今日もロック曲、いきましょう。
アルバム「DANGEROUS」(91年)から「Give In To Me」。
Dangerous - Michael Jackson
なんとアルバムからの7枚目のシングルカット。ヨーロッパなどで発売され、UKチャートで2位を記録しています。
作詞・作曲・プロデュースとも、クレジットはマイケル・ジャクソンとおなじみのビル・ボットレイルで、テディ・ライリーは呼ばれていません。
ビル・ボットレイルはエンジニアに加えて、BassとDrumsなどでもクレジットされてますね。大活躍です。
「Give In To Me」はハード・ロックではあるけれど、どこかブルース的な感じがしますよね。
さすがマイケル、ソウルのこもったヴォーカルが上手いです。
この曲は、あのガンズ&ローゼズのスラッシュがゲスト参加していることで有名ですね。
スラッシュと言えば、つい先日も音楽ニュースで名前が出てましたけど、今もバリバリ精力的に活動してますね。
「DANGEROUS」では他にも「Black Or White」のイントロ部分にも参加していて、この後も二人は度々一緒に仕事をしていますが・・・スラッシュのギター、たまらないですね。
「マイケルは、ギターがちょっと爪で弾いたくらいの音しか入っていないテープを俺に送ってきたんだ。
俺は奴に電話して、俺がやりたい感じのを電話越しに歌って聴かせたのさ。」
「奴がしてたことは、僕の趣味にぴったりだったんだ。
奴はただ、俺に弾いて欲しがった。プレッシャーなんて無いよ、奴とは息が合うのさ。」(スラッシュ)
ビル・ボットレイルが語った面白い逸話があります。
マイケルのスタジオではタバコもドラッグもアルコールも禁止だったそうですが、スラッシュだけは特別扱いで、「それが彼のスタイルだから」とスラッシュ用の部屋を用意させ、タバコやらジャック・ダニエルやらを置いていたそうです。
スラッシュは「あいつは俺という人間を認めてくれたんだ」と話していましたしね、お互いに理解し合っていたんでしょう。
マイケルはアルバムセッション中、常にスタジオに居て細かく指示を出していたそうですが、スラッシュに関してはどうプレイするかは完全に本人に任せていたようです。
で、スラッシュをスタジオに残してマイケルは当時付き合っていた彼女と食事しに行っちゃう、なんてことがあったとスラッシュがどこかで話してましたけど・・・・極端だな、マイケル・・・・笑
スラッシュが「俺が知ってる業界の人間で ‘まとも’ な人間は、むしろ奴だけだよ。」と話していたのも印象深いです。
一方のマイケルは、テレビのインタビューで話していました↓
「また作りたかったんだ、エキサイティングで、楽しくて、ロック的なものをね。
『Beat It』とか『Black Or White』みたいなさ。
それでスラッシュがね・・・・・彼は僕の親しい友達なんだ、彼も動物とかそういうのが好きでね。
彼はギターを弾きたがったし、僕も彼に弾いて欲しいと思ったんだ。
僕達はドイツに行って、ショート・フィルムを2時間で撮ったんだよ。全然時間が取れなくてさ。
僕達は、エキサイティングでファンタスティックで、ファンがそこにいるような・・・そんな感じにしたかった。ロック・コンサートみたいな感じさ。で、ああいうものになったってわけ。」
2時間という強行スケジュールで撮影されたんですね。
スラッシュの他にもトニー・トンプソン、ギルビー・クラークなども居ます。
相変わらず風に吹かれるのが大好きなマイケルですが、「ロック・コンサート」ですから、ダンスは我慢しています。
そして稲妻がマイケルの体に走り、指先からあちこちに放電しまくる、危険極まりないマイケル。
そんなにバチバチやったら、また頭に大火傷しちゃいますよ、気を付けて・・・・笑
ではここで、歌詞を振り返ってみましょう↓
Give In To Me
She Always Takes It With A
Heart Of Stone
'Cause All She Does Is
Throw It Back To Me
I've Spent A Lifetime
Looking For Someone
Don't Try To Understand Me
Just Simply Do The
Things I Say
彼女はいつも、
物事を石のように冷たい心で捉えるんだ
なぜなら、彼女はいつもそれを
僕に投げ返してくるのさ
僕は人生を、
誰かを探しながら過ごしてきた
僕を理解しようとするな、
ただ、僕の言うとおりにすればいい
Love Is A Feeling
Give It When I Want It
'Cause I'm On Fire
Quench My Desire
Give It When I Want It
Talk To Me Woman
Give In To Me
Give In To Me
愛はフィーリングだ
僕が欲しいときにくれればいい
見ろ、僕は燃えてるんだ
僕の欲望を満たしてくれ
欲しいときにくれ
何か言ってくれよ、woman
僕にひれ伏すんだ
僕の言いなりになってくれ
You Always Knew Just How
To Make Me Cry
And Never Did I Ask You
Questions Why
It Seems You Get Your Kicks
From Hurting Me
Don't Try To Understand Me
Because Your Words Just
Aren't Enough
君は、僕を泣かせる方法を
いつも知ってたじゃないか
僕は一度も、‘なぜ’とは聞かなかった
君は、僕を傷つけるのが楽しいらしい
僕を理解しようとしなくていい
言葉なんか、役に立たないんだから
Love Is A Feeling
Quench My Desire
Give It When I Want It
Takin' Me Higher
Love Is A Woman
I Don't Wanna Hear It
Give In To Me
Give In To Me
愛はフィーリングだ
僕の欲望を満たしてくれ
僕が欲しいときにくれればいい
僕を高みに連れてってくれ
女こそが愛だ
たわごとは聞きたくない
僕にひれ伏すんだ
僕の言いなりになってくれ
You And Your Friends
Were Laughing At Me In Town
But It's Okay
But It's Okay
You Won't Be Laughing Girl
When I'm Not Around
I'll Be Okay
And I'll, I'll Not Find
Gotta Find Peace Of Mind No
君は街で友達と、僕のことを笑ってたろ
でもいいさ、いいんだ
僕がいなくなったら、君は笑えないだろう
僕は平気さ
僕には無理、いや、
心の平穏を見つけるんだ
Don't Try To Tell Me
Because Your Words
Just Aren't Enough
何も言うんじゃない
言葉なんか、役に立たないんだから
Love Is A Feeling
Quench My Desire
Give It When I Want It
Takin' Me Higher
Talk To Me Woman
Love Is A Feeling
Give In To Me
Give In To Me
Give In To Me
愛はフィーリングだ
僕の欲望を満たしてくれ
僕が欲しい時にくれ
高みに連れて行ってくれ
話しかけてくれ、woman
愛はフィーリングさ
僕にひれ伏せ
言ったとおりにするんだ
言うなりになってくれ
Love Is A Feeling
I Don't Wanna Hear It
Quench My Desire
Takin' Me Higher
Tell It To The Preacher
Satisfy The Feeling
Give In To Me
Give In To Me
愛はフィーリングだ
もう何も聞きたくない
欲望を満たしてくれ
高みに連れて行ってくれ
牧師に話して、
感情を納得させればいいさ
僕にひれ伏せ、
言いなりになるんだ
I Don't Wanna
I Don't Wanna
I Don't Wanna
Hear It
Give In To The Fire
Talk To Me Woman
Quench My Desire
I Don't Like A Lady
Talk To Me Baby
Give In To Me
僕は・・・・
もう聞きたくない
熱情にひれ伏すんだ
話しかけてくれ、woman
欲望を満たすんだ
レディぶった子は要らない
何とか言えよ、baby
僕の言いなりになるんだ
Give In To The Fire
Give In To Me
Give In To Me
Give In To Me
熱情にひれ伏すんだ
僕にひれ伏せ
言いなりになるんだ
言うとおりにしてくれ
Love Is A Woman
Give In To Me
Give In To Me
Give In To Me
Give In To Me
女こそが愛
僕にひれ伏せ
僕の言いなりになるんだ
言いなりになってくれ
'Cause I'm On Fire
Talk To Me Woman
Quench My Desire
Give It To The Feeling
僕は燃えてるんだ
話しかけてくれ、woman
欲望を満たすんだ、
感情にひれ伏すんだ・・・・
(訳・テト)
なぜか、ブックレットと実際の歌詞が違うところが中盤以降に多いですね。
この曲はデモバージョンなどがいくつか流出していますが、歌いながら何度か変えたようです。
ブックレット掲載の段階から変わったということは、このアルバムセッションの最終段階まで練っていた曲なんじゃないでしょうか。
上の歌詞は、CDで聞こえたままで訳してみました。
「僕のことを理解しようとするな。ただ、僕の欲望を満たしてくれればいい。」
いやー、いいですね、「欲求不満」丸出しで(笑)こういうのもないとね。
「Give In To Me」なんてね、もうタイトルからして恥ずかしいですよーーー(汗)
マイケルの他の女絡みの曲と比べると、この曲ではねちっこい愛憎劇が顔を出しつつ、「いいから黙って言うとおりにするんだ」と半ば無理やり言いくるめようとしているのが、なんとも珍しいですね。
まあ、現実的には・・・・無理だったんでしょうけどね(笑)
性格的にどう見ても、女性にそんなこと面と向かって言えなさそう。
(この曲も、アカペラ・バージョンで聞いてみると、後半で鼻を啜って泣きながら歌ってるんですね。
このアルバム、他にも泣いちゃってる曲多いですね・・・・「Who Is It」「Give In To Me」「Will You Be There」「Go Too Soon」。)
アルバムでこの「Give In To Me」の直前に収録されている「Who Is It」では、嫉妬に狂う男の絶望感を描いていますが、こっちの曲はまた違いますよね「Dangerous」とも違う。
この3曲、歌詞に注目して聴き比べても面白いです。
でもちょっと気になるのが、こちらの歌詞↓です。
‘君は街で友達と、僕のことを笑ってたろ
でもいいさ、いいんだ
僕がいなくなったら、君は笑えないだろう
僕は平気さ’
そ、そんな卑屈にならなくたって・・・。
何か辛い思い出でもおありなんですか・・・・・?(笑)
・・・・なんて思ったりするのですが、実を言うとこの曲の歌詞、「性的欲望」についてだけの曲でなくて、まさかのダブルミーニングになってるんじゃないか、と私は密かに思っています。
一つはこの歌詞のまま、女性に対する欲求をぶちまけたという解釈と、もうひとつはマイケルのメディアに対する怒りを表したという解釈です。
例えば、ここらへん↓の歌詞もなんだか怪しい。
‘彼女はいつも、
物事を石のように冷たい心で捉えるんだ
なぜなら、彼女はいつもそれを
僕に投げ返してくるのさ’
‘君は、僕を泣かせる方法を
いつも知ってたじゃないか
僕は一度も、‘なぜ’とは聞かなかった
君は、僕を傷つけるのが楽しいらしい’
自分を侮辱するメディアに、「自分に屈服しろ」と叫んでいる・・・・、そんな風に読むことも出来ますが、どうでしょうかね。
まあでも、そう思っちゃうとなんだかつまらないので、私は歌詞そのままの解釈で聴かせてせていただきます(笑)
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この記事へのコメント
koto
本当に!アカペラで聴くと・・・(T_T) 知りませんでした。
歌詞は「オレ様」なのに、泣かれると(*_*;
今コメントで盛り上がってる「In The Closet」同様、
バタン(←倒れてしまいます)
同じアルバムで「Heal The World」「Will You Be There」w
何でも歌えるマイケル、素敵(*^_^*)
マイケル理解は歌理解と思い、テトさんのブログに助けていただいてます。ありがとうございます♡
テト
「Give In To Me」はヴォーカルも歌詞もロックで、これまたセクシーですね(*^^*)「DANGEROUS」アルバムは、音楽の玉手箱だと思っています(笑)何百回聴いても飽きませんね♪