今回は、テネシーウイスキーを自称するジャックダニエルのレギュラーボトル、「オールドNo.7」を飲みます。

「テネシーウイスキー」と言われる所以

_DSC3918_01一般的なバーボンは、ケンタッキー州バーボン郡で作られるものが多いです。特にそこで作られるものは「ケンタッキー・ストレート・バーボン」と呼ばれます。

一方でジャックダニエルはケンタッキー州では無く、テネシー州リンチバーグという土地で作られています。
そのためジャックダニエルは「テネシーウイスキー」と言われ、バーボンとは異なると自称しています。

実はアメリカの連邦法においては、ジャックダニエルもバーボンに分類され、製法のほとんどがケンタッキー・ストレート・バーボンとほぼ一緒です。
しかしジャックダニエルならではの違いは、蒸留後の工程にあります。

蒸溜した原酒を、木の桶にびっしりとサトウカエデ(メープル)の炭を砕いたものを敷き詰め、そこに一滴ずつ原酒を垂らして濾過(メローイング)を行うことで、香りづけがされます。
この工程が、テネシーウイスキーと言われる違いを生み出しています。

なお、ジャックダニエルの工場は、日本の蒸溜所に比べても機械化が進んでおり、新樽を使う必要があることから樽の工場も機械化が進んでいます。
某動画サイトにも掲載されていますので、興味ある方は調べて下さい。

ちなみに、レギュラーボトルにつけられた「オールドNo.7」の由来については、残念ながら明らかにされていません。
創業者のガールフレンドの数、製品として採用したブレンドの番号、輸送時に紛失した樽の番号など、諸説あります。

メープルシロップの香りが特徴的

グラスからの香り、液色

グラスからは強い接着剤の香りが先にやってきて、奥からメープルシロップの甘い香りが続いて感じられます。

液色は、少し濃い琥珀色です。

ストレート

メロンと接着剤の香りが先に訪れ、リンゴ、レモン、メープルシロップと香りが続きます。

味わいは、アルコールからの辛みは少なめで、ほろ苦さの後に酸味、甘みがやってきます。

ロック

ライム、レモンと言った爽やかな香りが揮発し、後からエステリーな香り、石鹸の香りが続きます。
奥からナッツ、メープルシロップ、バニラへと香りが感じ取れます。

味わいは、先に苦みが軽く感じられた後、酸味へと続き、甘い後味が残る印象です。

ハイボール

メロンの香りが先に訪れ、その後リンゴ、メープルシロップと続きます。
味わいは、ほろ苦さが先に来るものの、徐々に甘みが前に出てきます。

まとめ

一般的なバーボンだと、残り香にバニラを感じやすいのですが、ジャックダニエルはサトウカエデの炭で濾過することによってメープルシロップの香りがしっかり感じられます。

全体的に香りが濃厚で、ハイボールでも崩れないほどです。年数表記は無いですが、熟成度は高く感じます。

ジムビームやアーリータイムズなどのメジャーなバーボンを飲んだ後で、このジャックダニエルを飲むと、その違いを明確に感じられるかも知れません。

700mL、アルコール度数40度、価格は2500円ほど。少々お高いですが、それにふさわしパフォーマンスを感じ取れるでしょう。

<個人的評価>

  • 香り B: 先にメロン、接着剤。その後にリンゴ、メープルシロップ、レモン。加水でフローラルさも。
  • 味わい C: ほろ苦さが先行するも、酸味を経由して甘みへと繋がる。ストレートでもアルコールっぽさは少ない。
  • 総評 C: ジャックならではのメープルシロップの香りを堪能できるボトル。