蒔田彩珠、「是枝監督は父のよう」 おかえりモネに出演
近年、NHK連続テレビ小説でヒロインの“妹”を演じた俳優が、相次いで後の朝ドラのヒロインを務めたり、ブレークしたりしている。高畑充希、土屋太鳳、杉咲花、清原果耶……。現在、放送中の「おかえりモネ」(脚本・安達奈緒子)でも、妹役は存在感を示している。ヒロイン・モネこと永浦百音(ももね)(清原)の妹・未知役を演じている蒔田彩珠(まきたあじゅ)。演じることが楽しくてしょうがない。そんな気持ちがあふれている18歳だ。
「おかえりモネ」で演じているモネの妹・未知は、しっかり者。家業のカキ養殖の将来を真剣に考えている。「私も兄が2人いる末っ子。意地っ張りで負けず嫌いなところは、未知に似ていますね」
未知はカキに関する研究を巡って祖父と衝突したり、幼なじみに恋心を抱いたり、喜怒哀楽を素直に表現する役柄でもある。
「今までは何か内に秘めた役が多くて、今回の役は新しい挑戦です。すごい楽しんで演じています」
蒔田と清原は、同じ2002年生まれで、学年は清原が一つ上だ。
今作と同じく、安達奈緒子が脚本を手がけたドラマ「透明なゆりかご」(18年)で、共演している。ただ、その時の共演シーンは数少なかったというが、今回は姉妹役で長い時間をともにしている。
「数カ月しか誕生日は違わないですが、果耶ちゃんは場をまとめる力があるお姉ちゃん。私はいつも甘えています。憧れの気持ちは、お芝居にもつながっていると思います」。宮城の生まれ育った島で東日本大震災に直面した妹と、偶然いなかった姉。微妙な距離感を演じることにおいて、清原との信頼関係がいきていると話す。
「百音は偶然その場にいなかっただけで、何も悪くないんです。でも、未知は他に当たるところがないので、ついお姉ちゃんに当たってしまう。今までに、震災に関わる作品を何回かやらせていただいていますが、相手が果耶ちゃんだからこそ、姉妹の微妙な距離感を、2人で作り上げられているなと思います」
神奈川県出身。震災時は小学生だった。
「お兄ちゃんも同じ小学校だったので、母親が迎えにきてくれるのを、学校で一緒に待っていました。お兄ちゃんと言っても一つしか違わないので、『怖い、怖い』と言っていました」
宮城・気仙沼で撮影した際、エキストラ出演した現地の人から震災を伝えようとする強い思いを感じ、責任感を持って演じている。震災を経験した役ということで、気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館を訪れたり、当時の映像を見たりして、「役を自分の中に入れていった」と話す。
7歳で子役デビューした。10歳の時、映画監督の是枝裕和が脚本・演出を手がけたドラマ「ゴーイング マイ ホーム」(12年)に出演し、芝居の楽しさを知った。以降、「海よりもまだ深く」「三度目の殺人」「万引き家族」など是枝作品の常連だ。「是枝監督はお父さんのような存在です。出演作を毎回見てくれて、感想を伝えてくれているのがうれしくて。また、監督のもとで、ガッツリお芝居ができるように頑張っています」
昨年公開された映画「朝が来る」(河瀬直美監督)で、日本アカデミー賞新人俳優賞、キネマ旬報ベスト・テン助演女優賞などに輝くなど、映画での活躍がめざましい。
だからこそ、約1年の撮影が続く朝ドラの経験を楽しんでいるという。
「1年間、素敵な役者さんたちと現場をご一緒して、役との向き合い方や真剣さに刺激を受けています。私がこうしようと思って役を作っていっても、他の役者さんたちの雰囲気は全く違っていることもある。改めて実感させられる瞬間がいっぱいあるんです」
妹役は、次のヒロイン候補?
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