写真:泉 よしか
地図を見る榛名山の西側に美しい山容を見せる浅間隠山。この山ふところに一軒宿の秘湯、かやぶきの郷 薬師温泉旅籠が建っています。
まず入口の薬師温泉長屋門が立派な茅葺で、ここから先はまるで時代劇の中に入り込んでしまったような雰囲気。郷内は日本各地から移築されたかやぶき家屋が点在し、どちらを向いても絵になるスポットばかり。思わずシャッターを押してSNSに投稿したくなっちゃうかも!
敷地はとても広く約7,000坪。もし足の不自由な方がいらっしゃるようなら電動カートを借りることもできますよ。
写真:泉 よしか
地図を見るチェックイン手続きなどを行うメインフロアは本陣と呼ばれています。田舎風でありながら和モダンを感じさせるしつらえはとてもお洒落。本陣のくつろぎ処には薪をくべた囲炉裏が置かれ、しみじみとノスタルジックな風情を演出してくれます。
写真:泉 よしか
地図を見る囲炉裏はこの薬師温泉旅籠の重要なアイテム。本陣だけでなく、夕食や朝食をいただくかやぶき家屋の食事処「濱田邸(写真)」または「小林家」では、囲炉裏を使った本格的な炭火焼きのお料理と鍋の両方が楽しめるんです。
炭火の火には何とも言えない温かみがあります。地物、旬のものに拘った食材を囲炉裏を使って目の前で調理しながら食事ができるというのは、とても贅沢なことではないでしょうか。
濱田邸も小林家も建物そのものが見どころですが、特に合掌入母屋造りの濱田邸は、陶芸家の濱田晋作氏と人間国宝の父、濱田庄司氏が晩年一緒に暮らした家屋を栃木県益子町より移築したもの。濱田庄司氏の陶芸作品が展示されているところにも注目です。
写真:泉 よしか
地図を見る「かやぶきの郷 薬師温泉旅籠」には「やすらぎ館」と「せせらぎ館」という2棟の客室棟があります。まず「やすらぎ館」からご紹介しましょう。
8室からなるこちらは、全室が広々とした和室二間続きで半露天風呂付き。古民家に泊まっているような昔懐かしい雰囲気が特徴です。お部屋の箪笥や壷はひとつとして同じものはありません。
写真:泉 よしか
地図を見る「やすらぎ館」の客室付き半露天風呂は、窓を開け放てば清々しい風と森林の景色が!
実はこちらのお風呂に入れるお湯は温泉ではありません。そう聞くと「えっ」と驚かれるかもしれませんね。でもこれは、温泉を大切にしているからこそなのです。
多くの温泉が地中深くボーリングして人工的に汲み上げられるのに対し、薬師温泉のように自噴している温泉はそれだけで貴重なもの。この限られた源泉は大浴場薬師の湯などで存分に体感していただくとして、「やすらぎ館」のお部屋のお風呂では違った趣向が楽しめるようになっています。
お部屋で入ることができるのは、清冽な山の湧水に、血の循環の活性化を促す「当帰」など漢方の薬草を入れた薬湯。使われる薬草も地元吾妻産です。薬師温泉旅籠は天然温泉と薬湯の両方が楽しめるお宿なんですね。
写真:泉 よしか
地図を見るもうひとつの「せせらぎ館」は温川の渓流沿いに建つ19室の新棟。通路を街道に見立て、各お部屋には宿場町の名前が付けられています。テラスから滝と渓谷を望むことができるのは永井宿や大笹宿などのお部屋。この他にメゾネットタイプの塚原宿といったお部屋もあります。
写真は神山宿タイプのお部屋で、玄関と囲炉裏の間を廊下が繋ぎます。この廊下があるだけで、まるで一軒家にいるようなゆとりも。
写真:泉 よしか
地図を見るせせらぎ館の19室のうち18室には全て囲炉裏があります。囲炉裏がある風景というのも郷愁を誘うとともにどこかお洒落ですね。囲炉裏端には浴衣姿がとてもよく似合います。
写真:泉 よしか
地図を見る大浴場の薬師の湯は宿泊者専用の内風呂。男湯、女湯ともに窓に沿って浴槽が3つ並び、端から天然温泉掛け流し、ゲルマニウム温浴、寝湯となっています。
窓がとても広く渓流を見下ろすことができますが、窓ガラスにはフィルム加工がしてあり、外からは見えないのでご安心を!
写真:泉 よしか
地図を見る薬師の湯でぜひとも入って頂きたいのはなんといっても源泉掛け流し湯。薬師温泉の神髄はまさにここに!薄めたり循環したりしない自噴したままの100%源泉を、湯口から惜しみなく注いでいます。
泉質はナトリウム・カルシウム―塩化物・硫酸塩温泉。少しぬるめのお湯がじんわりじっくりと優しく体を温めてくれます。するするとまるで絹を滑らせたような極上の肌触りが絶品!ぜひ湯上りのお肌のなめらかさにも感動してください。
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写真:泉 よしか
地図を見る「かやぶきの郷 薬師温泉旅籠」にはもう1ヶ所忘れてはならないお風呂があります。それは渓流に向かって張り出した滝見乃湯。まさに美しい露天風呂と呼ぶにふさわしいところです。
木々の緑を映しこむこの絶景ロケーションの露天風呂は、さながら一幅の絵のようでもありますが、お湯につかって景色を眺めていると、木々を揺らす風、絶え間なく流れ落ちる滝の音などを全身で感じることができ、四季折々の贅沢極まりない時間を約束してくれるでしょう。
写真:泉 よしか
地図を見る上州吾妻の秘湯の一軒宿「かやぶきの郷 薬師温泉旅籠」は、日本の昔懐かしい景色に出会える温泉旅館です。ぜひ囲炉裏を囲んでゆるやかな時間を過ごしたり、美肌効果の高い自噴天然温泉で心癒されてください。今回ご紹介したお風呂の他に、郷の湯という薬湯の温泉棟や、ペット宿泊施設「ポチとニャンコの家」、そして職人が丹精を込めて打つ、手打ち蕎麦処"まくらぎ"といった施設もあります。
かやぶきの郷内には移築した古民家が点在し、江戸時代から近代にかけての4,500点以上の古民具が展示されています。日帰りで見学することもできますが、宿泊の際は早めに到着して、ゆっくり郷内を散策されることをお勧めします。
かやぶきの郷の日帰りに関しては、文末の関連MEMOのLINEトラベルjp 旅行ガイド記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。
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(2021/8/21更新)
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