ゲニウス(北)のA列車で行けばいいじゃないか3D

  1. トップページ >
  2. 攻略情報 >
  3. 路面電車はいらない子か?

1-7-1. 路面電車はいらない子か? / A列車で行こう3D攻略情報

長々と続けてきた総論ももうすぐ終わりです。ここからは特定のテーマに絞らず、まだ解説していない部分をちょこちょこお話ししていきます。

今作では、鉄道・バス以外の公共交通機関として、路面電車があります。

ただ、この路面電車というのが、ちょっとビミョーなんですよね。皆さんもプレイしていてそのビミョーさを感じたと思います。

このページでは、路面電車は使い物になるか、なるとしたらどう使うか、というのをテーマにします。

路面電車の立ち位置

図1: 路面電車の車両の情報。バスよりは輸送力が大きいがいかんせん単行……

まずは、路面電車がゲーム内でどういうポジションの交通機関なのか、について。

路面電車は、連接車体はなく、全車両が単行となります。したがって、輸送力の面で大きく鉄道に水をあけられています。その結果として、街を発展させる効果は鉄道に大きく劣ります。

また、軌道は片側2車線の道路にのみ敷設可能で、専用軌道(道路上じゃなく、専用の敷地に引いた線路のこと)にはできません。

ここからわかる通り、路面電車はメインの交通機関にするにはちょいとキツいです。よって、バスと同様に鉄道のサポートに徹するほかありません

一方、バスと比較したときに、輸送力はやや高いので、バスよりは発展促進効果が若干高いです。

つまり、路面電車は鉄道とバスの間、ややバス寄りといいた立ち位置になります。

……やっぱり、ビミョーですね。

多すぎる路面電車のデメリット

路面電車には、このほかに数々の弱点を抱えています。

まず、2車線道路にしか敷設できないため、バスだけなら1車線でいいところ2倍の広さの道路が必要になるので、場所をとります。

2車線道路のもうひとつの問題として、すでに引かれている道路を拡幅するのが難しいため、路面電車はどこでも使えるわけではありません。よって車両の使い回しが効きません。

また費用対効果の面でも弱く、広い道路に軌道に車両に、とバスより大きな初期投資が必要な割には、発展の効果は薄いように感じます。メインである鉄道の利用客がしっかりいれば、そのサポートはバスでもじゅうぶんな効果が期待できます。

最大のデメリットは、坂を上り下りできないということ。坂に軌道を敷くことができず、このせいで起伏のあるマップで使いづらいどころか、大きな川も越えられません。

このように、路面電車はデメリットがフルパックです。ボク自身、プレイ中に使いづらさを感じて軌道を撤去したことがあります。

路面電車に存在意義はあるのか?

立ち位置も微妙で、デメリットも多い路面電車。

断言しますと、交通機関はメインの鉄道とサブのバスがあれば十分です。「1-2. 街を発展させるには」で説明した通り、鉄道とバスを上手に組み合わせれば、街を大きくするのは決して難しくありません。

満員マークが出る状態がイヤなプレイヤーもいるでしょう。その場合、バスだと満員マークが出っぱなしになるようなエリアに路面電車を持ってくることを考えるかもしれませんが、バスで満員が出るくらい発展してたら、路面電車でもそのうち満員になっちゃいます。コストパフォーマンスもよくないので、資金さえ余裕があれば地下鉄掘った方が、輸送力も大きく発展効果も高いのでよっぽどいいと思います。

もとからオマケ的な感じがひしひしとする仕様であることも相まって、路面電車からは「いらない子」臭がヒシヒシとしてきます。

そんな路面電車に、果たして出番はありえるのでしょうか。

唯一にして最大のメリット

図2: 路面電車が走る街。終点の形が至極単純なのがわかる。また後述するように路線は片側になら分岐させられる

路面電車には、実は大きな武器があります。それは、管理が超ラクチンなこと。

路面電車は、当たり前ですが敷かれたレールの上しか走れません。ということは、バスのように、交差点の進行設定をひとつミスったら迷子になった、ということはありません。

また、事実上のオマケ要素であることから、折り返し線路はかつての札幌市電の西4丁目みたいな簡単な形にしかなりません。よって、鉄道のように終点の駅の進行設定をする必要はなく、車両を置いておけば勝手に終点で折り返してくれます。

このように、軌道を敷いて、停留所を置いて、車両を放っておけば、勝手に働いてくれます。

よって、バスの扱いに慣れていない初心者に向いている、と言えるでしょう。

2車線道路にしか敷けないうえに道路+軌道が要るのでお金がかかるという問題についても、違う視点から見れば「運輸の産業比率が伸びる」というメリットになります。その意味でも、バスより発展促進の効果が高いと言えます。

以上から、路面電車は使おうと思えば有効に活用できる要素です。

路面電車の使い方

図3: 電停の設置の様子。画面下のバーで「両側」を選ぶと、ホームが2面となり両方向の電車を停められる

具体的な使い方についても、少し触れておきます。

何度も申し上げている通り、路面電車はバスと同じ使い方をすることになります。基本的には、「1-2. 街を発展させるには」のバスについての説明と同じです。

軌道は分岐させることができます。ただ1方向にしか分岐できないので注意。イメージとしては函館市電の十字街電停付近です。

停留所は、片側設置と両側設置を選ぶことができます。終点駅以外では両側にしましょう。設定を忘れやすいので注意。

こだわる人は、かつての西4丁目電停みたいに、終点のちょっと手前に降車専用(という脳内設定)の停留所を置いてみるのもいいでしょう。

路線は環状にすることもできます。というかそれが一番楽です。ちょうど札幌市電や富山地鉄が最近ループ化したことですし、ここはひとつ、ね。

現実の路面電車も……

以下余談。路面電車がビミョーな立ち位置というのは、このゲームに限った話ではありません。

現実でも、鉄道ほど輸送力があるわけではなく、バスほど小回りが利かない、という「帯に短し、たすきに長し」な感が路面電車から漂っています。

そうなると、こちらの世界でも、やはり路面電車はバスとほぼ同様の役割にしかなりません。

ただ、近年は連接車体の「リトルダンサー」が登場したので、輸送力は若干アップしています。ゲームほど輸送力は低くありません。

そうはいっても、基本的には鉄道と同じ役割は期待できません。

近年、あちこちの都市計画でやたらと路面電車(彼らはLRTと呼称する)がプッシュされ、「市内交通は路面電車を基本にする」なんて息巻いている自治体や市民団体もいろいろいます。

が、それらの計画の一部では、鉄道をわざわざ路面電車に置き換えるようなプランがあったりします。そしてたいていの場合、現状の輸送密度を見ると路面電車では賄いきれません。

最たる例が琴電琴平線。高松築港~仏生山間を軌道化する案が出ているらしいです。しかし冷静に考えてみてください。朝ラッシュの仏生山7:30~8:30発の電車は7本、いずれも4両編成、つまり通過車両数は1時間あたり28両。各車定員が140人(京急旧1000形の定員です)と想定すると、1時間あたりの輸送力は定員100%乗車だとしても3920人です。これを路面電車で運ぼうとすると、定員80名(富山ライトレールTLR0600形の定員です)とすると、定員150%乗車でも33本必要です。1時間で運びきるにはムリがあります。

これを、素人考えで路面電車にムリヤリしようとしているワケです。これはあるいは、市営モンロー主義が前提にあるがゆえのイデオロギー的な固執なのかもしれません。

このように、路面電車の輸送力はかなり限られています。需要次第では、日暮里・舎人ライナーのように新交通システムを選択するか、大人しく普通鉄道にする必要があります。

バスと比較しても、コストが結構かかる割にバスとそこまで輸送力が変わりません。結局のところたいていの場合バスで足り、それでいてバスより黒字が出づらいです。

路面電車再興計画があちこちで頓挫しまくっている理由が、おわかりでしょうか。

近年の路面電車の成功例としては富山ライトレールがありますが、あれは「偉大な例外」といえます。路面電車としてちょうどいい需要があり、自治体も路面電車を生かすべく様々な工夫を行ったからこそ、あのような成功があったのです。他の地域でも無条件に成功するとは限りません。地域ごとに大いなる議論が必要でしょう。

ちょっと余談が長くなりましたが、路面電車については以上。路面電車の利益がマップの目標になっていない限りは、路面電車は使う必要はありませんが、「良いな」と思ったら使ってもいいと思います。

次のページでは、意外に大事な要素といえる「社員状況」の話をしましょう。

「A列車で行こう3D攻略情報」のトップに戻る

当サイトのトップページに戻る