先日語った「Dangerous」はシングルカットされていないので、ショート・フィルムも存在しません。
その代わりというか、この「Dangerous」の代名詞になっているのが、1995年に行われたMTV・ベスト・ミュージック・アワードでのパフォーマンスです。
このときのパフォーマンスは、こちらのDVDにフルで収録されていますね↓
ヒストリー・オン・フィルム VOLUME II [DVD] (2005/12/07) マイケル・ジャクソン、ジャネット・ジャクソン 他 商品詳細を見る |
「Dangerous」は1993年からパフォーマンスされていましたし、コンサートで何度も披露していますが、ファンの間ではこのMTVでのパフォーマンスがベストとされ、今も「伝説のダンス」として語り継がれています。(テレビ放映されて映像が一番綺麗だから、というのもあるんでしょう)
ファンの方はもちろん、何度も観てますよね?
この映像にはマイケルに拍手を送る妹、ジャネット・ジャクソンもチラッと映っていますが、この授賞式でマイケルは、ジャネットと共演した「Scream」で「ベスト・ミュージックビデオ」賞など3つの賞を受賞しています。
普段バラードなんかを聴いていると、マイケルがダンサーでもあったということを忘れそうになる私ですが、マイケルが踊る姿を見ると「天は二物を与えず」という言葉はこの人には当てはまらないのか、そんなことを改めて思ってしまいます。
このパフォーマンス冒頭に登場するギタリストは、おなじみスラッシュですね。
「Dangerous」のパフォーマンスに移る前、マイケルが「スラッシュ、君は最高だよ!ありがとう」と言ってます。
「Billie Jean」のパフォーマンスも圧巻です。
マイケルがトレードマークの帽子を被ってポーズを取ると、オレンジの照明が消えて引きの画に変わり、ブルーのスポットライトに変わる。
これぞ「エンターテイナー」という感じで、何度観ても思わず鳥肌が立ってしまいます。
この映像の為だけにでも、このDVDを買う価値ありますよね?
そして「Dangerous」のパフォーマンスは群舞。
群舞はマイケルが「Beat It」のショートフィルムでその先駆者となり、今では当たり前のスタイルとして、日本でいえばEXCILEなんかがやっているものですね。
私はこの「Dangerous」のような、大勢で横並びになって寸分違わぬダンスとするという種類の群舞は、マイケルにとっては難しいタイプのダンスだったんじゃないかな、と思います。
いつもその時のフィーリングで踊っていたマイケルにとって、「決まった振り付けで人と合わせて踊る」という感覚は、馴染みがなかったと思うんですよね。
ダンスは独学で練習も一人でやっていたそうですし、バックダンサーから始めるようなタイプの人ではないですよね。
実際映像を見ると、コブラで上手く誤魔化しているところがあったりしますし(笑)。
(コブラというのは、首とか肩をカクっと捻ったり回したりするテクニックのことですね)
まあバックダンサーは別として、マイケルはのんびり振り付けを確認する時間なんて、そもそも無かったのでしょう。
一方でマイケルのスピンの速度や美しさ、細かいテクニックが際立っていて、圧倒的なオーラも感じますね。それがこのパフォーマンスが「伝説」と言われる所以なのだと思います。
(もちろんバックダンサーの方たちも、プロ中のプロを集めたと言われるだけあってすごいレベルですが。)
例えば後半、「Dangerous」の曲が一瞬消えて暗闇になるところ。マイケルが一番動いてるのに、一番動いていないように見えます。ステージを滑りながら大きく移動しているのに、足もあまり動かしていませんよね。
全体を通して見ていても、マイケルの体のブレの無さとスマートさはすごいなと思います。
振り付け自体も、すごくカッコイイですよね。
この「Dangerous」の振り付けは、マイケルとトラヴィス・ペインという振り付け師が一緒に考えたそうです。(トラヴィスは、マイケルの真横のポジションを任されています。)
一人で踊る時はショートフィルムでもほとんど即興で踊っていたようですが、群舞タイプのダンスでは、振付師も使っていたんですね。
トラヴィス・ペインは幼い頃からマイケルに憧れ、「BAD」ツアーに何度も足を運んだという筋金入りのファン。そして「Remember The Time」のオーディションに見事合格。(その前にすでにジャネットのバックダンサーを務めています。)
その後マイケルに振付師として見出され、このMTVのパフォーマンスの他にも「HIStory」ツアー、「This Is It」とマイケルから絶大な信頼を受け、その関係はマイケルが亡くなるまで続きました。
「Scream」の振り付けも、彼が関わっていますね。
マイケル急死後は、マイケルと踊るという夢を叶えられなかった「This Is It」の若いダンサー達の精神的な支えになっているようです。
ところで、確か「DANGEROUS」アルバム発売前だったと思いますが、当時人気のあったMCハマーがマイケルにダンス対決を申し入れるということがありました。
MCハマー、懐かしいですねー。SMAPの香取君とかも真似してませんでした?(笑)
マイケルはその申し入れをあっさり断ったのですが、実際どう思っていたんでしょうか・・・・。
マイケルのダンスは、「真似できそうでなぜかうまく真似できない」というジレンマを抱かせるような、不思議な魅力のあるダンス。
動きが細かくて素早かったり、ゆっくりに見えるところでも手足の動かし方が独特だったりして、なんとなくしか真似できなかったりするんですよね。
しかも、即興でどんな動きをしてもマイケルオリジナルの「型」のようなものがあるので、他人が真似して同じように踊っているのを観ても「いや、やっぱりマイケルの動きじゃないな」なんてケチを付けたくなってしまう。
わかります?この感覚・・・・?(笑)
マイケルのダンスは、マイケルにしか出来ない。体から発せられる独特のカリスマ性があるんですよね。
だからみんな、ムーンウォークとか、「Billie Jean」の冒頭部分とか、アソコを掴むしぐさとか、そういう分かりやすい部分ばかり、真似していたんじゃないでしょうか。
でもかといって、ムーンウォークをやってるダンサーとかよく動画で観ますけど、どれも今ひとつなんですよね。
背筋がちゃんと伸びていなかったり、正面を向いてなかったり、がに股になってたり、そもそも歩いてるように見えなかったり・・・・。
きっとマイケルが100人のダンサーの中に混じっても、すぐ見つけられると思いませんか?
だから、この「Dangerous」みたいな群舞でもつい、他のダンサーと違う動きをしているところに興味が湧いてしまう。
そしてバックダンサーの方が合っているとしても、「きっとマイケルの方が正しいんだろう、マイケルはこう動いてるんだから」とか、「マイケルはこう動きたかったんだよ」なんて何の疑いもなく思ってしまう。
そういう不思議な説得力が、マイケルのダンスにはある。
だから、つい釘付けになって見てしまうんだと思うんですよね。
ぐだぐだと語ってしまいましたが・・・・(笑)
「Dangerous」は2002年頃までパフォーマンスされた人気曲ですが、毎回ちょっとずつ違ったり、いくつかバージョンがあったりします。
パフォーマンス中に「You know, you want me?」(私が欲しいんでしょ?)とか女性の声でセリフが入りますが、あれはジャネットのアルバムの曲からの引用ですね。
兄弟の仲の良さが分かる部分ですが、これが入っていないバージョンもあったりもします。
あと、マイケルが帽子を落としてしまったり(笑)、タバコ男さんのタバコを掴み損ねたり、「しょうがないよ、天才だって人間だもん」な失敗もあったりして面白いです。
余談ですけど、前に確か「〇っすま」で俳優の森山未來さんが、「Dangerous」のパフォーマンスを見ていつのステージか当てる、というクイズでズバリ正解していてびっくりでした。
この方ダンサーでもあるんですね。マイケルの筋金入りのファンだそうで、なんだか嬉しくなっちゃいました。
こちらはこのMTVのリハーサル映像↓ マイケルの笑い声は、和みますね。
https://youtu.be/FT_4DYenL6M
この記事へのコメント
サクライイチロウ
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はじめまして。日本の被災地、世界各国の子どもたちの『笑顔』が見たいから。
LOVE SAVES THE WORLD.愛は世界を救う。SMILE SAVES THE WORLD.笑顔は世界を救う。
『マイケル・ジャクソンの子ども基金MJCF』が公認で始ります。宜しくお願い申し上げます。
サクライイチロウ
マイケル大好き
共感しまくりです!!!
テト