石川県でしか作られていないはずの超高級ブドウと同じ名前のブドウが、韓国で栽培され販売されているという情報が。
現地の栽培農家を緊急取材した。

韓国・ソウル市にある高級デパートで、最近あるものが販売された。

宝石のように美しいブドウ「ルビーロマン」。
1房140万円の値を付けたこともあるこのブドウは、石川県でしか栽培されていないはずだが、なぜか韓国産として売られていた。

取材班は、ソウルで売り切れ寸前の高級ブドウを入手。

韓国産「ルビーロマン」は、何と1房日本円でおよそ8,000円。

粒はピンポン玉ほどの大きさ。

さらに、山梨県限定のはずの「ジュエルマスカット」。

こちらも韓国産として販売されていた。

実はこれらは、日本に無断で栽培されたものだった。

こうした日本の高級ブドウを勝手に栽培する農家が韓国内にあると聞いて、取材班はソウルから150kmほど離れた町へと向かった。

そこで記者が目撃したものは...

看板には「ジュエルマスカット」の文字。
すでに収穫されてしまったのか、ブドウは見当たらない。

農家に直撃取材すると、カメラ取材は断られたが、話を聞くことができた。

「ルビーロマン」生産者「手順を踏んで手に入れたものではない。日本側から見れば盗み出したと考えるが、先進国の立場で大目に見てほしい」

日本では2021年4月に改正種苗法が施行され、「ルビーロマン」や「ジュエルマスカット」の種や苗は、海外に持ち出すことは禁止されている。

どうやって入手したというのか。

ルビーロマンの苗木を販売する業者に聞くと、このような答えが。

「ルビーロマン」苗木販売業者「世界的に見れば小さい話だ。すべて中国から輸入している。文句を言うなら中国に言え」

今回のブドウは、改正種苗法が施行される前から韓国で栽培が始まっていて、使用料を徴収するのに必要な品種登録もなされていないことから、農水省は韓国での栽培を制限できないとしている。

ブドウを開発した石川県と山梨県に映像を見てもらったが、「本物か偽物か判定するのは難しい」と対応が難しいのが現状。

取材班は、ブドウ王国・山梨県でジュエルマスカットを生産する農家を訪ねた。

高温多湿に弱いため栽培が難しく、2020年は長梅雨の影響で収穫できたのはわずか2房だった。

農家は、韓国産ジュエルマスカットにショックを隠し切れない。

山梨園・向山亨園主「ほんと、でもごめんなさい、言葉が浮かばないですね...」

ジュエルマスカットの苗木は山梨県が管理し、県内の農家も身分証を提示しないと購入することができないという。

韓国への流出劇に農家は...

山梨園・向山園主「山梨県の栽培農家の誇りをあまり傷つけないでほしいのは正直ある」

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