戦争の記憶を次世代に 大分海軍航空隊の研究続ける男性【大分】
終戦の日を前にシリーズで放送する『戦後76年プロジェクトつなぐ、つながる』。12日は戦争の記憶を後世に伝えようと2年前から戦争体験者への取材や歴史の掘り起こしを進める男性を紹介します。
大分県由布市庄内町在住の亀田雅弘さん(30)。竹田市内の病院で保健士として働く傍ら大分海軍航空隊の歴史について研究を進めています。
(亀田雅弘さん)「大分航空隊の飛行隊の数と練習生の人員。資料を見るといかに当時の練習生、教員や教官を含めて切迫した中で搭乗員を養成しないといけなかったかわかる。」
子どものころから戦争に関心があったという亀田さん。2年前、それまで以上に思いを強める出来事が。宇佐海軍航空隊の人間爆弾と呼ばれた「桜花」の搭乗員だった男性が同じ地区で暮らしていたのです。
(亀田雅弘さん)「そのおじいちゃんが特攻隊員だったとは思ってもみなくて。小川さんはロケット特攻機に乗って死ぬつもりだったと。ただたまたま出撃の機会を与えられなかった。」
特攻機に乗りたかったと話した小川さん。しかし、搭乗の機会はなく終戦を迎えます。そして小川さんが大分に帰り着いた数日前、「最後の特攻隊」が出撃し18人が亡くなったのです。
(亀田雅弘さん)「何と運命というものは悲惨なものか。私には戦争はつらいし二度と起こしてはいけない教訓として活かしてもらいたいと話していた。」
小川さんの体験談をきっかけに亀田さんは大分県内の戦史について調べ始めました。しかし戦闘機の搭乗員を養成する部隊だった大分海軍航空隊については資料が乏しく調査は難航したといいます。
(亀田雅弘さん)「今までの資料を見ても大分基地の状況を詳細に把握した資料がなかったのでないなら自分で作ろうと思って。」
亀田さんは国や米軍が公開した地図、それに当時の手記などを比較して大分海軍航空隊のより詳細な地図を生み出しました。
(亀田雅弘さん)「大分基地だけではなく周辺の民間の集落も大規模に要塞化されていたことがわかった。」
さらに当時の状況を知る戦争経験者への取材を進めて歴史の掘り起こしを進めています。そこで少しでも多くの人に戦争の歴史を伝えようと知人と作るグループで発表会を開催することにしました。
(亀田雅弘さん)「一般の人に話すのは今回が初めて。私たちの記憶から忘れ去られてしまうことは避けたい。」
「感染拡大に伴い一般の来場者の受け入れなし」
亀田さんは大分海軍航空隊の歴史について調査結果を発表。会には戦争関連資料の発掘を進める宇佐市の市民団体「豊の国宇佐市塾」のメンバー2人が参加し多くのアドバイスをもらいました。
「発着艦訓練をするという母艦搭乗員を養成する専用航空隊だから大分空に部隊を集約すれば発着艦訓練ができる。」
(豊の国宇佐市塾・藤原耕さん)「大分という範囲の中で新たにできたというのは大きい意義があるしこれを契機にもう一段階若い世代が育ってくれる場になれば。」
戦後76年が経ち戦争を知らない世代が増えていくなか亀田さんの研究は戦争の記憶を次世代へと確実につないでいきます。
(亀田雅弘さん)「戦後76年が経って戦争のことについて知らないのは本当におそろしいことだと思うのでいま平和を享受しているのは私たちの世代なのでさらに詳細に調べていきたい。」
2021/08/12(木)のOBS大分放送ニュース
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