みずほ銀行のシステム障害、ほぼ復旧 午後にも記者会見

みずほ銀行は20日、システムの障害により全ての店舗窓口での入出金や振り込みができない事態が起きたと発表した。店舗での取引を処理するシステムの部品故障が原因といい、ATMやインターネットバンキングの「みずほダイレクト」は通常通り使える。午前10時ごろ、外国送金など一部の取引を除き復旧した。午後にも記者会見を開き、原因などを説明する。
障害が起きたのは、2019年に全面稼働した新勘定系システム「MINORI」の業務システムで、国内外への送金や預金口座の開設などの手続きが一時全面的に止まった。
障害はシステム機器の故障が発端で、その後にバックアップの系統への切り替えも機能しなかったとみられる。みずほ信託銀行でも同様の障害により窓口取引を停止していた。
みずほ銀行はATMやネットを利用をするよう呼び掛けているが、店舗での手続きを希望する場合はシステムが復旧するまで一時的に預かって手続きをすることも可能としている。
形式によっては窓口でしか受け付けられないものもある。都内のみずほ銀の店舗では「税や公金の支払いができない」と説明していた。またATMでの振り込みは窓口手続きよりも上限額が低いため、店舗での高額の振り込みは復旧まで難しいケースもあったようだ。
店舗を訪れた60歳代会社役員は「またか、と思った。ATMは使えても法人は窓口利用も多いはず。しかもお盆明けの20日の金曜日。今日手続きしないといけない人もいるのでは」と話し「みずほ大丈夫なのだろうか」と心配そうな様子だった。
みずほ銀行では2月末から2週間足らずでATMに通帳が取り込まれるなど4件のシステム障害を起こしたばかり。みずほ銀行は「大変なご心配・ご迷惑をおかけしておりますことを深くおわび申し上げます」とコメントした。
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- 小平龍四郎論説委員・編集委員ひとこと解説
金融庁はみずほの前回のシステム障害に関する処分をまだ下していません。頭取人事も中ぶらりんのもよう。不思議に思っていたのですが、その理由の一端を垣間見る思いです。みずほのシステム問題は何が出てくるかわからないという不透明感が強すぎて、処分の重さや今後の指導・監督方針を決めきれないのではないでしょうか?記事中の「みずほ大丈夫なのだろうか」という60歳代会社役員のコメントが、不気味に心に残ります。
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