1-5-4. 貨物列車 or トラック? / A列車で行こう3D攻略情報
資材をはじめとする資源は、当然ですが生産されるだけでは足りず、消費するところまで運んでやらなければなりません。
資源は、貨物列車またはトラックで運びます。
では、そのどちらを選択すればいいか。ここでは、それを論じていきます。
概説
結論から申し上げますと、両方使います。どちらかのみ、というのはございません。
なぜか。貨物列車とトラックには、それぞれの特性があるからです。
基本的には、次のような特性があります。
貨物列車は、大量かつ高速で資源を運ぶのに適しています。大量の資材をトラックで運ぶとなると、コストが余分にかかる上に、大量のトラックが必要となり渋滞の原因になります。
一方トラックは、小回りが効き、1個単位での輸送に向きます。つまり、少量を隅々まで運ぶのに適しているといえます。貨物列車だけで隅々まで運ぶのは大変ですし、少量ならトラックの方がコストもかかりません。
よって、貨物列車とトラックは、状況に応じて使い分けるということになります。
図1: セミトラクタの情報。貨物を2個運べるのがわかる
ただし、ゲーム内時間1994年以降は、「セミトラクタ」タイプのトラックが開発可能になるので、状況が変わります。
セミトラクタは、一台で2個の資源を運べます。つまり、トラックの輸送力が1994年を境に倍になるのです。
セミトラクタを開発して以降は、場合によっては貨物列車からトラックへの交代もあり得ます。
詳説
貨物列車とトラック、それぞれをもう少し詳しく見てみます。
まず貨物列車。引ける貨車の数は、最大で6両(機関車を入れて7両)。ということは、最大12個の資源を運べます。ただし一部の機関車は初期状態では4両(機関車を入れて5両)までなので、もっと運びたければプランの「貨物列車開発」で改良が必要です。
コスト面ですが、引く貨車の数が多いほど、資源1つあたりの運送コストが安くなるようになっています。つまり、コストは機関車と貨車を区別せず「列車の長さ×1両あたりのコスト」で計算されるところ、編成の先頭は貨物を運べない機関車なので、列車が長ければ長いほど「貨物1個あたり」の運送費(空車がない場合)が安くなるわけでです。例えば2両編成(貨車が1両)だと貨物2個を2両ぶんのコストで、7両編成(貨車が6両)だと貨物12個を7両ぶんのコストで運ぶことになり、後者の方がお得です。したがって、たくさん運べば運ぶほどお得になります。
スピードは、当然トラックに勝ります。ダイヤ次第ではありますが。
で、もちろん線路以外は走れません。また、資源の積み降ろしには駅が必要です。
また、貨物専用の線路を引かない限り、旅客列車の行き交う昼間に走らせるのはちょっと苦労します。
次にトラックを見てみます。1台で運べる資源の数は、セミトラクタは2個、それ以外は1個。これは増やせません。たくさん運びたければ何台も走らせる必要がありますが、あまり数が多いと渋滞を起こすおそれがあります。
コストは、1個単位ならば貨物列車より安いですが、10個、100個という話になれば貨物列車の方が安くなります。
スピードは単純に速度が遅いうえ、踏切や交差点があるとさらに遅くなります。さらに、道路の規格が低いと、車両を改良して速度を上げても遅いままになってしまいます。
ただ、道路さえあれば取り敢えず走れますし、トラック駐車場はあまり場所をとりません。貨物列車よりは省スペースです。
このように、貨物列車とトラックは一長一短です。状況に応じて使い分けることになります。
ところで、前作「A列車で行こうDS」では、トラックの使い勝手が今作より良かったことに加え、列車が最大5両(=貨車が4両まで)だったので、ボクはトラックばっかり使ってました。今作になってようやく貨物列車をまともに運用し始めました。
小は大を兼ねる
でも、どちらを使うかを一々考えるのは大変です。さまざまな事情を勘案して、最適な輸送手段を選ぶというプロセスを毎度毎度やっていては疲れてしまいます。
ここで、運輸の世界における格言(?)をひとつ。「小は大を兼ねる」。
「大は小を兼ねる」、ということわざがありますが、その逆バージョンですね。何でも大きい方がいいというワケではないのですよ。
要は、「迷ったらトラックでいいんじゃね?」ということです。
先ほど、トラックは少ない量を運ぶのに向いていると言いました。でも、少しばかり個数が多くても、トラックの増発で対応できます。そこまで厳密に貨物列車と使い分ける必要は必ずしもありません。
それで、「不足だなあ」と感じた時点で、貨物列車との交代を検討し始めても遅くはありません。
農業資源を運ぶ場合は
ひとつ例外があります。
農業資源を農業組合所から運ぶ場合は、輸送量や距離に関わらず、トラックを選択すべきです。
理由は二つ。まず、貨物駅や線路は農業組合所に少なからぬ悪影響を及ぼします。資源を運ぶために線路を引いて、そのせいで資源の産出量が減っては、元も子もありません。
もうひとつの理由として、貨物駅よりもトラック駐車場の方が省スペースなので、トラックにすればあまり田畑を潰さずに済みます。
でも、だからといって農業資源を大量に運ぶのにも全てトラックで、というとこれまた具合が悪いです。
そのような場合には、トラックで少し離れた場所まで運んで、貨物列車に載せ替えるというのが有効です。これなら農業組合所への悪影響を避けつつ効率よく運べます。
こぼれ話
大量輸送なら貨物列車、逆に少量ならトラック、というような使い分けの思考は、何も貨物輸送に限った話ではありません。
旅客輸送においても、同じことが言えます。
つまり、大量に運ぶには鉄道が、少ない人数を運ぶならバスが適しています(他にもそれぞれ長所がありますが説明の便宜上省略)。
ですから、ローカル線が廃止されるのは鉄道での輸送に見あった需要がないゆえにバスの方がよいと判断されたからに他ならず、この意味では悪いこととはいえません。
逆に、各地でローカル線が廃止されている、だから鉄道はダメである、と考えるのもよろしくなく、バスの方が適しているとされたから鉄道がなくなっただけ、と捉えるのがいいのです。
ローカル線を廃止することに反対するには、需要以外の論点から「バスの方が適している」という主張を論破する必要がありますし、逆に他の地域の鉄道も同様に廃止すべきと主張するには、路線ごとにバスの方が優れていると説明できなければなりません。
要するに、これらの交通モードは使いようで、万能ではないものの、逆に選ぶ価値のないものでもありません。
ただし、鉄道とバスは共存するケースも多いです。例えば北海道では、札幌~旭川や札幌~函館などで「速さのJR、安さの高速バス」という棲み分けができているように思います。
利用客が少ないなら、少ない需要を鉄道とバスで取り合うのは生産的とは言えません。しかしそうでない場合では両者はこのように共存しうるので、いずれか一つの交通モードに統一すればよい、とはなりません。
……まあ、A列車で行こう3Dの世界は鉄道を走らせて町を発展させるゲームですから、旅客輸送のためにどの交通手段を使うかを考える必要はないんですが。
次のページで解説するのは、具体的にどのようにして貨物を運ぶかについてです。
基本的な考え方と、それを実践するヒントをお教えします。