手動トラリピっていうのがよく分からないんだけど。
ここで扱う「手動トラリピ」とは、細かい値動きを利益に変える、マネースクエアのFX自動注文・トラリピの理念だけを拝借して、注文を自動ではなく、1本ずつ指値注文で行うことを指します。
トラリピは一度にたくさんの新規・決済注文をあらかじめ出しておく注文方法だけど、それを1つずつ自分で行った方が、相場の急騰・急落時には実は有利!他にも利点がある!という体験談です。
注意・FXはレバレッジを効かせた証拠金取引です。為替相場の急騰・急落により、差し入れた証拠金以上の損失を失うこともあります。極めて低レバレッジでの運用をお勧めいたします。
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トラリピとは(注意点)
トラリピはマネースクエア(リンクは公式HP)が提供する自動売買サービス。(以下はマネースクエアのホームページより引用)
上の図は、赤いところで買い注文、500円の利益が出る青いところでそれを売る決済注文を、自動で繰り返している様子だ。
いわゆるレンジ相場、同じ価格帯を相場が上下することを利用して、例えば、1ドルが100円になったら買い、101円になったら売る、という注文をしておけば、それを自動で繰り返してくれるため、放っておいても細かい利益が出ます。
都合のいい事実だけを切り取るとそうなるんですが、そこまで都合がいいわけがない。
まあね。
トラリピには当然欠点があって、例えば1ドル100円から、1000通貨ずつ、0.2円ごとに買い注文を入れる場合(利確幅も0.2円とする)、ドル円が3円円高に進むと、ポジションはこんな感じになります。
見ていないうちにポジションが増えている。200円の利益を繰り返したいだけなのに、評価損が22000円・・・
大事なことです。トラリピはレンジ相場の時はコツコツ利益を積み重ねるけど、相場の急騰、急落にはとても弱い。
それを見越したうえで、長期投資で挽回していくのがトラリピの基本戦略になります。評価損は必ず拡大するものだと思ってください。22000円の評価損を200円ずつ、110回のリピートで取り返していく。これで普通です。長い道のりになります。
どこまで長期投資になるかは、この記事で。かなり大げさに書いてあります。
ですが、手動トラリピにより、この欠点をある程度克服することができます。
長期投資である・大きな評価損は出てきて当然という前提に立ったうえで、手動トラリピの魅力を説明しようと思います。
手動トラリピは、ポジション・評価損が急増しない! 魅力★★★
トラリピは、複数の注文を一度に出すことができます。今1ドル100円だとして、1ドル100円~97円の間に0.2円の幅で注文を入れる場合、16本の自動売買注文を一度に発注できてとても楽です。
これは便利ではありますが、デメリットでもあります。
ここで、あなたが寝ている間に、急に3円、円高に進んだとしましょう。買いポジションを持っている場合の急落、いわゆるおはぎゃあ状態です。
左が、先ほどと同じ図ですが、トラリピ注文を入れていた場合。右が、手動トラリピであるため寝ている間は新規・決済注文を入れられなかった場合です。
寝てた方が評価損が小さい!
自動売買ではないから、ポジションが勝手に建たないため、評価損もその分生まれない。
3円も急に円高に進んだということは、何らかの重要な出来事があったはず。簡単には戻らない3円の可能性もあります。上の表の寝てた!の部分でリピートを繰り返すのはだいぶ先になる可能性もあり、そこでリピートしたいなら、相場が戻ってきてからポジションを建てなおせばいいだけの話。
急落時にポジションをつかむ必要は特にありません。評価損を拡大させない方がはるかに価値がある。その点で、手動トラリピの方が優れています。
落ちるナイフをどんどんつかむことの無いようにするんだね!
手動トラリピは、決済利益も大きい! 魅力★★
★★★で、相場が急落した場合のガードの固さが分かりました。
次に、トラリピ派のお楽しみ、下落した相場が急に元に戻るときの、手動トラリピの攻撃力について説明します。
じわじわ相場が3円落ちた場合、トラリピでも手動トラリピでもポジションの数はほぼ同じです。評価損もほぼ同じ。
ここから、自分が寝ている間に、落ちた相場が急に3円戻ったとしましょう。
よし!トラリピ決済祭りだ!爆益が期待できるぞ!
自動トラリピが左、手動トラリピが右です。表の一番下から見ましょう。
上の図を例にすると、トラリピは細かい利益を積み重ねる注文なので、左の図では3円相場が戻っても200円の利益でポジションが次々決済されるため、200円×15回の3000円の確定利益しかありません。
損失の拡大は速いのに、利益の方はそうでもないね。
それに対し、右の図の手動トラリピの方は勝手に決済されないので、含み益の状態で24000円が積みあがっています。好きなタイミングで、のんびり利確しましょう。
すごいぞ手動トラリピ!・・・決済利益じゃなくて含み益だから気を付けてね!
一気に相場が急騰した時は、トラリピより手動トラリピの方がはるかに利益が大きくなります。コツコツ利益以外に、実は大きな利益のチャンスもある。
トラリピが手動トラリピに勝つのは、相場を見ていない時にレートが上がって、見ていないうちに元の位置に戻ったときだけです。
大きな動きの時には寝てた方がが得なのか。
トラリピ本家には、「決済トレール注文」という注文方法があり、上記の★★の効果と似た機能を持たせることもできますが、★★★の特徴を持たないため、今回は省略します。詳しくは公式ホームページへ。
手動トラリピは、細かい利益もきっちり取れる! 魅力 ★
放置しておく方が有利なのは分かったけど、じゃあ細かい利益はどうやってとるの?
ここから先は個人的なおススメ設定になりますが、
新規注文・決済注文ごとにメール通知をしてもらうことはできるから、あらかじめトラップ幅を考えておいて、買いトラリピの場合は、いまのレートから1つ下のトラップの新規買い注文と、1つ上の決済注文だけ入れておくのがおススメです。
決済・新規注文のどちらの通知が来たかで、相場が動いた方向はチャートを見なくても分かる。メール通知が来てからスマホで次の注文を建てなおせば2分くらいしかかからないし、スマホの操作が追い付かないほどの急騰・急落にはそもそもついて行く必要がないので仕事中でもストレスがない。
なるほど。じゃあその行動のデメリットは?
デメリットとして残るのは、まったく同じ価格帯を、スマホが見れないタイミングで何度も何度も往復した場合、自動注文では出るはずだった利益が出ないことです。
メール通知があるため、正直そんなことはめったにないし、評価損の拡大を抑える効果に比べれば(私にとっては)リピート数回分くらいデメリットのうちには入りません。
そもそもトラリピは、「放置しておくだけで細かい利益!」っていうけど、ホントに完全放置している人はどのくらいいるのかな?毎日パソコンかスマホでチェックしてるんじゃないのかな?
注文の幅を広めにとれば、スマホを見ていないうちに何度も上下する可能性も低いから、1日1回のパソコンチェックで手動トラリピを機能させることも可能です。
私はユーロ円を0.25円幅で手動トラリピしていますが、1日に2・3回スマホで注文を入れているだけです。大きな変動の時は家でゆっくり対処します。
その他の隠し効果
隠し効果といいながら、私にとっては一番大切なポイントです。
① 手動で1本ずつ注文を行うので、FX会社はどこでもいい。スワップ・スプレッド・通貨ペアなど、好きな会社でできる。
使い慣れたFX会社でできるね。
② 急騰・急落時には黙ってた方が得なので、心理的なストレスの軽減効果。
大好きです。この感覚。
③ そして、株を持っている人なら、カブドットコム証券(auカブコム証券に変更予定)なら、代用有価証券制度で現金を使わずに手動トラリピができる。などがあります。これについては下の過去記事で詳しく解説しています。。
トラリピの評価損の性質に理解のある方にとって、おススメ情報になると思います。
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