ランダムウォークで位置xにいる確率
・ランダムウォークで、位置xにいる確率は出発点x=0を中心としたガウス分布(正規分布)になる ・ガウス分布の幅は時間tとともに√tで広がっていく ・出発点x=0に戻っている確率は1/√tで減っていく |
ランダムウォークすると位置xにいる確率はガウス分布になると聞いたことはあったが、どうやって計算するのか知らなかった。このホームページを書き始めてから初等的な確率の本をあさっているうちに「確率論とその応用I (第2版)」(フェラー)という本に行き当たり、色々わかったので整理してみた。
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ランダムウォークの定式化:
粒子は原点x=0から出発して、時刻t=n⊿t(n=1,2,...)ごとに1/2の確率でx軸上を+⊿xか-⊿xだけ動く
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1番目の方法は、ランダムウォークを漸化式(差分方程式)であらわすと拡散方程式になっていることを使う。以下の計算は、立ち読みした数学雑誌(名前は忘れた)によっている。
時刻t=n⊿tに位置xにいる確率をp(x,t)とおくと時間について次の漸化式が成り立つ。
この左辺を時間の差分にすると右辺は位置の2階差分(ラプラシアン)になっている。
右辺の係数(⊿x)2/2⊿tを一定に保ちながら⊿x→0, ⊿t→0とすると拡散方程式になる。
拡散方程式のx=±∞で0になる解は、幅が時間とともに広がっていくガウシアンであることは知っているので定数を合わせ込んで
結局、位置xにいる確率はxのガウス分布になり、その幅は√tで広がり、高さは1/√tで減っていく
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2番目の方法は、2項分布がn→∞の極限でガウス分布で近似されることを使う。
時間t=n⊿tまでに、n回中k回だけ+⊿xに動き、n-k回だけ-⊿xに動いたとすると、そのときの位置は
であり、確率は2項分布になる。
求めたいのは、時間が十分たった(1≪n)ときの中心付近(2k-n=x/⊿x≪nすなわちk≪n)の分布なので、2項分布はガウス分布で近似できて(→補足-2項分布の正規分布による近似)
kをx/⊿xで表すと
pk,nと連続変数xの分布p(x,t)との関係は、確率の正規化条件
を見比べて
さらにnをt/Δtで表すと
上記と同じ結果が得られた。