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※個人の理解まとめなので、間違っている部分もあるかもしれないと思って
読んでくださいませ。
このブロマガは、前髪や肩くらいまでの長さの髪をふわふわに設定するために
個人的に気をつけていることの解説をしています。
あくまで個人的に気をつけていることなので、髪の造形によっては
うまくいかないこともあると思いますし、他の方のなさっていることを
否定するつもりはまったくありません。
とりあえず、できあがったモデルの髪がどんな感じになっているかを
ご覧ください。
モデルと動画の宣伝のためにTips書いているようなものなので、
ぜひポチッと再生してやってください。そしてコメントください。
モデルをDLして実物を見ていただいたほうが、以下の解説が分かりやすいかもしれません。
そしてうっかりそのモデルで動画を作って投稿してくれると私が喜びます。
1.セットアップ(ボーン・物理演算設定)のときのコツ
とりあえずモデルを見てみましょう。どん!
気づいてほしいこと
(1)なんかボーンが多い
(2)ボーンが全部まっすぐ下向き
ポイントはその2つになります。
(1)ボーンの数は多いほうがいい
MMDモデルを動画で見る人が、モデルの髪の毛が「動いている」と感じるのは
① 髪が大きくなびいているとき
② 髪の房がとなりの髪の房とは違う動きをしているとき
だと思います。
長い髪の場合は、動いたときに髪が大きく動くので、動いているのが
見た目に分かりやすい、これが①です。
ですが前髪や短い髪は、大きく動くにも限度があります。
髪の可動域を広げすぎても髪型がくずれてしまうだけです。
そこで②の髪の房がとなりの髪の房とは違う動きをしているというポイントが
重要になります。
前髪のボーンがちょっとずつ動いています。
あまり大きく動いていないのですが、結構動いているように見えませんか?
目や眼鏡という動かないものとの位置・角度だけではなく、
髪の毛の房それぞれの位置・角度が動くことによって、
「動いている」ということが見た目に認識しやすくなるのです。
細かい房がばらばらに動くことで、髪の毛がサラサラと動いているようにも
見えます。
そのため、髪の毛の房1つずつが別々に動けるように、
別々のボーンを仕込む→ボーンが多くなるということなのです。
といっても、むやみに髪の房すべてに演算を組んでもモデルが重くなるので
頑張るべきポイントとそうでないポイントをはっきりさせましょう。
これを見てください。
この図で少し赤い色をつけた部分の髪の毛は、実はまったく動かない部分です。
(物理演算する髪ボーンではなく、頭ボーンのみにウェイトが乗っている)
特に下から見た図で分かるとおり、このモデルの髪の毛の房の半分以上は
演算していないのです。
髪の毛で動くべき場所は優先順位の高いものから
・あほ毛、はね毛
・前髪
・髪の毛のシルエットに関わる房
・前から見える横髪
です。
この他の内側に入り込んでいる髪は、動かす必要はほとんどありません。
動かすとかえって、後頭部の肌ポリゴンが見えてハゲに見えてしまったりする
ことがあります。
このモデルにはありませんが、耳の前に短い横髪やモミアゲがある場合、
その髪が動くとフェイスラインの見え方が大きく変わってしまい、
(小顔に見えなくなるなど)かわいくなくなってしまうこともあります。
外側の髪の毛が動いていれば、髪の毛全体のシルエットが変わりますし、
隙間から見える内側の髪は、外側の髪との対比で動いているように錯覚するのです。
ですので(モデルの髪の造形にもよりますが)
とにかく外側だけ頑張ってボーンをどんどん作ってください!
(2)ボーンはまっすぐ下向きに入れる
赤枠で囲んだボーンにウェイトが乗っているのが、この髪の房です。
(あれ……? 横着して髪2本まとめてボーン1本になってる……;;;
そんなこともある!!)
髪は斜めに流れていますが、ボーンはまっすぐです。
ボーンをななめに入れるとあんまり嬉しくないことが起きるのです。
重力に負けてしまうと、ななめにモデリングしたはずの髪の毛が下を向いてしまいます。
昔、ゆるふわウェーブのはずの髪の毛をこれのせいでさらさらストレートに変貌させた
ことがあります;;
これでは髪型がくずれてしまうので、こちらは却下です。
では重力に抵抗しましょう。ジョイントの制限角度を使えば出来る気がしますね。
でも、がんばって重力に抵抗した場合、剛体は安定しません。
剛体は、できることならジョイントの真下に行きたいと思い続けるからです。
(ジョイントの真下に剛体の重心が来ないので、常に重力からプレッシャーが
かかった状態になります)
これは、剛体がぷるぷるする原因の1つになります。
また、重力に負けないためのジョイント制限をかけることになるので、
剛体の可動域に大きな制約がかかります。
いつも髪の毛がぺたっと真下を向いてしまうと困るけれど、
モデルの顔が傾いたときや、動いたときには、重力側にもなびいてほしい!
そのための技が、最初からボーンを下に向けておくことなのです!
【メリット】
剛体が最初からジョイントの真下にあるので、重力がかかっても、
剛体は無理のない位置にあります。
右回転・左回転ともにジョイントの可動域にできるので、
モデルが動いたときにだけ髪の毛がどちら側にでもなびいて動きます。
【デメリット】
ボーン1本で制御できる長さまでしか使えない方法です。
→ロングヘアには使えません。
剛体の場所が実際のポリゴンの位置とずれるので、
物理演算を「当たり判定」で制御することができません。
= ジョイントの制限角度だけで制御することになります。
髪の毛あたりは動きが細かくなるので、どのみち当たり判定だけで
乗り切れませんし、ささいなデメリットですね!
逆にいえば、頭の剛体と髪の毛の剛体を非接触に設定できるので、
その意味でも剛体がぷるぷるしてしまう原因を減らすことができます。
じょいんと……制限角度……ごうたい……非接触…………?
と思った方は、↓のブロマガを読んでみてください。
MMDモデルの物理演算設定 ~剛体編~(ar679314)
MMDモデルの物理演算設定 ~ジョイント編~(ar788809)
【真下を向く髪ボーン設置のポイント】
髪ボーンのウェイトは、髪ボーンの根元より下の範囲だけに乗せるようにします。
髪は毛先までかかってなめらかに曲がったほうがいいので、
関節のようにボーンの根元まわりだけでコンパクトなグラデーションにするのではなく、
毛先にようやく髪ボーン100%ウェイトになるかならないかくらいのなめらかな
グラデーションに設定するのがちょうどいいと思います。
髪ボーンの高さは「このあたりからなら隣の房と別れて動いて不思議じゃない」
と思える高さを何となくで探します。
房ごとにボーンの高さをちょっと変えるようなつもりで置くと、演算したときに
動きに差ができやすい気がします。
ボーンが出来てウェイトが設定出来たら、後はそのボーンに合わせて
剛体とジョイントを作って、TransformViewで挙動を確認しながら
ジョイントの制限角度を決めていきます。
ひたすら、数値入力で回転させては、ここまで動くのはアリかナシか判定する
地道な作業です。
(ボーン回転のプラスマイナスとジョイント回転のプラスマイナスに注意)
しげはるの前髪は眼鏡を突き抜けないように1本1本制限角度が違います!(こだわり)
【参考:ボーンを真下に向けない作り方でぷるぷるさせないTips】
ちゃーりぃさんがこちらのツイートで物理演算の設定Tipsを公開してくださっています。
ボーンの根元のジョイント1つでは、ななめになった剛体を安定させづらいので、
もう1つのジョイントで下から持ち上げるように支えるという手法です。
詳しくはツイートの動画を見てください。
あと、RGBA (RGB-CMYK)さんがこちらのブロマガで詳しく解説してくださっている、
重力バランサー剛体を導入するという手もありますね。
やじろべえのような構造で、剛体を斜めに向けたままバランスをとるという手法です。
2.モデル造形のときのコツ?
髪の造形はモデラーの好みが大きく出るところなので、あくまでも個人的なものですが、
参考までに。
個人的なキーワードは「ボリューム」と「視野角対策」です。
ボリュームを盛った部分が顔から遠い後ろにあると、顔をカメラで写したとき、
遠い分だけ遠近のパースがかかってしまい、せっかくのボリュームがなくなってしまいます。
お面をつけているようなイメージで、なるべく顔に近い前の方でボリュームを盛り、
それより後ろは盛ったボリュームを維持するだけという感じです。
しげはるは前髪が後ろに流れていくイメージなので少しひかえめですが、
前髪の特におでこくらいの高さの部分は、顔よりも前に前にという気持ちで作っています。
前髪のボリューム=奥行き感かなーと。
あとは、しげはるの髪はゆるふわな感じなので、毛先をラフに遊ばせたり、
シルエットを作る髪の毛あたりに隙間を多く作ってエアリーな感じを出したりしてみました。
そして仕上げの小ネタとして、髪の毛の先の頂点の非エッジフラグ設定をします。
非エッジフラグなし
非エッジフラグあり
毛先に向けて、エッジがすっと細くなっていくのがお分かりいただけるでしょうか?
これをやっておくと、毛先が繊細に見えます。
あと、眼鏡フレームにワンポイント入れてみたんですけど、かわいくないですか?
普通に踊らせているだけだと見えませんが、実は左のつるの端にもワンポイント
モチーフが入れてあります。
非エッジフラグの立て方
頂点を選択→PmxViewの「編集」から「選択頂点」→「エッジ倍率」→「0」
ただし、頂点に非エッジフラグを立てると、エッジがポリゴンの裏側に見えてしまうので、
髪の毛のポリゴンを片面ポリゴン(の両面描画)で作っているときにはこの小技は
使えません。
髪の毛からちょっと話がそれますが、ついでにエッジについて以前解説した
Tipsをこちらにも載せておきますね。
(こちらのツイートから再掲。画質が悪くてすみません)
この情報が、皆様の素敵なMMDライフの一助となりましたら幸いです。
みぃ
その他のTips→よくある物理演算が滅茶苦茶になる原因とその対策(ar410658)
モデルやアクセサリの描画順について(ar234462)
MMDモデルの物理演算設定 ~剛体編~(ar679314)
MMDモデルの物理演算設定 ~ジョイント編~(ar788809)
捩ボーン・IKボーンの基礎・角度をつけた襟IK(ar1444359)
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