新型コロナウイルスに関係する内容の記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省や首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている情報もご確認ください。またワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。
こんにちは。医薬品個人輸入サイト「ぽちたま薬局」のもっちです。
イベルメクチンを個人輸入して服用するという方に、ちょっとだけ話をさせてください。
※犬のフィラリア予防薬ではなく人間用のイベルメクチンの話です。
高用量のイベルメクチンの飲み方は安全性が分かっていない
イギリスに次いで日本でもコロナに対するイベルメクチンの臨床試験が開始されました。
ツイッターでは連日イベルメクチンの飲み方について未確定の情報が飛び交い、予防や治療を目的に自己判断で服用する方が増えています。
しかし、イベルメクチンの研究はまだ始まったばかりです。コロナへの有効性も高用量に対する安全性も確立されていません。
どんなリスクがあるのか、まだ誰も分かっていないのです。
さらに注意してほしいのが、高齢者、妊婦、15㎏の幼児の服用です。
これらは、承認されている一般的な投与量でも安全性が確認されていません。
予防のために高齢のご両親や妊娠中の奥様に、医師への相談もなく飲ませるというのはとても危険な行為なのです。
参考までに一般的なイベルメクチンの飲み方を紹介します。
承認されているイベルメクチンの飲み方
・1回につき0.2mg/kgを服用。体重60kgであれば、1回12mg。
・線虫症では2週間間隔で2回服用する。
・疥癬の場合はまず1回だけ服用し、その後感染が認められた場合は再投与を検討する。※角化型疥癬(ノルウェー疥癬)の場合は最低2回の服用が推奨される。
・いずれも空腹時(食後2時間)に水だけで服用。牛乳や乳製品で飲んではいけない。
臨床試験で試されているイベルメクチンの飲み方
ツイッターで出回っているイベルメクチンの飲み方は、世界各国で行われている臨床試験の資料を基にしているようです。
臨床試験は研究機関によってプロトコル(臨床試験の計画)が異なるので、イベルメクチンの投与量がそれぞれ違っています。
どれが正しいとは定まっておらず、それを確かめるための臨床試験なのですから当然ですね。
FLCCC(Front Line COVID-19 Critical Care Alliance)という研究チームのプロトコルでは以下のような飲み方が試されています。
予防に関するイベルメクチンの飲み方
高リスクの方のための予防治療
医療従事者や密を避けられない人の予防方法です。
1回につき0.2mg/kg(食前または食後に服用)。体重60kgであれば、1回12mgを服用ということですね。
当日1回服用、48時間後にもう一度、以降週1回服用。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)曝露後の予防治療
コロナ陽性者と濃厚接触したなど、コロナウィルスに接触した後の予防です。
1回の投与量は0.2mg/kg。体重60kgであれば、1回12mgを服用となります。
1日目に1回の投与を行い、48時間後に2回目の投与をする。
早期の外来治療に関するイベルメクチンの飲み方
コロナの陽性となり、重症化する前のイベルメクチンの飲み方です。
1回につき0.2~0.4mg/kg(食前または食後に服用)。体重60kgであれば、1回12~24mgです。
1日1回、5日間、または回復するまで服用。
イベルメクチンの一般的な飲み方(腸管糞線虫症の治療の場合)は12mgを2週間間隔で2回なので、これはかなりの高用量となります。
当然副作用のリスクはそれだけ高まるということ。
【参考リンク】
イベルメクチン:ストロメクトール
I-MASK+ 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防および早期の外来患者治療に関するプロトコル – FLCCC
I-MASK+ PREVENTION & EARLY OUTPATIENT TREATMENT PROTOCOL FOR COVID-19 – FLCCC[英語](2021年8月11日版)
最後に
猛威を振るうデルタ株にワクチンが効かないのではないかとの不安が広がる中、イベルメクチンで予防したい気持ちは私も一緒です。
でも、ちょっと待ってください。
イベルメクチンは今各国の研究チームが猛スピードで検証している最中で、日本で臨床試験を開始した興和は年内の承認を目指しているそうです。
ということはイベルメクチンがコロナに有効か否かは年内には分かるのです。
私は臨床試験の結果が出るまではワクチンを打って、高容量のイベルメクチンが安全だと分かってから、然るべき飲み方でイベルメクチンを服用しようと思っています。
マスクを着用し、密を避け、手指の消毒徹底していれば、まずコロナにはかからないのですから。
何もリスクがないのに、わざわざ人柱になる必要はないのです。