文春、新潮「中づり」終了へ デジタル強化に宣伝費投入
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「週刊文春」編集部は17日、8月26日発売号を最後に電車内の中づり広告を終了すると発表した。広告の締め切りが誌面制作の制約になることなどが理由。今後は宣伝費を「週刊文春 電子版」に投入し、強化していくという。
ライバル誌「週刊新潮」も同日、東京メトロに掲載している中づり広告を9月末に終了すると明らかにした。乗客の目を引きつけてきた「見出しの戦い」が姿を消すことになる。
「週刊文春」編集部によると、誌面の校了直前に取れたスクープのタイトルが、締め切りの早い中づりには反映できないなど、制作上の制約となるケースが増えていた。
同誌の発行部数は、今年4~6月の毎号平均で約51万7千部。現在、東京メトロの丸ノ内線、日比谷線など5路線で計1700枚、大阪メトロで計1500枚の中づり広告を掲載している。
一方、「週刊新潮」編集部は「駅の売店の減少やスマートフォンの普及により、車内広告の効果が薄れてきたことが理由」と説明。同じ活字文化で親和性が高いとみる新聞の広告は維持し、余った資源は今後、取材活動やデジタル戦略などに活用していくという。〔共同〕