フケには乾いたものと湿ったものがあります。
乾いたフケは頭皮が乾燥しているときに、湿ったフケは皮脂が過剰分泌しているときに見られるフケです。
どちらのフケが見られるときも、頭皮環境はよくない状態と言えます。
フケが大量に発生しているときは、フケが頭皮表面や毛穴、髪の間などに残りやすく、毛穴を塞いでしまうことも少なくありません。
毛穴をすっぽり塞いでしまうような場合には、毛根に酸素や栄養が行き届きにくくなってしまいます。
特に、皮脂が過剰に分泌しているときの湿ったフケが毛穴を塞ぐと、皮脂そのものが毛穴を塞いでいるのとほぼ同じような状態です。
頭皮の血行が悪くなるため、抜け毛が増えることにつながるといわれています。
しかし、通常はフケ自体が抜け毛を増やすわけではありません。
フケが大量に発生するようなときは、頭皮が異常に乾燥しているか、皮脂が過剰分泌しているかどちらかです。
髪の成長を阻害するような悪い頭皮環境のために抜け毛が多くなっていると考えたほうがよいでしょう。
フケが発生するメカニズム
フケとは、頭皮から剥がれた角質細胞が皮脂と混ざり合い、ウロコ状の白い老廃物となったもの。これが増えて目立つとフケ症といわれます。
何らかの原因で通常より増えると、皮脂中の成分がカビに分解されることでできた物質が、皮膚を刺激するため、脂漏性皮膚炎に。
すると、大量のフケが出てしまうのです。頭皮だけでなく、眉毛や鼻の周辺、耳の後ろ、脇の下、胸の谷間など皮脂分泌の活発な場所にも、同様の症状が表れることがあります。
正常な頭皮環境であれば、ターンオーバーによって出るフケはそう多くもなく、普通に髪を洗っていれば落とすことができるので、そんなに目立つことはありません。
しかし、頭皮環境が悪化すると、新陳代謝が乱れ、頭皮の角質が大量に剥がれ落ちるようになってしまいます。
フケを防ぐには、正常な頭皮環境を保つことが重要なのです。
皮膚科医監修
頭皮環境で悩む方向けシャンプー
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フケやかゆみの原因となるマラセチア菌
フケは、マラセチアと呼ばれるかび(真菌)がその原因となることがあります。
マラセチア菌そのものはすべての人の頭皮にいる常在菌ですが、脂分を栄養としており、汗や皮脂が増えるとそれだけマラセチアが増え、脂漏性のフケになってしまいます。
脂漏性のフケを対策するためには、頭皮の皮脂や汚れを取り除き、清潔に保つことが重要です。
マラセチア菌の過剰繁殖は、結果として「頭皮のかゆみ」や「フケの大量発生」を引き起こしてしまうので、フケやかゆみを防ぐためには、菌のエサとなる汗や皮脂を適度に洗い流し、清潔な状態を保っておくことが大切なのです。
しかし、難しいところは、菌のエサとなる皮脂は、ゴシゴシ洗い流しすぎると、かえって皮脂の分泌量が増えてしまう点です。
皮脂は毛穴にある「皮脂腺」から分泌され、肌のうるおいを守るために、水分の蒸発を防ぐ役割をもっています。
皮脂は油分なので、いってみれば、油で蓋(フタ)をして肌の水分量を保っているような仕組みです。
皮脂を落としすぎてしまい、頭皮の油分が足りなくなると、「うるおいが無くなる、もっと皮脂を分泌しなければ」という防衛本能が働き、皮脂の分泌が過剰になってしまうのです。
また、洗髪後に髪や頭皮を乾かさずにいると菌の増殖を促してしまうため、ドライヤー等できちんと乾かすことも大切です。
乾燥性のフケと同様に、シャンプーのすすぎ残しが原因の場合も多いため、シャンプーは適量を使用し、耳の後ろや襟足の生え際付近はしっかりとすすぐように心がけてください。
こういったことからも、フケで悩まれている方には、頭皮に対して優しく、かつ洗浄力は高い、そして、簡単に洗い流すことのできる「すこやか地肌シャンプー」がおすすめです。
落としすぎないアミノ酸洗浄成分
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フケやかゆみに悩む場合のシャンプー選びのコツ
これまでの内容をふまえたうえで、ここからはシャンプー選びについてお話していきます。
シャンプーの成分表をしっかり確認する
あまり知られていませんが、フケの原因のひとつである「フケ原因菌」は、皮脂を食べて生きるカビの一種で、誰の頭皮にも住んでいます。
皮脂腺が多い頭皮はもちろん、顔、胸、背中などにも好んで住みつきます。増えすぎると、フケ・かゆみの原因になることがあります。
たかがフケと軽く考えずに、フケ症にはフケの原因に対処する正しい頭皮ケアを心がけてください。
フケ原因菌の増殖を抑える成分配合のシャンプーとリンスをおすすめします。
フケの原因菌に有効な成分は、ジンクピリチオン/ピロクトンオラミン/イオウ/二酸化セレン/ミコナゾール硝酸塩などです。
これらの成分は、フケの原因であるカビ菌に対して有効に働きかける作用があり、また、比較的、効果があらわれるのも早いため、すぐにフケを解消したい方は、これらの成分が含まれているシャンプーを試してみてください。
石油系洗浄成分が入ったシャンプーは使わない
シャンプーに使われる洗浄成分は大きく分けると
・石油系洗浄成分
・石けん系洗浄成分
・アミノ酸系洗浄成分
・PPT系洗浄成分
この4つに分類されます。
それぞれを簡単に説明すると、石油系洗浄成分は石油や植物油を化学合成してつくられるもので、原料が安いため、ドラッグストアなどで売られている安価なシャンプーのほとんどに、この石油系洗浄成分が含まれています。
石油系洗浄成分の特徴には「泡立ちが良く洗浄力が強い」ということがあげられるので、汚れをしっかり落としたりサッパリとした洗い心地を感じるにはよいのですが、そのぶん、皮脂や肌の油分を落としすぎてしまうのでフケ・かゆみに悩む人は使わないほうが無難です。
また、石鹸系洗浄成分は髪の毛を傷めやすいので、これまた使わないほうが良いでしょう。
フケやかゆみにお悩みの方におすすめできるのは、「アミノ酸系洗浄成分」と「PPT系洗浄成分」が配合されたシャンプーのみです。
PPT系洗浄成分
PPT系洗浄成分は、タンパク質を加水分解して得られるポリペプチド(PolyPepTide)を元に作られている洗浄成分です。
特徴としては、泡立ちや洗浄力は弱い反面、皮膚や髪のタンパク質に似た成分なので毛髪補修効果があるとされています。
アミノ酸系洗浄成分
これまでにあげた石油系洗浄成分や石けん系洗浄成分は、かなり昔からシャンプーに使われてきたものですが、それらに比べ、わりと最近に開発されたのがアミノ酸系洗浄成分です。
これまで使われてきた石油系洗浄成分や石けん系洗浄成分のデメリットを解消する特徴をもち、洗浄力はそこまで強くないものの、頭皮環境には良いとされ、近年、注目を集めている洗浄成分です。
薬用アミノ酸シャンプー
「爽快柑」
フケやかゆみに効果が期待できる成分
ミコナゾール硝酸塩
「ミコナゾール硝酸塩」のフケ原因菌への効果は、最近発見されたもので、ミコナゾール硝酸塩を配合すれば、(頭皮のカビ)の増殖を抑えることができ、より効果的にフケ・かゆみを防ぐことができるといわれています。
持田製薬の「コラージュフルフルネクストシャンプー」は、ミコナゾール硝酸塩を配合した、フケかゆみ用シャンプーの中でも人気のある商品なので、ぜひチェックしてみてください。
ヒノキチオール
天然成分である「ヒノキチオール」は、アトピー体質の方に多く見られる黄色ブドウ球菌やニキビの原因のアクネ菌、フケの原因のカビ菌等に強い抗菌力を示すと言われています。
グリチルリチン酸2K+ヒノキチオール配合
「すこやか地肌シャンプー」
「すこやか地肌シャンプー」は、グリチルリチン酸2Kもヒノキチオールも配合されていて、しかも、シャンプー、トリートメント、コンディショナーが同時に行えるオールインワンタイプということもあり、人気のシャンプーのひとつです。
グリチルリチン酸2K(グリチルリチン酸ジカリウム)
グリチルリチン酸2Kとは、生薬の甘草の根茎または根から抽出したグリチルリチン酸を水に溶けやすくした成分です。抗炎症効果のあるため皮膚用の医薬品にも取り入れられています。
頭皮の炎症を抑える作用があり、フケやかゆみなどを抑えて健やかな状態を保つことができる成分として、近年は、フケかゆみ用のシャンプーの基本成分ともいわれている成分となります。
フケ・かゆみ対策には、こういった有効成分が入ったシャンプーを選ぶことも大切です。
グリチルリチン酸2K配合
mogans(モーガンズ)
「スキャルプケアシャンプー」
おわりに
ここまで紹介してきた商品を、あらためて以下に表にしています。
興味があるものがあれば、公式サイトで詳細をご確認ください。
カダソン薬用スカルプシャンプー | 公式サイト |
すこやか地肌シャンプー | 公式サイト |
PPTコラーゲン&シルクシャンプー | 公式サイト |
薬用アミノ酸シャンプー「爽快柑」 | 公式サイト |
コラージュフルフルネクストシャンプー | 楽天市場 |
mogansスキャルプケアシャンプー | 公式サイト |
今回は、頭皮のフケ・かゆみに悩む場合のシャンプーの選び方などを紹介してきました。
今回の記事がキッカケで、あなたにあった商品が見つかれば嬉しい限りです。