12月26日、東京タワーの麓にある秘密結社の本部のホール。半裸状態の男は、秘密結社の起源である石工にまつわる寓話を再現する寸劇で、殴られる役を演じ、宣誓した――。
実はこの男性、国際的アクション俳優の千葉真一(81)だったのである。
「私もフリーメーソンに入りたい」
千葉がそう言い始めたのは2019年7月頃のこと。
「フリーメーソンは、初代のジョージ・ワシントンをはじめ10人以上の歴代大統領がメンバー。『米1ドル札に描かれているピラミッドの絵はフリーメーソンのシンボルであり、世界を牛耳る秘密結社』などと様々な都市伝説が囁かれてきた。現在、世界で600万人以上の会員がいますが、他のメンバーや儀式の内容を決して外部に漏らしてはならないという“鉄の掟”があります」(フリーメーソン関係者)
日本では1957年に本部が設立され、現在「ロッジ」と呼ばれる支部が15あり、約2000人いる会員のうち日本人は200人ほどで、他は米軍関係者がほとんどだという。
一体、彼らは何をしているのか。
「主な活動は月に1度行う定例会や儀式です。他にも被災者支援など社会奉仕をしています。また、入会条件は成人男性であり、既会員2人が保証人になること。支部によっては会員の全会一致が必須とされています。入会金は4万5000円で、年会費は8000円です」(同前)
千葉は20年1月、東京の支部で行われた食事会に“候補生”として参加した。
「他の会員の賛同を得るために、積極的に話しかけていました。しかし、『芸能人なので交友関係が不安』『過去に借金騒動があった』と千葉さんの入会に否定的な会員もいた」(同前)
そんな状況を変えたのは、12月17日の文化庁長官表彰。この受賞で、支部に所属する二十数人から許可が出たという。
そして、冒頭のような「参入の儀礼」が行われたのだ。儀式に参加できなくても、千葉の姿を見たいという他の支部から20人以上の会員が集まった。
「儀礼の後、別の部屋で食事会がありました。千葉さんはホッとした様子で、会員たちと談笑。記念撮影にも快く応じ、何度も笑顔で撮影していました」(参加者)
ここ数年は俳優として目立った仕事がない千葉だが、周囲に「沖縄やモンゴルを舞台にした映画の構想がある」と“夢”を語っている。
「現地にも行ったそうです。演技未経験の私に『君が主演というのはどう?』と声を掛けて、出資を求めてきた。もしかしたら入会することで、出資する仲間を探そうとしているのかもしれません」(千葉の知人)
千葉本人に話を聞いた。
――参入の儀礼をした?
「あぁ、あの、ちょっとやり方を聞いて予行演習をしただけです。とっても難しいことがあるので」
――どうして入会を?
「友達や、まわりにそういう人たちが何人もいたんで、いろいろと興味津々、探索しているところです」
フリーメーソン日本本部に千葉の件を尋ねると、
「個人のことですので、お答えできません」
千葉はフリーメーソンらしく“秘密”を貫くのかも。
source : 週刊文春 2021年1月14日号