「むっ、ちょっと待てブライアン、お前また襟の角度がずれているぞ」
朝方教室へ向かう途中、お節介焼きの姉に見つかってしまう。こうなると長いから面倒だ。
「姉貴か……別にいいだろう、それくらい」
「この前よりも二度ほど大きくずれているのは流石に見逃せないな……お前にもちゃんとして欲しいものだ」
「チッ、言っても無駄なんだろうな。じゃあ、直してくれ……いや、やっぱりダメだ。これはアイツにしてもらったんだ」
「は？何を……お前もしかして朝からトレーナー君のところに行ったのか」
誰とも言ってないのに姉貴もよく頭が回るものだ。いや、周りからそう見られているのか？まぁいい。
「朝からも何も昨晩からだ。もういいな、行くぞ」
「ッ、私も大分鍛えられたんだ、逃げられると思うなよ……！」

「はぁ、はぁ、いい加減に大人しく整えさせろ……ん、どうしたんだ、痣が出来てるぞ」
「つけてもらっただけだ、いっぱいな。姉貴もそれくらいしてるだろう」
「ぶ、ぶぶぶ、ブライアン！？」
はぁ、ようやく自由になれた……変な姉貴だ。