信仰が強固なつながりを産む
「創価ネットワーク」とは
変わり種ネットワークとしては、創価学会に関係する人たちの人脈が挙げられる。開学以来、司法試験に力を入れてきた創価大だが、創価大卒業生のみならず、創価学会員である他大学出身者も含めた法曹グループが古くから機能しており、受験から合格、そして弁護士登録後の活動まで、「あくまでも創価学会や創価大学とは離れた個人として」(都内の私大卒で創価学会員の弁護士)面倒を見る。
“創価繋がり”同士、先輩が後輩を手厚く指導し、面倒を見るのだ。続けて前出・若手弁護士が語る。
「地方の大学出身、かつ創価学会関係の人たちに見られるような人的ネットワークを持たない者は、ソクドクするにしてもフリーハンドの状態からのスタートです。何かをするにしても厳しいのです」
そうした「成績」も「学歴」もはかばかしくない弁護士にとって、最後の砦となるのは「マーケティング力」であろう。
たとえば、弁護士業界では2000年から広告を打つことが解禁されているが、今なお「派手な広告宣伝を行うこと」や、「(離婚、相続、債務整理などの)専門性、得意分野を打ち出すこと」が嫌われる風潮がある。正統派の弁護士とは「依頼人のためなら、どんな事件であっても持てる能力を駆使して解決する」ものだと考えられているのだ。
この若手弁護士も“正統派”に憧れて弁護士登録時、「ブログやSNSの類は一切しない」と決めていた。しかし、その決意は今、揺らぎつつあるという。
「弁護士ドットコム、ブログやSNSでもしないと、自分を知ってもらうことができない。でも、そういった活動に時間を取られては、真面目に事件に取り組むことができない。法曹実務と経営、この2つの能力は別のもので両立が難しいのです」
広告宣伝に注力し、専門性をアピールして顧客を集めるという手法は昨年、懲戒処分を受けたアディーレが得意とするやり方だ。ちなみにアディーレは、広告はもちろん、テレビなどマスコミへの露出にも積極的だった。こうした傾向を、ある単位会と呼ばれる都道府県弁護士会で要職を務めた経験を持つ弁護士のひとりは、「弁護士の芸能人化が著しい」と嘆く。
近年では、ブログやホームページのみならず、動画サイト「YouTube」で法律解説を行う、兵庫県弁護士会所属の久保田康介弁護士に見られる「弁護士ユーチューバー」も登場している。