SNSでの誹謗中傷の半減を目標とした一般社団法人「この指とめよう」が大炎上した。団体代表が、過去に誹謗中傷ツイートを連発していたことが発覚したのだ。非常にお粗末な顛末(てんまつ)だが、なぜこのタイミングで発覚し炎上したのか。根本的な問題を探った。(フリーライター 鎌田和歌)
団体の代表が行っていた心ないツイート
「指一本で、人は人を追い込むことができる。だから、指一本で、人を救うこともできるはずだ。」
そんなキャッチコピーを掲げ、5月25日に設立された一般社団法人「この指とめよう」。代表をクリエーティブディレクターの小竹海広氏が務め、アドバイザーにはジャーナリストの津田大介氏、評論家の佐々木俊尚氏、ブロガーのはあちゅう氏ら、錚々(そうそう)たるメンバーが名を連ねていた。
炎上した理由は、代表の小竹氏が過去に投稿していた数々のツイートが発見されたことだった。たとえば2016年1月に投稿していた次のような内容だ。
みんな子役に向かって死ねとか言ってるけどその子の家族がそれを見たらどれだけ苦しむかわかってる?ひとりで頑張り続ける子役が可哀想だと思わないの?大丈夫?? ネット上で簡単に自分の考えを発信できるからといって言っていいことと悪いことがあると思う。あ、ところで話変わるんだけど、寺田心死ね。
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正論を吐いておいてひっくり返すという、ネット上でよく見られる「ネタ」である。しかしネタであっても子役に言い放つ言葉として強烈であるし、「誹謗中傷をやめよう」という正論を小バカにするスタンス、つまり「#この指とめよう」の趣旨とは正反対といえる。さらに不謹慎ネタとしてもスベっていると言わざるを得ない仕上がりで、これは擁護のしようがない。
このほか2018年7月には、今回のアドバイザーに名を連ねるはあちゅう氏について、そのプライベートをネタにしたツイートもあった。
このような指摘を受け、小竹氏は5月30日にツイッター上で「過去の私の不適切なツイートについて お詫び」を発表。過去の投稿で「傷つけてしまった方」に謝罪するとともに、「方向性の見直しを含めて、関係各所との熟議を重ねて参ります」としている。