。
さらに夕食時間は5時15分から。こちらも時間厳守。昔の湯治場では疲れを取るために早寝をするよう心掛けていました。これに倣って早く休んでほしいから、そして夕食後は人里から離れた静かな空間を満喫してほしいからと、きちんと考えられた規則なのです!
碇ヶ関のユニークな秘湯・古遠部温泉、いかがでしたでしょうか。
こちらのお宿は宿泊はもちろん、日帰り温泉としても楽しめます。
日常を離れ、ドバドバ源泉の湯船から豪快に溢れるお湯を堪能して、さらに常連の方に混ぜてもらってあなたも噂のトド寝を体験してみませんか!
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(2021/8/21更新)
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