千五百七十七年 六月上旬
とにかく時間を要した出陣とは対照的に、静子の帰還はあっさりとしたものだった。
元々期間が七日のみと定められており、途中で退場することが折り込み済みであったためか、戦後処理等を全て丸投げにして尾張へと帰投する。
本来であれば京に立ち寄って近衛
「お帰りなさいませ静子様。諸々準備が整っておりますれば、まずは長旅の疲れをお流し下さい」
「ありがとう。お風呂が恋しかったところだから、早速頂かせてもらうね。留守中は変わり無かった?」
「特別にご報告差し上げねばならないようなことはございません」
留守を預かる彩の頼もしい言葉に安堵すると、静子は旅装を解いて風呂に浸かり、その間に準備されていた食事を取る。
食後のお茶を味わいつつ、深く息を吐き出してやっと自分の家に帰ってきたのだという実感がわいた。
自室に戻った静子は少々だらしないとは思いつつも、床に大の字に寝そべって思い切り手足を伸ばして天井を見上げた。
静子が全身を使って自宅の気楽さを堪能したころを見計らったかのように、小姓から来客を告げられる。
慌てて身繕いをした静子は、小姓に客を通すように返すと、それほど間を置かずに一人の男が穏やかな笑みを浮かべながら入ってきた。
「
「ええ、構いません。お願いします」
静子に正対して座した男は、静子軍の諜報を一手に担う真田昌幸その人であった。彼はにこやかな表情のままにとんでもない爆弾発言を投下する。
「今回の騒動に於ける真の狙い、それは静子様の暗殺にあったようです」
「なるほど。矢面に出てこない私を引きずり出すため、教如に暴挙を起こさせたという訳ですか」
露骨に殺気を
「従来五摂家の間にはそれほど大きな格差というものがなく、互いに絶妙な均衡を保っておりました。それが今や近衛家の完全な独り勝ち状態となり、他四家との間に明らかな格差が生まれております。また近衛家に近い鷹司家も影響力を伸ばしており、残る三家としては面白く無い状態となっています」
「それで近衛家が飛躍する端緒となった私を排除すると? 余りにも短絡的すぎますし、そもそも義父上を侮り過ぎです。確かに近衛家とは緊密な関係にありますが、たとえ私が命を落としたからと言って、その屋台骨が揺らぐようなことはありません」
近衛家は他の五摂家と異なり、静子の手掛けた産業に対して出資を行っており、確固とした経済基盤を築き上げている。
そこで得られた利益をさらに再投資して資金を増やし、今や公家の間では無くてはならない情報源となった『京便り』を発行するメディア王となった。
継続して利益を享受できる体制を構築し、かつこれまでに無い定期新聞による情報支配を勝ち得た近衛家は盤石だ。
この頃は軍備にも力を入れ始めた近衛家に隙は無く、直接的な暴力に訴えられても対処できる状況となっている。
「事前に掴んでいた情報では朝廷、
「流石は権謀術数の渦巻く伏魔殿で生き抜いた方々ですね、我々はまんまと出し抜かれたという訳ですか。判り易い餌を目に付くところに置いて、本来の目的を隠すのは基本。しかし、彼らを出し抜いた気になっている我らには効果
「はい、二条家当主の
証拠不十分というのは表向きの物であり、当然のように前久は処罰に足りうる証拠を確保している。しかし五摂家の半数以上を巻き込んだ不祥事となれば、朝廷での力関係が一新されてしまい予測不可能な勢力の台頭を許しかねない。
そうした裏事情もあって九条家や一条家については意図的に見逃され、首謀者であった二条家のみにターゲットを絞っている。とは言え、お咎めなし等といったことは当然あり得ない。
九条家や一条家の持っていた各種利権や特権などの多くを取り上げられ、長きに亘って蓄財していた財産も吐き出させられている。その上に監査役という名のお目付け役が常駐することを飲まされていた。
「
「たとえ
「足満おじさんは滅多なことで怒らないんだけれど……
「彼らも此度の一件で、我らの手が如何に長いかを思い知ったのでしょう。隠し事が通じないとなれば萎縮してしまうものですよ。
「天の代理人たる帝に逆らうと、天罰が下るという事を知らしめることにはなったでしょう。上空からの攻撃があるという事が、常識の
「
都合の良いように噂を操作した張本人が抜け抜けと言い放つ。これは天罰であり、神仏に仕えるべき僧が天子に弓引くことがどのような結果を招くかを印象付けている。
「噂はそれで良いとして、教如たちが籠城を選んだ理由は判りましたか?」
「はい。元より石山本願寺は難攻不落の要害です。御身の助力を得られる期限を耐え忍べば、朝廷側より和睦の申し入れがある手筈だったようです」
武田を破った立役者たる静子をして落とせないのであれば、長期化するほどに戦費が重く伸し掛かることから帝を説得して和睦に同意させることも難しくはない。
本来籠城というのは援軍が来る当てがあって成り立つ戦法なのだが、僅か七日間を耐え忍べば良いのであれば十分に分の良い賭けである。
「先ほど齎された報告によりますと、教如たちは補給の用意すらなく持ち込んだ物資のみで耐える手筈だったようです。期限ありきで戦闘にも消極的であれば、十分に凌げる見込みだったのでしょう」
「如何に情報伝達が遅いとはいえ、そろそろ我が軍に対して城壁がそれほど堅固な防壁となり得ないことぐらい伝わりそうなものですが、彼らは情報収集を怠ったのでしょうね。二条家からすれば七日間さえ教如が耐えてくれれば、和睦はならずとも良かったのでしょう。食糧すらない懐事情は知られているわけですし、如何様にも料理できますね。知らぬは教如ばかりなりと言うわけですか……」
哀れですね、と静子は小さく呟いた。
後に『本願寺の乱』と呼ばれることとなる騒動は一段落した。戦後処理については信長と前久が請け負ってくれているため、静子は再び後方支援を総括することとなる。
因みにかつて信長が認めたように、宗教としての本願寺派は存続を許されているのだが、今回の騒動によって信徒は大きく二つに分かれることになった。
即ち顕如及び
しかし、今回の『本願寺の乱』が信徒に与えた影響は大きく、大多数が西本願寺派となり東本願寺派は少数の過激派が集う先鋭的な組織となった。
これに対して信長は本願寺そのものに対して既に興味を失っていた。政治に対して色気を出さないのであれば、二つに割れようが三つに割れようが構わない。
お目こぼしの範疇を超えた途端に、徹底的に弾圧すれば良いというのが彼のスタンスだ。武装勢力としての本願寺が潰えたことで、長く争い続けた織田家と石山本願寺との対立に終止符が打たれることとなる。
これによって朝廷を近衛家が主体となって掌握し、畿内に於ける織田家の支配は盤石なものとなった。
「とりあえず中央は押さえたけれど、西にも東にも課題が残るね。毛利を何とかしないと九州なんて、とてもとても」
「毛利も随分と粘ってはいるが、徐々に押されているようだな」
自室に備え付けた書棚を整理しながら呟いた静子の言葉に、居合わせた長可が軽い口調で応じる。日ノ本の勢力図は着々と織田家の色に染められている状況だ。
西国最大にして最後の大国と言われる毛利家も明らかに旗色が悪い。如何に強固な支配体制を築き、数多くの勇猛果敢な将兵を抱えていようとも、それだけでは今の織田家には抗しきれない。
現時点で積極的に毛利征伐に関与しているのは秀吉軍のみだが、これに対抗するために毛利は全軍で当たっている状態だ。毛利には余力が少ないが、織田軍には第二第三の矢を放つ用意がある。
「毛利家は配下の国人同士がそれぞれに力を持っていて、それらの意見を纏める合議制を取っている。でも、事態がここまで
「そんなものか」
「興味なさそうね、勝蔵君は」
「俺に政治的手腕を期待する方が悪い。そもそも森家は兄が継ぐのだ、弟の俺が政治に明るいとなれば良からぬ欲をかく輩も出てくるだろう」
「確かにそうね。上様の覚えが目出度く、
「だろう? だから俺は政治に興味を持たず、兄貴の矛であれば良いのだ。兄貴が頭で俺は腕だ。それで良い」
「随分と勝手に動く腕だけれどね」
そう言って静子が苦笑していると、開け放たれた戸を叩く音がする。
「何やら楽しそうなところ悪いんだが、少しいいかい?」
静子と長可の会話に割り込んできたのは慶次であった。普段は会話が途切れた頃合いを見計らって声を掛ける慶次が割って入ってくるほどだ、緊急の要件なのかと思った静子は慶次へと向き直る。
「実は四六が
「制止するという選択肢は無いのですね?」
「俺がやらすのならまだしも、四六が自ら望んだことだ。それを危険だからという理由だけで静っちは止めないだろう?」
からかい混じりの静子の問いに慶次が見事に返してみせる。四六も元服を迎え、己の事は己で判断していかねばならない。親である静子がいちいち口を挟んでいては、彼の成長を阻害することとなる。
明らかに四六にとって害悪となるならば止めもするが、危険を認識した上でそれでも尚やりたいと思ったのであれば、安全対策を講じはしても止めることはしない。
「頸椎、首から頭にかけての大怪我だけはしないように気を付けてくださいね」
「ああ。四六次第ではあるが、加減が出来る者と取り組ませるし、最初は俺が胸を貸すからな」
了承を得た慶次は、軽く己の胸を叩いて静子の部屋を後にした。個人の武勇がそれほど重要とされない時代を前にして、四六が何を思って角力をしたいと考えたのかに静子は思いを馳せる。
しかし、女である自分には理解しづらい男の世界も有ろうと納得する。上下関係を超えた体のぶつかり合いで育まれる関係性もあるのかもしれない。そう思い直した静子は、目の前の仕事に立ち戻った。
「……何処でも食糧難が問題になっているね」
「毛利か?」
静子の部屋に置かれている各国の戦況を示した模型を動かしながら長可が問いかける。静子の許には兵站に関するあらゆる情報が集まってくる。
この処、動きが少なくなっている北条に対し、毛利に関する報告書は数倍に達する勢いで届けられていた。これは北条に関する情報を軽視しているのではなく、北条全体が機能不全を起こしており、報告すべき事象が少なく活動事態が緩慢になってきているためであった。
これに対して毛利は活発に動き回っていた。現時点での最前線は秀吉軍が攻めている強固な守りを持つ鳥取城となり、火砲を扱える兵のいない秀吉軍はこれに手を焼かされていた。
鳥取城を預かる城主は
しかし、領地経営に行き詰まり領土問題でも紛糾していた吉川はこれを承諾する。そして手勢の家臣数百名を従えて鳥取城に入った吉川は、たちまち問題に直面した。
それは城内に備蓄されていた兵糧が彼の予想を超えて少なかったことである。これでは籠城はおろか、兵を維持するのもままならないと焦った吉川が兵糧米を集めるよう配下に命ずるも、付近一帯は不作続きで思うように米が集まらなかった。
軍需物資の根幹である米が足りないのだから、矢玉や武具などは推して知るべしである。軍馬も多くは売り払われたのか、最低限の伝令を除けば騎馬隊を編成することすら出来ない有様だ。
「供給不足であるため米を売れば軍備は手に入る。代わりにただでさえ少ない米が底をついてしまう。しかし、吉川には秀吉軍が十月には撤退するであろうと言う目算があったの」
「例年通りであれば十月には初雪が降る。そのまま雪が降り続けば、秀吉軍とて兵を引かざるを得ない。静子の良く言う『希望的観測』って奴だな。愚かなり、天候が人の思うままになるはずが無かろう」
「朝廷が所持している資料や、間者たちにも調べて貰った結果を総合すると、ここ数年は十月頃には雪が降り始めていたそうよ。『二度あることは三度ある』って言うし、期待する気持ちも判るんだけどね。逆に『三度目の正直』って言葉もあるんだけどね」
「となれば、勝利を左右する要因は夏の終わりの収穫時期だな」
収穫された米を手に入れられれば、多少降雪が前後しても鳥取城側の粘り勝ちが見えてくる。逆にそれまでに鳥取城を落とせれば秀吉軍の勝利となる。
兵糧の備蓄に心配がなくなった鳥取城を、秀吉軍だけで攻略できると静子は思わない。元より地の利は相手にあり、更に時間的制限まで加われば焦って損害が増えるというものだろう。
「毛利家からの援軍が期待できない状況で、吉川が無理に打って出るとは思えない。鳥取城は天然の要塞だから、亀のように守りを固めていれば負けは無い」
「羽柴殿というか軍全体が、容易に常識外の戦果を挙げてしまう砲兵を嫌うからな。突破力に欠く状態では守りが崩せない。如何に羽柴殿の軍が勇猛だろうと、所詮人は雪には勝てない。積雪によって退路を断たれる前に退却せねば、全滅すらありうるだろう」
「そうね。故にこちらが取る手段は――」
「兵糧攻め」
静子と長可の言葉が期せずして重なった。兵糧攻めは読んで字の如く、敵の兵糧補給を断って飢えによる自滅を待つ戦法だ。
史実に於いても秀吉が取った『鳥取の
この時の秀吉も同様の思考を辿っており、後に控える毛利の本城、
「早い段階から兵糧の買い占めをすれば、相手に悟られて救援を呼ばれてしまう。逆に遅いと買占めに際して余計な
「青田刈り(敵に兵糧を調達させないために、青い穂が実っている収穫前の田から稲穂を刈り取ってしまうという作戦)をしても旨みが無いから、収穫後を狙うのが最良だな。しかし、それと静子に何の関係があるんだ?」
長可は疑問を口にする。方面軍の司令官である秀吉がどのような作戦を取ろうとも、兵站の総司令である静子にはそれほど大きな影響がない。彼女は秀吉だけの面倒を見ているわけではなく、信長軍全ての兵站を統括する立場にあるからだ。
勿論毛利の動向に注意を払うのは当然だが、秀吉の行動を推測する必要はあるまい。長可に問われた静子は苦笑しながら答える。
「その羽柴様から緊急の依頼が届いたの。兵糧米を予定の倍融通してくれって」
「なんでまた米を? それも倍とは無茶苦茶だ。軍需物資はどの軍にも過不足ないように配布しているんだろう? 羽柴軍のみに追加を出すのはおかしいだろう」
「現地での兵糧調達が思ったよりも難しいようでね。現時点で既に今年の収穫量が少ないことが予想されていて、更に双方の軍が米を常に消費するからね」
米の収穫量に期待が持てないということは、即ち米の持つ価値が上昇することを意味する。織田軍に於いては米本位制度とは異なる貨幣経済に移行しつつあるが、それでもまだまだ米の多寡によって経済が動くことは否定できない。
寄り合い所帯である秀吉軍に於いてはこの影響が顕著であり、褒美などに米を望むものは決して少なくないのである。つまりいざとなれば食える米が最も重要であり、一度交換をしなければならない金子は訴求力に劣るのだ。
「軍全体で兵糧が枯渇気味なうえに、現地での収穫が不安定になったことで米を要求する配下が続出したみたいなの」
「なるほどな。羽柴殿は腹心が少ないから、下っ端であろうと下手に機嫌を損ねれば組織が崩壊しかねないのか」
「仕方なく、積極的に米を放出したところ冬までの備蓄が心許なくなったそうよ。羽柴様としては他領からの調達で賄うつもりだったのだけれど、何処もいくさの気配を感じてか総じて米の相場は高止まりしていて上手くいかなかったみたい。毛利攻めが頓挫しても困るから、融通はつけるつもりだけれどね」
もっと早い段階で相談して貰えれば、他にも打てる手があったのになと静子は嘆息した。
羽柴軍内では緊張感が高まっていた。他の方面軍はそれぞれに戦果を上げている。それに比べて自分たちはどうだろうか? 未だに鳥取城を攻略できないどころか、日に日に劣勢に追い込まれている気配すらある。
(何もかもが裏目裏目に出よる。ここが踏ん張りどころなのか、方針転換を図るべきか……)
秀吉は心中で葛藤を続けていた。彼に齎される報告はおしなべて悪いことが多く、一向に好転の兆しが見えない。その状況下でも長たる秀吉は、自信に満ち
人の上に立つものが不安を晒していては、配下にもその不安は伝染して悪循環に陥ってしまうからだ。先の見えない状況で足掻くことに重い疲労を感じていた秀吉だが、そんな彼に転機が訪れた。
鳥取城攻め戦況が芳しくないことを知った信長から、詳細な戦況報告をせよという報せと共に文官が派遣されてきた。秀吉はついに信長から見限られたかと憔悴したのだが、文官より託された信長の文を見て
「サルよ、其の方は持たぬ立場からここまで成り上がった。その際に幾つも失敗はしたが、それに臆することなく果敢に挑み続けたのでは無かったか?」
思い返せば己はそもそも侍ですら無かったのだ。他者より目端が利くのと、頭の回転を活かした世渡りで成功してきたのだ。
事がここに至っても殿は己に期待をして下さっている。その一事が秀吉の萎えかけていた心に芯を通した。
「万事が滞りなく進んでおると伝えられよ」
「流石にそれだけでは納得できませぬ。この戦況下でそのように判断される理由を伺えますか?」
「確かに今の戦況は思わしくない。しかし、優秀な部下が知恵を絞って考え抜いた作戦よ。不測の事態に対する備えさえあれば、恐れることは何もない」
「不測の事態に対する備えとは?」
「今年は不作が予想される。それに備えて既に相談役殿に追加支援の要請を送り、了承を頂いておる。それもこの先何が起ころうと対処できる莫大な支援を願い出たが、それも快く了承して頂けた」
「承知致しました。羽柴様がそこまで勝利を確信しておられるのであれば、上様もお喜びになられるでしょう」
あくまでも現時点では劣勢に甘んじているが、挽回するに十分な対策を打ったという言葉と、静子よりの追加支援を送るとの文を見せて納得させた。
他者に頼っている姿を見せたがらない秀吉が、明らかに助力を求めた証拠すら示して自信を見せたのであればと考えた文官は、現時点の詳細な戦況と今後の方針を確認して帰途に就いた。
「しまった! 変に恰好をつけず火砲を回して貰うようにすべきであった……」
文官に対して大見得を切った僅か数日後にして、秀吉は後悔で頭を抱えてしまっていた。兵糧に関しては十分な量を送って貰える段取りがついたが、そもそも打撃力が足りないという根本的な問題に解が出ていないのだ。
秀吉とて信長軍の重鎮である。静子が擁する火砲がどれほどの戦果を上げているかは、それこそ耳にタコができるほどに聞き及んでいた。籠城する相手に防壁を超えて大きな被害を及ぼせる手段は、正直喉から手が出る程に欲しい。
そんな秀吉の窮状を見透かしたように静子からの支援が到着した。兵糧は依頼した量の更に倍が届けられ、軍資金や調略に使用できる物資の他、虎の子である『
「ははは、流石は静子殿。わし程度の強がりなどお見通しと言うわけか。これでは負けられぬな」
ここまでのお膳立てを整えられては負けを想像することすら許されないだろう。
「しかし、これだけの物資をすぐさま用意出来るとは、相も変わらず恐ろしいお方だ……」
届けられた物資の目録を見ながら黒田官兵衛は静子の先見性と、別次元の調達能力に舌を巻くしかなかった。
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