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オール大阪 ビール製造18社が組合設立

2021年8月12日

 大阪府内でクラフトビールを製造する18社が協同組合「大阪ブルワーズアソシエーション(OBA)」を設立した。会社の垣根を越え、原材料の共同購入や技術向上のための勉強会、さらに合同で仕込んだ「OBAビール」も熟成中だ。代表を務める「箕面ビール」の大下香緒里社長は「大阪にもこれだけのクラフトビールがあることを知ってもらい、応援してもらいたい」と、新型コロナ禍の苦境も“オール大阪”で乗り越える覚悟だ。

堺市の「ハーベストの丘」で合同仕込みを行ったOBAのメンバー。前列左から2人目が大下代表(OBA提供)

 府内のクラフトビール事業者の2020年度出荷量は前年度から約3割減、樽(たる)のみ扱いの事業者においては、出荷が前年の1~2割にとどまり、コロナ禍の影響は深刻だ。一方で現在、全国には約500のブルワリー(ビール醸造所)があり、各地で組合設立が相次ぐ。大阪でも数年前から構想はあったが、製造から営業販売を少人数でまかなう事業者には時間の余裕がなかった。

 「コロナで時間ができたことが、組合立ち上げの背中を押した」と大下さん。OBAでは、各事業者の瓶の規格を統一するなどコスト軽減を図るほか、先月27日には合同仕込みを行い、OBAブランドとして9月以降に売り出す予定だ。

 1994年の酒税法改正により、全国各地で「地ビール」が誕生。ほどなくブームは落ち着いたが、近年は職人が作る個性豊かな「クラフトビール」として人気が定着し、飲食店での取り扱いやイベントが開催されるようになった。

 大下社長はクラフトビールの魅力を「例えると、町のパン屋さん」と話す。小さな店舗では作る人の顔が見え、個性が表れる味は地元に愛され、いずれ地元の味になる-。そのサイクルがクラフトビールにもある。だからこそ、大下社長は願う。「イギリスのように地元のパブに地元のビールがあり、飲みながら地元のサッカーチームを応援するコミュニティーになっていく。人と人の輪がつながっていく場にビールがあればいいなと思う」

 クラフトビール 1994年にビールの年間最低製造数量が引き下げられ、小規模事業所にも醸造免許が解禁された。全国地ビール醸造者協議会(JBA)によると、クラフトビールは「大手メーカーから独立し、1回の麦汁製造量が20キロ以下で醸造者の管理が徹底され、伝統的な製法で製造しているか、地域の特産品を原料にするなど地域に根ざしていること」と定義している。