白い砂のアクアトープ 第05話「母の来訪」

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「がまがま水族館」に娘を連れ戻しにやってきた風花の母・絵里。しかし、まだ帰りたくない風花はくくるの手助けによって母から逃げることに。再び行く当てがなくなった風花は、ふらりと立ち寄った、くくるの友達である照屋月美が手伝うごはん屋「カメ―」である人物と再会する。一方、残されたくくるは、絵里を足止めするために様々な作戦を実行していた。


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白い砂のアクアトープ
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「――見えた?」 くくるは、そっと、がまがま水族館のヒミツを教える。 「ここではときどき、『不思議なもの』が見えることがある」 夏の日差しが降り注ぐ、沖縄。 那覇市内からバスに乗り1時間あまり揺られた先に、その水族館はある。 沖縄本島南部、美しいビーチのすぐ脇にある、ちいさな、すこしさびれた「がまがま水族館」。 18歳の女子高生・海咲野くくるは、そこでまっすぐ、ひたむきに仕事をしていた。 祖父に替わって「館長」を名乗るほど、誰よりもこの水族館を愛している。 ある日くくるは、水槽の前で長い髪を揺らしながら大粒の涙をこぼしていた女の子・宮沢風花と出逢う。 風花は夢だったアイドルを諦め、あてもない逃避行の先に、東京から沖縄へやってきたのだ。 がまがま水族館に流れる、ゆっくりとした、やさしい時間。 居場所を求めていた風花は、「水族館で働きたい」と頼み込む。 出会うはずのなかったふたりの日常は、こうして動き始めた。 しかし、がまがま水族館は、「不思議」と一緒に、「閉館の危機」という大きな問題を抱えてもいた。 迫りくるタイムリミットを前に、ふたりは立て直しを目指して動き始める。 かけがえのない場所を、あたたかな寄る辺を、守るために。

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