今回、番組で紹介する話題のきっかけはそんな河部さんに、別件で福井に行った際、たまたまお会いしたことだった。
――最近、どんな研究しているんですか?
今、恐竜の顎をCTスキャンで調べています。
――顎ですか?
はい、今度はティラノサウルスの顎を調べようと思っています。
このような会話がきっかけだった。そもそも河部さんの専門は“透視”。CTスキャンを使って化石の内部を見るのが専門だ。CTスキャンで化石を見る研究と言えば、「頭骨の中でも脳が収まっていた部位である“脳函(のうかん)”を“透視”し、そこから脳の形を割り出し、その動物が生前に得意だったことを推測する」という研究が最も一般的。たとえばティラノサウルスも、脳の形から嗅覚が特に発達していたことが明らかになっている。
しかし河部さんが今回、“透視”するのは「脳の部分」ではなく「顎の骨」、しかもティラノサウルスの顎の骨だというのだ!
それは福井県立恐竜博物館が所蔵している貴重なティラノサウルスの顎の実物化石だそうで、間もなくCTスキャンで徹底的に調べる予定だという。私は反射的に「企画にできるかどうかわからないが、とりあえず、ティラノの顎をCTスキャンで調べる様子を記録させてほしい」とお願いした。
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