直販予約の無限の可能性。デジタル×コンサルティングで日本の観光業のステータスを押し上げたい
“Collect(顧客を集める)+ Lead(予約に導く)+Attract(惹きつける)” が社名の由来のとおり、ホテル・旅館に専門特化してのWebマーケティングの戦略構築から、サイト制作、集客および直販予約最適化まで一貫して手がける、コンサルティング会社の株式会社コレリーアンドアトラクト。
「日本の観光業を盛り上げる」を経営理念に掲げ、旅行代理店や旅行サイト経由ではない直販予約を前年度より455%もアップさせるなどの高い成果を上げ、注目を集めている。
◆◇JTBにてトップセールス、起業、挫折、そして再チャレンジ。
最後までやり抜いた人間だけが、成功へのステップを歩む◇◆
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2009年5月に同社を創業した代表取締役の松本慶大氏は、親戚が旅行会社に勤務していたことなどから子どもの頃より旅行に関心があり、大学卒業後に「日本の観光業を盛り上げたい」と日本交通公社(現・JTB)に入社し法人営業に携わる。
翌年に発生した「アメリカ同時多発テロ」で海外旅行の販売が落ち込むと、打開策を探るためにマーケティングを学ぶ。そして、マーケティングを主体とした新しい営業スタイルをつくり出し、入社4年目で最年少グループリーダーに選出され、さらに3年連続で「トップセールス表彰」を受けるなど活躍する。
「もっと自分を高める環境が欲しくなった」という松本氏は、2008年に退職し友人とERPベンダーを創業する。しかし、うまくいかず1年で離脱。
「ゼロから会社を立ち上げる難しさを痛感しましたが、いい勉強になりました。次どうするかを考えた時、会社員に戻るという選択肢もありましたが、もう1年だけ自分が闘える世界で手がけたい事業をやり、ダメなら会社員をやり直そうと考えて当社を創業しました」と松本氏は述懐する。
◆◇JTBで感じた違和感、そしてインターネットを通した直販予約の可能性◇◆
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JTB在職中、自社の業績伸び率は頭打ちであったのに対し、大手旅行情報サイトは倍増の勢いであった。エンドユーザーが旅行の予約申し込みをするのは、どんどんネットに移行している。「今後ますますこの傾向は強まる」ことを確信し、得意の旅行分野とマーケティングのノウハウを生かしたWebマーケティングコンサルティングに活路を見出した。創業後は顧客にも恵まれ、初年度から黒字経営を実現。フジサンケイビジネスアイの「2011年度注目企業」にも選出された。
2020年に東京オリンピックが開催され、日本の観光業には強力なフォローウィンドが吹く。今後は、ホテル・旅館の業績向上に寄与して「日本の観光業を盛り上げる」ことに一層努めていく構えだ。
「日本では、観光業のステイタスは低いと感じてきました。一方、多くの外国では観光業は貴重な産業で、その隆盛は国策となっており、観光業のステイタスは高いのです。資源に乏しい日本にとって、観光業は大きな産業の柱になるはずです。政府も『Visit Japanキャンペーン』などで盛り上げています。我々もできることを通じて貢献していきたいと考えています」
そう語る松本氏は、2025年にはIPOを実現し、創業30年となる2039年にアジアNO.1の観光・旅行領域のWebマーケティングコンサルティング会社になることを目標に置いている。
元JTBのトップセールスマン。観光庁「ニューツーリズム普及促進モデル事業」第3者有識者委員を務める。著書に「ホテル・旅館のウェブマーケティング実践術80」がある。
「ITの力で日本の観光業界を一緒に盛り上げましょう!」
サービス力の核心は、エンドユーザーを知り抜いた知見と“USPコンサルティング”
同社のサービスの核心は、“USP(Unique Selling Proposition)コンサルティング”にある。
これは20項目の独自のフレームワークを活用し、まず、クライアント自身が明確にできていない埋もれた『強み』を発掘・分析・体系化するメソッドだ。これに従い、明確になった強みを、どんなターゲットに対してどのように差別化して打ち出すかを組み立て、Webサイトを制作、更にはスマートフォンサイトへの展開や周辺観光紹介サイトなど立体的なメディアミックスも活用する。
そして、そのWebサイトのアクセスログ解析やリスティング広告、SEO対策で見込み客を集め、ユーザビリティの高い予約システムを付加することで離脱を防ぐところまで、集客から予約までの流れを一気通貫で行えることが大きな強みだ。
◆◇直販予約ASPシステムを持つ株式会社エス・ワイ・エスとの業務提携◇◆
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その強みを盤石にするため同社は、自社サイト用宿泊予約システム『OPTIMA』を有名ホテルに軒並み導入しているシステムベンダーの株式会社エス・ワイ・エスと2014年に業務提携。“強者連合”をつくっている。「オフィスも同じビルに集まり、緊密に動くことができています。Web集客を弊社が、集客したお客様の予約をエスワイエスが担当し、お互いのお客様を紹介し合うなどのシナジーも生まれていますね」(松本氏)
さらに、日々の業務を通じて“予約につながる検索キーワード”を蓄積している強みもある。このキーワードを活用することで、“予約につながる宿泊プラン”を作成することができるのだ。この一貫したサービスを提供することで、集客力を確実に高めているのである。
同社の強みの源泉は、松本氏の知見や経験そのものだ。前述のとおり、JTBでホテルや旅館にエンドユーザーを送るマーケティングを手がけてきた。
現在では、
■「宿屋大学」の講師
■『ホテル・旅館のウェブマーケティング実践術80』出版
等々、業界内で様々な活動を行っている。ちなみに、この著書やセミナー講演にホテルや旅館から数多くの問い合わせが寄せられてくるという。
「エンドユーザーの行動特性などと、旅行分野のマーケティングを深く理解している強みがあると自負しています」と松本氏は胸を張る。
2014年に発売。Amazonホテル部門で1位を獲得。現在、第2版
ホテル、旅館の経営者はこれからどう集客すればいいか?本当に困っています。自身のノウハウをしっかりと伝え、自社で宿泊予約を増やす仕組みを広めています。
業績に貢献すればするほど本人に還元する給与制度!
同社の給与体系は「一定の年俸プラス業績連動報酬」で、業績に貢献すればするほど本人に還元する制度を導入している。
「頑張ってくれた分には正当に報いたいという思いが強くあります」と松本氏。
また、人材育成面においても、資格取得やセミナー受講など、本人自らスキルアップを望めば支援している。
「社員が働きやすい環境を作り、満足度を上げることがお客様の満足度UPにつながると考えています」(松本氏)
その根底には、「お客様の満足が最重要」という営業出身の松本氏の考え方がある。松本氏は次のように説明する。「社員の給料を払っているのは私ではありません。お客様です。お客様に満足していただけなければ、当社は対価が得られません。当社が創業以来増収増益を続けているのは、この一点にこだわって取り組んできたからにほかなりません」
そこで、同社が求める人材は、基本的には正直・誠実な人。その上で、行動力のあるタイプだ。『まだまだ人数も少ないですし、感覚的に合うというのはお互いにすごく大事だと思っています』と松本氏。
小学生からサッカーを始め、現在でも東京都リーグの社会人チームで続けているという松本氏は、「元気のいい会社にしたい」という。「将来の目標の一つとして株式上場も考えています。小さい会社ですが、これから一緒に盛り上げていってくれる人にぜひ来ていただきたいと思っています」と松本氏は呼びかける。
みんなで屋形船もんじゃ♪
おいしいお弁当と共に。